JR西日本・大糸線遠征の2日目、6時に起床し一番列車を撮ろうと身支度を整え、宿の玄関を出てぼう然としました。駐車場が真っ白に埋まり、レンタカーの屋根やボンネットの上に30センチもの雪が積もっています。そして、暗い空からは次々に大きな雪片が舞い落ちてきます。フロントグラスやリアウインドゥはもちろん、ドアの窓ガラスにも着雪しています。糸魚川発の南小谷行き一番列車の通過時刻に間がありません。車はとりあえずあきらめ、徒歩数分のところにある石原下踏切に急ぎました。
線路の上にも雪が厚く積もり、レールはまったく見えません。線路の周囲は雪の壁になっていて、撮影の足場がありません。しかたなく遮断棒の外側から望遠で狙うことにしました。大きく湿った重い雪が降っているので、傘をさして待っていると、すぐに重くなってきます。傘を振り払うと、そのたびにドサッという音がするほど周囲に雪が落ちます。
こうして待つこと約10分。警報機が鳴りだし、傘を投げ捨てて構えます。カーブから姿を現したキハ52-125はスノープロウで猛烈に雪を飛ばしながら迫ってきました。それは雪煙というような生易しいものではなく、まさに雪をぶちまけながら、という感じです。さすがにこれをまともに被ると、体はもちろんカメラも雪まみれになると思い、適当にシャッターを切るとすぐに走って線路から逃げました。辛うじて吹き飛ばされた雪を被ることは免れましたが、思わずつぶやいてしまいました。「君はラッセル車か」と。
折り返しの糸魚川行き一番列車まで約30分の余裕があります。雪は止むどころか勢いを増しています。このため、カメラやバッグを守るため宿に戻り、車の雪を掻き下ろすことにしました。
宿の人に雪かきグッズを借りて、屋根やガラスから雪を落としていきます。京都市内では絶対体験できないほど大量に雪を落とすという貴重な経験ができました。
そうこうするうち、返しの時刻になり再び石原下踏切に向かいます。糸魚川行きのほうが比較的足場を確保しやすく、また、さきほどレール上の雪が吹き飛ばされたため、今度は落ち着いてカメラを構えることができました。
ほぼ定時に駆けてきたキハ52-125。今度は雪を蹴散らして、という印象です。しかし、降りしきる雪が曲者で何カットかAFが迷いピントを外してしまいました。
それにしても、前夜21時過ぎに同じ石原下踏切に終列車を見に行ったときは、空一面に星が輝いていたのに・・・。オリオンもすっきりと見えていました。宿の人に聞くと、明け方に一気に降り積もったそうです。地元の人によると、「まだ、ましなほう」とのことでしたが、私にとってはこれが雪国かと、驚異の体験でした。
2010-1-10 JR西日本大糸線 中土-南小谷 キハ52-125
≪縦≫
南小谷行き422D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 1600
1/500秒,f2.8,WB:AUTO
≪横≫
糸魚川行き423D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 800
1/640秒,f4,+0.7段,WB:AUTO
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