鉄ある記

鉄道写真を中心に、京都の街角の情景なども写真で紹介していきたいと思います

大糸線紀行2010冬 プロローグは頸城大野

2010-01-13 | 大糸線紀行

 雪の中を走るキハ52に会うため、1月9日から11日までJR西日本・大糸線に出かけた。
 昨年夏と秋に、2基のエンジンを噴き上げて新潟・長野県境の山岳路線を懸命に走る老兵の姿に触れ、白銀の世界を行く彼らにも会いたいと思った。本当は四季折々の景色の中を走る姿が見たかった。だが、すでに3月12日で定期運用から外れることが発表されており、春の花とのコラボレーションを見ることは夢となった。

 それだけに、冬のシーンは必ず見たいと思い、12月29日から31日の2泊3日の予定で出かける計画を立てた。ところが、直前になって風邪をひいて発熱し、断念せざるをえなくなった。だが、絶対に行くのだとの思いから、すぐに今回の計画に変更した。

 1月9日0時02分、京都駅を発車した急行「きたぐに」は5時28分、定刻に糸魚川に到着した。これまで2回は6時4分発の南小谷行き大糸線始発で小滝に行き、すぐ後から来る平岩折り返しの2番列車の往復を撮影して糸魚川に戻り、レンタカーを借りた。けれど、1月の小滝は暗く、露出がない。キハ52を撮るばかりで南小谷まで乗ったことがない。こうしたことから、糸魚川-南小谷を往復乗車することにしてみた。

 糸魚川駅の4番線に2両のキハ52が停車している。前に停まっているのは、2ダイヤで始発の首都圏色キハ52-156。乗りこむ列車だ。不思議なことに過去2回の小滝行きも含め、乗車したのはすべてこの「タラコ」156号だ。そして後方に控えているのがメーンとなる1ダイヤのキハ52-125だ。糸魚川地域鉄道部の発表では、この3日間、スカ色とも鉄道省色ともいわれる旧標準色の125は運用に入らなかったはず。一方、本来走るはずの国鉄標準色キハ52-115の姿は見えない。

 乗車の模様はすでに携帯電話から書き込んだ通りである。予定通り、南小谷往復を堪能し、9時にレンタカーを借りた。もう通い慣れた、といってもいい道である。一路、大糸線沿いに国道148号を南下する。雲が多めだが、青空が広がってよい天気だ。右手に黒姫山だろうか白銀の峰が陽光を浴びて輝いている。
 「あの輝く山を撮りたい」。そうなると、撮影場所は頸城大野駅しかない。ここで撮影するのは初めて。だが、駅の背後に雪原が広がっているのは先ほど車窓から見たばかりだ。手前に雪原を入れ、駅に停車するキハ52を撮れる。背後には山がそびえている。

 雪原に踏み跡がある。すでに去った先客が付けたあとだ。防寒防水の革のトレッキングブーツにゴアテックスのスパッツを付け、雪原に入る。ところどころで、ひざまで埋まりながら慎重に撮影ポイントまで行く。三脚を立て、アングルを決めて列車の到着を待つばかり。
 山は輝き続けているが、雪原と駅は晴れたりかげったりを繰り返している。さあ、10時11分、到着時刻だ。しかし、列車は来ない。今なら晴れているのに。結局、数分遅れてタイフォンを鳴らしながら入ってきたときは、かげってしまった。そして、発車直後に雪原はまた、まぶしいほど輝いた。

 晴れから曇り、雪、そして晴れ。
 波乱万丈の3日にわたる撮影行の始まりである。

2010-1-9 JR西日本大糸線 頸城大野 キハ52-125 糸魚川行き425D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,70mm,ISO 200
1/500秒,f8,+0.3段,WB:晴天

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8 コメント

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いよいよ、連載開始ですね (kony5711)
2010-01-13 00:49:52
こんばんは
いよいよ始まりましたね。3日間の大糸線、撮影行レポートを楽しみにしてました。
幕開けは頸城大野ですね。雪原を見るだけでラッセルしながらポイント捜しの苦労がわかります。翳ったのが残念です。

毎晩、夜更しされないように。見る方も'ゆるゆる'お待ちしてますので・・・
返信する
白と青の世界 (快特長天)
2010-01-13 04:51:07
こんばんは(おはようございます?)。お帰りなさい、そしてお祝いの言葉を頂戴しありがとうございました。今夜は徹夜でレポート仕上げです(笑)

115が来なかったのは悔やまれるでしょうが、125のクリームと青の塗装の車体が一面の白い雪景色と青い空にマッチしていて、落ちついた写真になっていて良い感じですね。
しかし、今までのまむしさんの写真を拝見していると、こんなに元気なキハ52が本当に今春で引退するのか疑いたくなってきますね。
返信する
連載スタートですね! (ねこバス)
2010-01-13 19:47:42
こんばんわ、3日間お疲れさまでした。

バックの山々が太陽の光を浴びて輝き良い感じですね!手前が曇ってしまったのもあってバックの山々が強調されて私は逆に良いと思います。

次回天気が良ければ参考にします。
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kony5711さん (まむし)
2010-01-13 23:28:21
こんばんは。
早速のコメントありがとうございます。本当に拙い撮影レポートですけれど、こんなのでもよければ読んでくださいね。

“ゆるゆる”書いていければと思っています。雪原の中、ポツポツと足跡が一筋あり、それをたどりました。つまり、先客は1人だけ。この方の苦労はいかばかりかと。結構、深く足を取られた穴がいくつもありました。
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快特長天さん (まむし)
2010-01-13 23:32:02
こんばんは。えらい時間にコメント書いておられるなあと思ったのですが、徹夜でのレポート作成でしたか。

115の鮮やかな車体は目をひきます。絵的には正直115のほうが美しいと思います。ですが、この125の色も私は落ち着きがあって嫌いではありません。ただ、同系統の色の中に埋没する危険が常にあって、撮るときに気をつかいますね。

本当に元気で走っているのですが、でも実際のところメンテナンスは大変なのではないかと、糸魚川鉄道部の皆さんの苦労がしのばれます。
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ねこバスさん (まむし)
2010-01-13 23:35:23
こんばんは。
ありがとうございます。ようやく連載を開始できました。

バックの山は本当に美しくて、写欲をそそられました。おっしゃるようにバックの山々が強調される形になったのは確かです。

ここは、もし後ろの山が見えなくても、手前に雪原が広がっていますので、撮り方をいろいろ工夫できる場所だと思います。
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羨ましいですね・・・ (C62重連)
2010-01-14 10:04:02
毎度です!
遠征お疲れさまでした!!
当方が行った年末は大雪の降り始めで
撮影どころではありませんでしたからねぇ・・・
雪晴れの山々をバックに撮影したかったのですが
背景はほぼ見えずじまい(;_;)
リベンジしたいですが、難しいですね・・・
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C62重連さん (まむし)
2010-01-14 23:53:09
毎度です!
C62重連さんが行かれたときは、本当にすさまじかったようですね。私も2日目に雪にたたられましたが、地元の方々は「年末よりまし」と言っておられましたから。

雪晴れの山は本当にきれいですねえ。
そう言わずにリベンジを!
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