鉄ある記

鉄道写真を中心に、京都の街角の情景なども写真で紹介していきたいと思います

大糸線紀行2010冬 平岩 中土バルブ2題

2010-01-17 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線遠征2日目のラストは、バルブ撮影に挑戦しました。
 ねこバスさんとともに、車を連ねて国道148号線を北上し平岩を目指します。国道のトンネルを抜けて平岩駅に向かう交差点を右折したところで、駅に先ほど撮影した431Dが停車しているのが見えました。しかし、追っかけをしているわけでもなく、途中ですれ違う形で私たちは駅前の駐車スペースに車を止め、三脚を下してバルブに備えます。

 撮影対象列車は平岩で折り返しになる433Dです。434Dとして17時17分に到着し、12分停車して17時29分に発車していきます。バルブ撮影としては十分な余裕があります。

 前方からホームの雪を入れて撮影するか、後方から雪原を入れて撮るか。ねこバスさんの意見に従って、尾灯のともった後方から撮影することにしました。

 山間の小駅にたたずむキハ52-125。尾灯によって、雪原は紅に染まります。乗客が降り、ひとしきりホームで撮影する人の姿がたえるとほとんど駅には人影も見当たらず静寂が支配します。

 この光景、来年の冬には新鋭のキハ120がとってかわりますが、やはり風情というものは国鉄形気動車でこそ醸し出せるのでしょう。最後の冬に撮影できてよかったと思います。

≪写真上≫
2010-1-10 JR西日本大糸線 平岩 キハ52-125 出発待ち中の糸魚川行き433D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 200
10秒,f11,WB:AUTO



 平岩で、食事とバルブ撮影のため糸魚川へ向かわれるねこバスさんとお別れし、私は中土駅へと向かいました。中土駅も山峡の小駅で、雰囲気のあるところです。以前から、バルブをしたいと思っていましたが、なかなか実現しませんでした。
 実は前夜にもと考えたのですが、食事をして温泉に入ったら出かけるのが億劫になりました。しかし、そのことをメールでシンキトさんに言うと、ぜひ撮影するべきだ、との励ましをいただき、この日に挑戦することにしたのです。

 正直、星がまたたく前夜にしておくべきだったかもしれません。
 結局、夜になってもいっこうに雪がやまないのですから。夜間に傘をさしながらのバルブって面倒です。レンズも下手をしたら雪が当って濡れますし。

 それでも定刻に到着した南小谷行き436Dの運転士さんは、私たち数人がバルブしていることを知ると、すぐにヘッドライトを減光してくださいました。ほとんど乗降する人もいない時間帯、停車時間もわずかなのですから減光する必要もありません。それなのに配慮してくださり、おかげでちゃんと撮影することができました。到着してすぐに撮った減光前の写真は、ヘッドライトの周囲だけがまぶしく、見られたものではありませんでしたので。
 運転士さん、ありがとうございました。

 このあと、折り返し撮影し、宿に帰りました。

≪写真下≫
2010-1-10 JR西日本大糸線 中土 キハ52-156 南小谷行き436D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,116mm,ISO 200,3秒,f6.3,WB:AUTO

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大糸線紀行2010冬 小谷の情景

2010-01-17 | 大糸線紀行

 ねこバスさんと一緒に、今度は折り返しの糸魚川行きを撮ります。JR西日本大糸線の列車は始発を除くと、南小谷で6分-13分の停車で折り返してきます。中土-南小谷間の撮影では、行ったと思えばすぐ帰って来る、という感じです。

 次に撮影する431Dは南小谷停車が13分と長い方です。しかし、悠長にかまえている時間はありません。すぐそばの木立の間を線路が抜けてくるシーンを撮ることができるポイントに急いで移動します。ここでも、他のポイントで撮っていた人たちが集まってきてカメラの砲列ができました。

 待つことしばし、レールがオレンジに輝いたかと思った次の瞬間、朱色の首都圏色キハ52-156が雪の斜面の向こうから出てきました。

 このポイントではカーブを飛び出してくるシーンを私のように引いてでも、アップででも狙えます。そして直線を進み、足元でカーブしていくところまで撮影しようと思えば何カットでも撮れるところです。メーンカメラを三脚にしっかり固定して本命の絵を撮り、もう一台サブカメは手持ちで自由に撮ればいいのではないかと思います。足元のカーブを曲がっていくところは、ワイドで狙うとバックに姫川を大きく入れられます。
 私は今回、機材を減らすべくD700とレンズ2本、テレコン1本だけに絞っていました。寒くて到底2台のカメラの操作なんて難しかろう、という考えからです。
 しかし、この場所などでは秋に訪れたようにサブカメとしてD5000を持ってきたらよかったと思いました。

2010-1-10 JR西日本大糸線 南小谷-中土 キハ52-156 糸魚川行き431D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,150mm,ISO 800
1/500秒,f4.5,+0.7段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 塩の道に沿って

2010-01-17 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線の中土駅付近で、糸魚川行き429Dを撮影するべくカメラをセットし、振り返ると目立つ白の三菱デリカが停まっています。横をみると一人おいた隣に人懐っこい笑顔がありました。コマ助さんが管理されている【西日本】鉄道情報発信の掲示板の常連さんで、このブログにもたびたび遊びに来てくださっている「ねこバス」さんでした。

 当ブログへのコメントでこの日、大糸線に来られていることはわかっていました。しかし、朝からなかなかお会いできません。そこで、コマ助さんに仲介の労を取っていただき、ここで落ち合うことにしたのでした。
 さて、次の列車をどこで撮影しようかと相談しますが、2人とも特に絶対という場所はありません。雪は降り続いていますが、降り方そのものはずいぶん穏やかになっています。ただ、撮影時間帯が15時から16時にかけてになるので、山陰になるような所よりある程度開けた場所のほうが露出に苦労しなくてもよいと考え、中土から南小谷の間の千国古道に沿ってロケハンすることにしました。

 具体的には石原下踏切から宮本踏切の間ですが、結局、石原下踏切を渡った列車がカーブを曲がって小さな橋梁を渡る地点を俯瞰気味に狙うことにしました。2人で足場を固め、三脚を並べて立てます。こうすると、もう次は列車が来るのをひたすら待つだけです。朝からずっと雪に見舞われ疲労感を覚えていたのですが、ねこバスさんといろいろお話をしながら待つことができ、退屈することがありませんでした。これが一人ぼっちだったとしたら、もういいやと適当に撮るか、宿に引き上げていたかも知れません。

 この撮影ポイントは夏場にもチェックしたことがあります。夏などは草が生い茂っているのとラッセルのための標識などが目ざわりで撮影しませんでした。これが雪の季節になると、ラッセルのための標識などは変わらずに立っていますが、積雪で背景が単純化されよい雰囲気です。
 本来もっと引いた絵にしていたのですが、追っかけ組みが画面右手外の雪の壁に上がり、その周辺の道路に車を止めたため、それがうっとうしくてアップ気味にしました。引いた絵のほうが、後方の雪をかぶった林をもっと取り入れられるのでよいのですが。雪の壁に上った人は黒っぽくなって気にならないのですが、自動車は色が着いており目立ちます。それが嫌で切りました。

 大糸線は「塩の道」と呼ばれる千国街道・千国古道に沿って走っています。糸魚川から信州へ塩をはじめ日本海側の産物が送られた街道です。上杉謙信が敵である武田信玄に塩を贈ったという話もこの街道にからむものです。この撮影地付近には「塩の道」を示す標識がたくさん立っています。一度機会があれば、鉄道撮影ではなく、歴史をたずねて歩くのもいいかな、と思います。

2010-1-10 JR西日本大糸線 南小谷-中土 キハ52-156 南小谷行き432D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 200
1/500秒,f4,+1.0段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 中土どんど焼き

2010-01-17 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線遠征の2日目午後は、中土駅周辺の撮影から始めます。
 ウエザーニュースの天気予報では、午後から曇になっています。しかし、宿併設のレストランに昼食をとりに帰った際、スタッフに聞くと「いやあ、雪はやまないと思いますよ」とのことでした。地元の人の体験に基づく予測のほうが確かだろうと思い、降雪下でも車両がはっきり写せる中土付近の姫川を渡る橋梁を選びました。

 中土駅前から小谷村の下里瀬に向かう旧道は落石の危険があるとかで、人も車も全面通行止めになっており、橋梁の中土寄りのあたりで転回するための臨時ロータリーができています。このロータリーから橋梁を撮影することができます。雪のないシーズンだったら、ガーターで足回りが隠れてしまうので今一つです。でも、雪の季節はガーターが雪で化粧した形になって絵になると思います。

 着くと、ロータリーの真ん中に、茅を積み上げ、その上にだるまを挿したものが作られていました。「どんど焼き」です。昨日9日はなかったので、この日の朝に作られたのでしょう。中土駅前の池原地区の人々は、成人の日の前日の夜7時から、どんど焼きを行われます。書き初めなどいろいろなものが燃やされるようですが、だるま達は祈願が成就したもので両目が開いています。

 このような地元の風物詩を入れずに撮影するわけにはいきません。
 幸い次の列車は南小谷行きです。普通に橋梁で撮っても後追いになるので、思い切ってサイドで撮ることにしました。

 この夜、もう一度中土を訪れた際、地元の人から「どんど焼き、寄っていかないか」と誘っていただきました。残念なことに、宿の食事の時間があるので参加できませんでしたが、地元の人の話では来年から列車が通過する時間帯に火をつけるそうです。「列車とどんど焼きを一緒に撮影したいという人が多いので」。そう、おっしゃっていました。ただ、来年にはもうキハ52はいません。それが非常に残念です。

2010-1-10 JR西日本大糸線 南小谷-中土 キハ52-125 南小谷行き430D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,56mm,ISO 200
1/320秒,f7.1,+0.7段,WB:晴天

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