鉄ある記

鉄道写真を中心に、京都の街角の情景なども写真で紹介していきたいと思います

大糸線紀行2010冬 美しき雪景色 小滝-平岩

2010-01-20 | 大糸線紀行

 3日間のJR西日本大糸線遠征もそろそろ終盤に差しかかりました。
 夕方、糸魚川を出る特急「はくたか16号」で帰途につかなければなりません。なので、午前は南小谷、そして正午前後は北小谷と徐々に撮影ポイントを北に上げて来ました。これから撮影できるのは、最後の糸魚川での駅撮りを除くと、よくて一往復半です。幸い天候は新潟県に入っても晴れています。これまで長野県側は晴れていても新潟県内に入ったとたん曇ったり雨が降ったりすることが多かったので、これはラッキーです。

 どこで撮ろうかと考えながら国道148号線を北上します。平岩駅周辺の橋梁か、小滝かと考えながらロケハンしていると、平岩-小滝の姫川沿いの景観が目に飛び込んできました。トンネルの先端に突き出したスノーシェードから出た列車が小さな橋梁を渡って山の斜面を巻くようにしながら平岩へと向かう地点です。

 実は初日にも撮影した所ですが、その時は山の影になり車両もキハ52-125だったので、なんともくすんだ写真にしかなりませんでした。ところが、今回はあたり一面ピカピカです。しかし、糸魚川方向の車線では車を止める余地がありません。そこで、いったん長いトンネルと洞門の連続する道を小滝まで走り、Uターンして戻ることにしました。片道約6キロ、距離と時間の大幅なロスですが、それでも列車の通過時刻まで十分な余裕があります。小谷方向への車線わきには何か所か駐車スペースがあるので、もっとも自分がきれいだと感じた場所に止めました。

 残念ながら、太陽の位置から次の南小谷行きではサイドまで日が回りません。正面にのみ光線が当たります。この列車の折り返しならばサイドも光線が当たるのかも知れませんが、もう一か所どうしても行きたい場所があるので、ここでは1本だけで我慢します。それにここで糸魚川行きを撮影しても、私の狙いのポイントでは後追い気味か真横の撮影になってしまうので、イマイチです。

 同業の方お2人と話をしながら、しばらく待っていると首都圏色のキハ52-156がゆっくり、ゆっくりやって来ました。あまりにも低速(ご一緒に撮影した方いわく「時速15キロ」!)なため、連写モードで撮影すると、ほとんど車両が同じ位置での写真が何コマもできてしまいます。そこで、連写はやめて1コマ1コマ、こちらもゆっくりシャッターを切りました。
 明るい雪景色の中、小さくとも「タラコちゃん」の存在感は十分ですね。

2010-1-11 JR西日本大糸線 小滝-平岩 キハ52-156 南小谷行き430D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,80mm,ISO 200
1/320秒,f9,+0.3段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 李平と北小谷を俯瞰する

2010-01-19 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線の北小谷駅近くから急な坂が延びています。
 よく晴れた気持ちのよい日なので、この坂を登ってみます。ここも地蔵峠、三坂峠越えの塩の道・千国街道です。九十九折れを上って行くと道が二又に別れます。右が深原を通る千国街道、左は李平(すももだいら)の集落へと続きます。ここで私は右の深原への道を取ります。途中、北小谷駅方面を大俯瞰できるポイントを過ぎ、さらに上のカーブへ。カーブミラーのあたりで車を降りて、木々の間を見透かすと、遠く洞門から出た線路が姫川に沿って弧を描き、そして大きなS字となって足元まで近づいて来ています。

 そう、ここは李平を見下ろせる俯瞰地点なのです。夏に来た時は、木々が繁って線路は見えるものの撮影には不向きでした。その記憶で秋は撮影対象から外しました。しかし、木の葉の落ちた冬ならば撮影できるかも、と考えて訪れたのです。その考えは的中しました。立ち位置は非常に狭いのですが、線路がくっきり見えます。一番よいポイントには大きな三脚がすでに立てられていますが、その横で手持ち撮影の青年がお一人おられました。この方にあいさつをして、ファインダーをのぞいていると「僕はしゃがんで撮るつもりなので、上からどうぞ」と親切に言ってくださいました。三脚を立てると定員2人の場所ですが、この方のおかげで私を含めて3人で撮ることができました。

 しかし、すごい方々はおられるもので、振り返ると道をはさんだ雪の急斜面に3人の方が三脚を立てておられます。下手をすると転げ落ちそうなところですが、雪の斜面をラッセルして上っておられました。そこからだと、もっと広々とした光景が展開するそうで、スパッツをつけた私の足元を見て「あなたの足回りだったら上れますよ」とおっしゃってくださる方もいましたが、おとなしく道路わきから撮りました。

≪上の写真、李平俯瞰≫
2010-1-11 JR西日本大糸線 平岩-北小谷 キハ52-125 南小谷行き428D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 200
1/500秒,f11,WB:晴天


 初めての深原での撮影を終え、今度は糸魚川行きを撮影します。
 少し下った場所から北小谷の里を大俯瞰できます。のぞいてみましたが、線路と立ち位置の関係で完全に逆光です。そこで、定番であるトンネルの上の俯瞰ポイントに急ぎました。どこにいたのか、と思うほど多くの人が集まって来ます。さすがに有名撮影ポイントです。比較的安全なガードレールのある場所は、やはり逆光ですので、多少ともサイドに日が当たるポイントへ移動します。そこは絶壁の上で、足を滑らすと生命の危険がある場所です。
 しっかり、踏み固められた安全な場所から出ないように気をつけて三脚を立てます。見ると、同様に雪の崖の上に三脚が並びました。
 
 ここは北小谷駅の入線前から列車を見ることができます。駅を発車し、小さなトンネルを抜けた列車をワイドで撮影。速度が遅いので、さらに近付いたところをアップでも撮影することができます。8月に大俯瞰地点のワイドを掲載したので、今回はアップを掲載しました。雪の築堤の、定規で引いたようなまっすぐなレールが印象的です。

≪下の写真、北小谷駅方向俯瞰≫
2010-1-11 JR西日本大糸線 北小谷-平岩 キハ52-125 糸魚川行き427D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 200
1/400秒,f13,+0.3段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 そびえ立つ北アルプス

2010-01-19 | 大糸線紀行

 宮本のスノーシェードで426Dを撮影後、すぐに踏切近くのポイントにとって返して折り返しの425Dを狙います。この日の、というよりJR西日本大糸線遠征のハイライトとなる北アルプスをバックにして走るキハ52の撮影です。

 空は晴れ、雪原は真っ白に広がっています。そして雪をつけた木々が立つ山の向こうに鋭い山稜がくっきりと見えています。私の三脚を見ていてくださった親切な方が、正面に見えるのが鹿島槍ヶ岳(2889.1m)、右手に立つのが五竜岳(2814m)と教えてくださいます。
 「一応、プロなんです」とおっしゃるこの方は、山々と鉄道をからめた写真撮影をテーマにされているとか。地図で鹿島槍と五竜だろうなあ、と私も思っていたのですが、教えてもらって「ああ、それでよかったんだ」と安心しました。五竜と列車が一緒に撮影できるポイントはほとんどない、ともおっしゃっていました。

 1月の太陽の位置では、ポスターなどで見るような真っ青な空に白い嶺々がはっきりと浮かぶというシーンにはなりません。ですが、この時期としては願ってもない好条件に恵まれました。

 これ以上、何を望むのか。大満足の1コマです。

2010-1-11 JR西日本大糸線 南小谷―中土 キハ52-125 糸魚川行き425D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,125mm,ISO 200
1/500秒,f9,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 白銀輝いて

2010-01-18 | 大糸線紀行

 凍てつく朝。JR西日本大糸線遠征3日目の1月11日、南小谷の空は晴れ渡っていました。
 前日と打って変わって、道も車の窓ガラスも凍りついています。午前6時30分、宿の人の「凍っているから、滑らないように」との声を背に受けて、宮本へ向かいます。これだけ晴れていたら狙いは一つ。アルプスバックに走るキハ52を撮ることです。

 ポイントに着くと数人の方がおられますが、場所は広々としており気に入ったところに三脚を立てます。一番列車の往復を撮影しますが、陽はまわっておらず、まだまだ暗い写真です。朝食と宿のチェックアウトのため、次の列車までこの場所で待機するという方にお願いして三脚を立てたまま、いったん引き揚げます。
 再び戻って、三脚を見ていてくださった方にお礼を述べ、あたりを見回すと周囲はすっかり陽光が当って美しく輝いています。

 南小谷行き426Dを後追いで撮るのはもったいないと思い、カメラをぶらさげて宮本神社の前のスノーシェードが見える地点へ出かけました。すると、バリバリの順光で背後の山も線路の周囲も真っ白に輝いています。スノーシェードの上にもケーキの生クリームのような雪が載っています。
 「白銀」というのは、まさにこういう風景を言うのだと喜びで心が満たされます。

 先にきておられた方の間にお願いして立たせてもらい、手持ちで狙います。
 やって来たのはキハ52-125。大糸線キハ52、3両の中では最も地味な色彩の車ですが、さすがに鮮やかな色に見えました。ズームのテレ側でシェードを抜けたところを撮り、さらに手前に引きつけてワイド側でも撮りました。陽がかげることもなく、本当に美しい写真となりました。

2010-1-11 JR西日本大糸線 中土-南小谷 キハ52-125 南小谷行き426D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,190mm,ISO 200
1/500秒,f7.1段,+0.7段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 平岩 中土バルブ2題

2010-01-17 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線遠征2日目のラストは、バルブ撮影に挑戦しました。
 ねこバスさんとともに、車を連ねて国道148号線を北上し平岩を目指します。国道のトンネルを抜けて平岩駅に向かう交差点を右折したところで、駅に先ほど撮影した431Dが停車しているのが見えました。しかし、追っかけをしているわけでもなく、途中ですれ違う形で私たちは駅前の駐車スペースに車を止め、三脚を下してバルブに備えます。

 撮影対象列車は平岩で折り返しになる433Dです。434Dとして17時17分に到着し、12分停車して17時29分に発車していきます。バルブ撮影としては十分な余裕があります。

 前方からホームの雪を入れて撮影するか、後方から雪原を入れて撮るか。ねこバスさんの意見に従って、尾灯のともった後方から撮影することにしました。

 山間の小駅にたたずむキハ52-125。尾灯によって、雪原は紅に染まります。乗客が降り、ひとしきりホームで撮影する人の姿がたえるとほとんど駅には人影も見当たらず静寂が支配します。

 この光景、来年の冬には新鋭のキハ120がとってかわりますが、やはり風情というものは国鉄形気動車でこそ醸し出せるのでしょう。最後の冬に撮影できてよかったと思います。

≪写真上≫
2010-1-10 JR西日本大糸線 平岩 キハ52-125 出発待ち中の糸魚川行き433D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 200
10秒,f11,WB:AUTO



 平岩で、食事とバルブ撮影のため糸魚川へ向かわれるねこバスさんとお別れし、私は中土駅へと向かいました。中土駅も山峡の小駅で、雰囲気のあるところです。以前から、バルブをしたいと思っていましたが、なかなか実現しませんでした。
 実は前夜にもと考えたのですが、食事をして温泉に入ったら出かけるのが億劫になりました。しかし、そのことをメールでシンキトさんに言うと、ぜひ撮影するべきだ、との励ましをいただき、この日に挑戦することにしたのです。

 正直、星がまたたく前夜にしておくべきだったかもしれません。
 結局、夜になってもいっこうに雪がやまないのですから。夜間に傘をさしながらのバルブって面倒です。レンズも下手をしたら雪が当って濡れますし。

 それでも定刻に到着した南小谷行き436Dの運転士さんは、私たち数人がバルブしていることを知ると、すぐにヘッドライトを減光してくださいました。ほとんど乗降する人もいない時間帯、停車時間もわずかなのですから減光する必要もありません。それなのに配慮してくださり、おかげでちゃんと撮影することができました。到着してすぐに撮った減光前の写真は、ヘッドライトの周囲だけがまぶしく、見られたものではありませんでしたので。
 運転士さん、ありがとうございました。

 このあと、折り返し撮影し、宿に帰りました。

≪写真下≫
2010-1-10 JR西日本大糸線 中土 キハ52-156 南小谷行き436D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,116mm,ISO 200,3秒,f6.3,WB:AUTO

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大糸線紀行2010冬 小谷の情景

2010-01-17 | 大糸線紀行

 ねこバスさんと一緒に、今度は折り返しの糸魚川行きを撮ります。JR西日本大糸線の列車は始発を除くと、南小谷で6分-13分の停車で折り返してきます。中土-南小谷間の撮影では、行ったと思えばすぐ帰って来る、という感じです。

 次に撮影する431Dは南小谷停車が13分と長い方です。しかし、悠長にかまえている時間はありません。すぐそばの木立の間を線路が抜けてくるシーンを撮ることができるポイントに急いで移動します。ここでも、他のポイントで撮っていた人たちが集まってきてカメラの砲列ができました。

 待つことしばし、レールがオレンジに輝いたかと思った次の瞬間、朱色の首都圏色キハ52-156が雪の斜面の向こうから出てきました。

 このポイントではカーブを飛び出してくるシーンを私のように引いてでも、アップででも狙えます。そして直線を進み、足元でカーブしていくところまで撮影しようと思えば何カットでも撮れるところです。メーンカメラを三脚にしっかり固定して本命の絵を撮り、もう一台サブカメは手持ちで自由に撮ればいいのではないかと思います。足元のカーブを曲がっていくところは、ワイドで狙うとバックに姫川を大きく入れられます。
 私は今回、機材を減らすべくD700とレンズ2本、テレコン1本だけに絞っていました。寒くて到底2台のカメラの操作なんて難しかろう、という考えからです。
 しかし、この場所などでは秋に訪れたようにサブカメとしてD5000を持ってきたらよかったと思いました。

2010-1-10 JR西日本大糸線 南小谷-中土 キハ52-156 糸魚川行き431D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,150mm,ISO 800
1/500秒,f4.5,+0.7段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 塩の道に沿って

2010-01-17 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線の中土駅付近で、糸魚川行き429Dを撮影するべくカメラをセットし、振り返ると目立つ白の三菱デリカが停まっています。横をみると一人おいた隣に人懐っこい笑顔がありました。コマ助さんが管理されている【西日本】鉄道情報発信の掲示板の常連さんで、このブログにもたびたび遊びに来てくださっている「ねこバス」さんでした。

 当ブログへのコメントでこの日、大糸線に来られていることはわかっていました。しかし、朝からなかなかお会いできません。そこで、コマ助さんに仲介の労を取っていただき、ここで落ち合うことにしたのでした。
 さて、次の列車をどこで撮影しようかと相談しますが、2人とも特に絶対という場所はありません。雪は降り続いていますが、降り方そのものはずいぶん穏やかになっています。ただ、撮影時間帯が15時から16時にかけてになるので、山陰になるような所よりある程度開けた場所のほうが露出に苦労しなくてもよいと考え、中土から南小谷の間の千国古道に沿ってロケハンすることにしました。

 具体的には石原下踏切から宮本踏切の間ですが、結局、石原下踏切を渡った列車がカーブを曲がって小さな橋梁を渡る地点を俯瞰気味に狙うことにしました。2人で足場を固め、三脚を並べて立てます。こうすると、もう次は列車が来るのをひたすら待つだけです。朝からずっと雪に見舞われ疲労感を覚えていたのですが、ねこバスさんといろいろお話をしながら待つことができ、退屈することがありませんでした。これが一人ぼっちだったとしたら、もういいやと適当に撮るか、宿に引き上げていたかも知れません。

 この撮影ポイントは夏場にもチェックしたことがあります。夏などは草が生い茂っているのとラッセルのための標識などが目ざわりで撮影しませんでした。これが雪の季節になると、ラッセルのための標識などは変わらずに立っていますが、積雪で背景が単純化されよい雰囲気です。
 本来もっと引いた絵にしていたのですが、追っかけ組みが画面右手外の雪の壁に上がり、その周辺の道路に車を止めたため、それがうっとうしくてアップ気味にしました。引いた絵のほうが、後方の雪をかぶった林をもっと取り入れられるのでよいのですが。雪の壁に上った人は黒っぽくなって気にならないのですが、自動車は色が着いており目立ちます。それが嫌で切りました。

 大糸線は「塩の道」と呼ばれる千国街道・千国古道に沿って走っています。糸魚川から信州へ塩をはじめ日本海側の産物が送られた街道です。上杉謙信が敵である武田信玄に塩を贈ったという話もこの街道にからむものです。この撮影地付近には「塩の道」を示す標識がたくさん立っています。一度機会があれば、鉄道撮影ではなく、歴史をたずねて歩くのもいいかな、と思います。

2010-1-10 JR西日本大糸線 南小谷-中土 キハ52-156 南小谷行き432D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,200mm,ISO 200
1/500秒,f4,+1.0段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 中土どんど焼き

2010-01-17 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線遠征の2日目午後は、中土駅周辺の撮影から始めます。
 ウエザーニュースの天気予報では、午後から曇になっています。しかし、宿併設のレストランに昼食をとりに帰った際、スタッフに聞くと「いやあ、雪はやまないと思いますよ」とのことでした。地元の人の体験に基づく予測のほうが確かだろうと思い、降雪下でも車両がはっきり写せる中土付近の姫川を渡る橋梁を選びました。

 中土駅前から小谷村の下里瀬に向かう旧道は落石の危険があるとかで、人も車も全面通行止めになっており、橋梁の中土寄りのあたりで転回するための臨時ロータリーができています。このロータリーから橋梁を撮影することができます。雪のないシーズンだったら、ガーターで足回りが隠れてしまうので今一つです。でも、雪の季節はガーターが雪で化粧した形になって絵になると思います。

 着くと、ロータリーの真ん中に、茅を積み上げ、その上にだるまを挿したものが作られていました。「どんど焼き」です。昨日9日はなかったので、この日の朝に作られたのでしょう。中土駅前の池原地区の人々は、成人の日の前日の夜7時から、どんど焼きを行われます。書き初めなどいろいろなものが燃やされるようですが、だるま達は祈願が成就したもので両目が開いています。

 このような地元の風物詩を入れずに撮影するわけにはいきません。
 幸い次の列車は南小谷行きです。普通に橋梁で撮っても後追いになるので、思い切ってサイドで撮ることにしました。

 この夜、もう一度中土を訪れた際、地元の人から「どんど焼き、寄っていかないか」と誘っていただきました。残念なことに、宿の食事の時間があるので参加できませんでしたが、地元の人の話では来年から列車が通過する時間帯に火をつけるそうです。「列車とどんど焼きを一緒に撮影したいという人が多いので」。そう、おっしゃっていました。ただ、来年にはもうキハ52はいません。それが非常に残念です。

2010-1-10 JR西日本大糸線 南小谷-中土 キハ52-125 南小谷行き430D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,56mm,ISO 200
1/320秒,f7.1,+0.7段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 水墨画の世界 第5姫川橋梁

2010-01-16 | 大糸線紀行

 JR西日本大糸線のキハ52の撮影は、雪の中でまだまだ続きます。
 次は南小谷11時43分着、折り返し11時49分発の428D~427Dを、北小谷-中土の第5姫川橋梁で狙います。
 ここでは8月に深緑、11月には紅葉を背景に撮影しました。ですから、雪をバックに必ず撮ろうと決めていた地点です。列車が来るまで2時間ほどあります。しかし、すでに三脚がぽつぽつと立っています。道路わきには除雪によって雪の壁ができていますが、それほど高くなく、橋梁を見下ろすことができる場所がいくつもあります。

 私も気に入った場所に三脚を立て、カメラをセットします。鉄橋をアップに撮ることも、ロングで撮影することもでき、どのような構図にしようかと悩みます。大糸線はどこも美しい景色の中を走るだけに、構図の取りようもいろいろできます。また、通過の時間に余裕があるため、考える時間もたっぷりあるだけに悩んでしまいます。
 このときもいろいろ考えましたが、アップにすると白っぽくなりすぎると思い、姫川の流れに加えて左手の大きな岸壁を入れることでアクセントにしてみました。

 しかし、ここで困ったのは雪が前から水平に飛んでくることです。降り方はずいぶんやさしくなり、ふわふわという感じです。ですが、これが風に乗って前から水平に来るのです。谷間特有の風が吹いているようです。
 放っておくとレンズにすぐ雪が着いてしまいます。カメラ本体とレンズを覆う防水カバーは持っていましたが、レンズの前をどう防ぐか。キャップをはめると、いちいち取るのが面倒です。ここではたと思い当たったのが、カメラザックのレインカバー。このカバーに本体とレンズがすっぽり入り、助かりました。雪の対策っていろいろ考えないといけないのですねえ。

≪写真上≫
2010-1-10 JR西日本大糸線 北小谷-中土 キハ52-156 南小谷行き428D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,32mm,ISO 200
1/500秒,f8,+0.3段,WB:晴天

 南小谷行きを撮影すると、すぐに鉄橋のそばに徒歩で移動します。
 今は廃道となった旧道が橋梁のすぐわきにまで行っており、ここが足場になります。先に撮影した人たちの足跡が残っています。これを頼りに立ちます。慎重に歩を運ばないと、姫川の谷底に落ちる危険があるからです。どこまでが道の上か、どこからが雪っぴなのか。雪っぴは外に張り出した雪の塊なので、下手に乗ると崩落するのです。自分の足場は固まっていますが、三脚を立てようとすると、脚の一本がどこまででも沈んでしまい、あわてて後ろに下がりました。

 私の後からもファンが続々とやってきます。
 南小谷行きは分散して撮影できるのですが、折り返しの糸魚川行きを撮るには、この場所がベストなので散らばっていたメンバーが集結したのでした。

 私の左隣に立った方は、着雪した木々が美しいのでトラス2連分のアップで撮ると話されていました。ですが、私は雪覆いのあるトンネルから続く鉄橋の全容を入れて撮影することにしました。
 川の流れ、背後の山の重なりなどを入れたかったからです。

 427Dは定刻より約5分遅れて、エンジン音を轟かせながらゆっくり通過していきました。

 大糸線はきょう16日も朝から大雪のため、運休でした。遠征しようとして残念な結果になった方もおられたと思います。私が降雪の中での写真を撮影できたのは幸運でした。

≪写真下≫
2010-1-10 JR西日本大糸線 北小谷-中土 キハ52-156 糸魚川行き427D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,32mm,ISO 200
1/500秒,f8,+0.3段,WB:晴天

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大糸線紀行2010冬 降雪をついて

2010-01-16 | 大糸線紀行

 冬のJR西日本大糸線遠征の2日目。大雪を吹き飛ばしながら走ってきた一番列車を撮影後、宿に戻って朝食をとり、再び撮影に出発します。駐車場は相変わらず雪の原のままで、車の屋根などには、またも10センチ以上の雪が積もっています。
 「年末なんか、あっという間に車が屋根まで埋まってたからねえ。きょうなんか楽だよ」
という、宿の肝っ玉母さん風の気のいいおばさんの“励まし”を受け、改めて雪をかき落として今度は車で出発します。めざすのは宮本の神社近くにあるシェードが見える地点です。

 雪は降り続き、やむ気配がありません。しかし、その中でもすでにカメラを構えている人たちがおり、あいさつをして中に入れてもらいます。これだけ激しく降っていると、線路に近付ける場所でないと列車が写りません。皆さん、同様のお考えのようです。

 撮影ポイントから道をはさんだ反対の斜面で、子供たちが数人雪合戦などをしてにぎやかに遊んでいます。地元の子供たちだと思っていたのですが、後で私の横で撮影していた方のお子さんとその友達だとわかりました。その方と私が撮影後に並んで歩いていると「お父さんがきた」と子供たちが言い出したのでわかったのですが、これからスキーに行くとのこと。「スキーに行く前に撮影しに来たというか、スキーを口実に撮影に来たというか」と、その方は笑っておられました。

 さて、この日の1ダイヤは首都圏色のキハ52-156です。雪空の下では明るい色のほうが目立ちますから、この日に限ってはスカ線色のキハ52-125より156のほうが好ましいのです。本当は赤とクリームの115に来てもらいたいのですが、この日も無理なようです。
 列車は定刻よりやや遅れてスノーシェードの向こうから現れました。ズームのテレ側でシェードの向こう、そして出たところでシャッターを切り、さらに引きつけて撮影します。今回もシェードを出たところのカットで少しAFが迷いましたが、すぐ合焦して事なきをえました。
 背後の木々も岩も真っ白で、わずかに木々の幹や枝だけが黒いモノクロームの世界。そこに雪を蹴散らす1両の朱色のキハ52。遠征してよかったなあ、と思う何カットかの一つになりました。

2010-1-10 JR西日本大糸線 中土-南小谷 キハ52-156南小谷行き426D
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,70mm,ISO 400
1/640秒,f6.3,+0.3段,WB:晴天

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