ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその277-シリアスマン

2017年11月27日 | アメリカ映画
映画がロードショウを経て、DVD等媒体化されるのは今や当たり前のことになっている。
しかし、権利の関係上、劇場公開と違った形で媒体化されるものや、媒体化されないものもある。
以前このブログで紹介した、インド映画「ロボット」は、使用している言語が、インド南の言語「タミール語」であったにもかかわらず、媒体化されたときは、権利の関係上ヒンディ語の吹き替えになっている。
しかし、媒体化すらされないものは、稀有であろう。
今回紹介する映画は、私のお気に入りの監督、コーエン兄弟の「シリアスマン」
あらすじを紹介しておこう。

ミネソタ州ミネアポリス郊外にあるユダヤ人コミュニティーで家族と共にマイホームに住むラリー・ゴプニックは、大学で物理学を教える平凡で真面目な中年のユダヤ人である。
しかし、彼の周りで徐々に小さな問題が持ち上がり始めていた。
ラリーの兄アーサーは無職で病を患っており、ゴプニック家に居ついてしまって出て行く気配がない。ヘブライ学校に通う長男ダニーは授業中に聞いていた小型ラジオを隠していた20ドルと共に没収され、乱暴な同級生にマリファナ代金が払えずにおびえる。
更に様々なやっかいなことが起こりはじめ、ラリーは悩み始めるのだが......

この映画、とても良く出来ており、コーエン色も色濃くてフアンにはたまらない一本となっている。
特にラストシーンが良い、これか起きる事の「まえぶれ」を実に見事に表現している。
しかし残念ながら、この作品は、日本で日本語字幕のDVD等媒体が発売されいない。
私はそれを聞いたとき、ピンときた。ストーリーのある部分で「これはまずくないだろうか」と思えることがあった。
それはアジア人が、裏金を使い、成績が悪くて進級できない問題を解決しようとするところだ。
ここを「アジア人に対する蔑視」と捉えられたのではないか。
あくまで私の推測ではあるが......
しかし、この映画はコーエン兄弟の秀作の部類に数えられるほどの映画だと、私は思っている。
表現の自由を人間は約束されているはずだ。もしこの「アジア人蔑視」と捉えられるシークエンスが、他の民族だったらどうだろう。このような問題にはならなかったとおぼしい。
私はこの映画を「ワウワウ」で観た。現在は、日本語字幕版をアマゾンビデオが有料で放映している。
早期の媒体化を望む。

2009年アメリカ製作、2011年日本公開、カラー106分、監督コーエン兄弟。

なお、記事のトップの画像は、輸入盤で日本語字幕はなし。

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