(参考)原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・エルサレム:紛争防止のためアルアクサモスクへのユダヤ人立ち入り禁止。
・イスラエル、治安理由に11月のカタールワールドカップ観戦渡航禁止。
・イエメン再建8人委員会が正式に発足。脆弱な国連主導の停戦。
(参考)原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・エルサレム:紛争防止のためアルアクサモスクへのユダヤ人立ち入り禁止。
・イスラエル、治安理由に11月のカタールワールドカップ観戦渡航禁止。
・イエメン再建8人委員会が正式に発足。脆弱な国連主導の停戦。
(英語版)
(アラビア語版)
2022年4月
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」
14. 「国境の南」作戦(1)
月曜日の早暁。ハファル・アル・バテン基地の誘導灯は終夜煌々と滑走路を照らし、格納庫もオフィスも兵士が慌ただしく動き回っている。司令官のトルキ王子はまんじりともしない一夜を過ごしたが、高ぶった気持ちに頭は冴えわたっていた。
基地のモスクのミナレット(尖塔)から夜明けの祈りを促すアザーンの声が流れる。いつもはモスクの中で礼拝するのだが、今日は兵舎の外の砂漠に体一つ分の絨毯を敷き南のメッカの方向に向かって祈りを捧げた。清冽な空気が辺りを支配し、東の空が白み地平線に太陽が顔をのぞかせた。何百年も前から砂漠の民ベドウィンが目にしてきた神々しい風景だ。コーランの一節を唱え、何度か膝を屈して地上にひれ伏した。アラーへの感謝の気持ちが体中にみなぎる。
祈りを終えると王子は軍服についた砂を払い落し、メッカとは反対の北の空を仰いだ。そろそろイスラエルの戦闘機が通過する時刻だ。彼らがこの辺りを通過するときはこの基地を避けてイラク深くを飛行すると聞かされていた。だから機影を見ることは無理かもしれない。しかしジェット音は聞き逃さない。過酷な砂漠に生きるベドウィンは遥か遠く砂丘の稜線に動く人影、或いは遥か遠くで砂丘を踏みしめるラクダの足音を感知する目と耳を持っている。
今や王族の大半は都会暮らしであるが、それでも砂漠に戻ればベドウィンの視力と聴力は他の追随を許さない。それは王子が飼っている鷹と同じ程の能力なのである。と言うよりベドウィンを「砂漠の鷹」と呼んだ方が相応しいのかもしれない。
王子の耳に遠くで唸るような音が聞こえた。普通の人間なら幻聴と片付けるほどのかすかな爆音であるが、彼はジェット戦闘機の音だと確信した。傍にいる部下たちも聞き逃さなかった。その時間帯はベイルートからドバイに向かう定期便が上空を通過する時間であったが、王子と彼の部下は戦闘機と民間ジェット機の音の違いを聞きわけることができる。
王子は腕時計で時間を確かめた。いよいよ「国境の南」作戦に入る時が来たようだ。王子と部下の上官たちは足早に司令官室に向かった。
(続く)
荒葉一也
(参考)原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(石油関連ニュース)
・リビアの生産、出荷ストップで原油価格高値。Brent $112.79, WTI $107.95。
・リビア最大油田と港湾出荷設備、反政府デモで操業停止。生産量半減。 *
*リビア原油生産量(OPEC統計)推移グラフ参照。
・サウジの2月原油輸出731万B/Dの高水準。生産量は1,023万B/D。
(中東関連ニュース)
・イラン、ウラン濃縮遠心分離設備のナタンズ移設を公式表明。 *
*SF小説:「新・ナクバの東」ブログ連載中。
・イエメン、国連の子供兵士採用停止要請にフーシ派が賛成署名。
・UAE、居住ビザ基準を改定。居住外国人に配偶者保証人認めるなど。
・サウジの米国債保有額1,167億ドル、世界18位。日本は1.3兆ドルで2位。
・サウジ:Tamimi/三井物産/伊社がリヤドにスマート農場合弁企業設立。
(参考)原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・サウジ皇太子、露大統領と電話会談。ウクライナ、イエメン問題等協議。
・エルサレムのアル・アクサ・モスクで衝突。ラマダン、過越祭重なり一触即発。
4/13 TotalEnergies
TotalEnergies and ENEOS join forces to Develop B2B Solar Distributed Generation across Asia
https://totalenergies.com/media/news/press-releases/totalenergies-and-eneos-join-forces-develop-b2b-solar-distributed
4/14 ENEOS
ENEOS根岸製油所における持続可能な航空燃料の製造に関する事業化調査について
https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20220414_05_01_2008355.pdf
4/14 ExxonMobil
ExxonMobil begins design studies for South East Australia carbon capture hub in Gippsland
https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0414_ExxonMobil-begins-design-studies-for-South-East-Australia-carbon-capture-hub-in-Gippsland
4/14 TotalEnergies
Japan: TotalEnergies and ENEOS to Study Sustainable Aviation Fuel production at ENEOS Negishi Refinery
https://totalenergies.com/media/news/press-releases/japan-totalenergies-and-eneos-study-sustainable-aviation-fuel-production
4/14 ENEOS/野村事務所
日本における持続可能な航空燃料の原料調達に関する共同検討について
https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20220414_01_01_2008355.pdf
4/15 経済産業省
国際エネルギー機関(IEA)加盟国による石油の協調備蓄放出として民間備蓄義務量の追加引下げを行います
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220415004/20220415004.html
4/15 経済産業省
令和2年度(2020年度)エネルギー需給実績を取りまとめました(確報)
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220415003/20220415003.html
4/15 INPEX
ノルウェー王国 PL293B 鉱区における油ガス層の発見について(お知らせ)
https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20220415.pdf
(参考)原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(石油関連ニュース)
・米国の備蓄増で原油価格わずかに下落。Brent $108.33, WTI $103.56。
・イラン、アジア向け5月原油値上げ。イラニアンライトはOman/Dubai 平均+$9.2。
・サウジ/クウェイト 旧中立地帯沖合ドラガス田の国境設定でイランに再度協議呼びかけ。
(中東関連ニュース)
*荒葉一也SF小説「ナクバの東・イスラエル、イラン核施設空爆」(本ブログ連載中)
・レバノン、2020年ベイルート爆破事故の港湾倉庫跡を取り壊し。
・トルコ世論調査:48%がEUに信頼感、39%がNATOを支持。
*レポート「中東に広まるドローン(UCAV)の開発と軍事利用」(2021年10月)
・スロバキア、トルコ製無人攻撃機購入の意向。NATOで2か国目。
・サウジアルワリード王子、マスクのツイッター買収に反対表明。
・スタンダードチャータード銀行、レバノン、ヨルダンから撤退。
(英語版)
(アラビア語版)
2022年4月
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」
13. サウジアラビアの秘かな動き(下)
「息子よ。よく考えてみろ。イランの核兵器開発は我々にとっても重大な脅威である。何よりもペルシャ人でシーア派の坊主共は米国やヨーロッパ諸国或いはイスラエルよりも我々にとってもっと身近な敵なのだ。」
「その敵をイスラエルがやっつけると言うのだ。イスラエルのやりたいようにやらせておけ。それで我々の頭痛の種が一つ減る訳だ。ユダヤ人とペルシャ人のいがみ合いで、我々アラブ人が労せずして漁夫の利を得られるという寸法だ。」
受話器から国防相の薄ら笑いが漏れてきた。小さい頃から聞き慣れたその薄ら笑いをトルキ王子は今でも好きになれない。父親は自分の今の年ごろには既に国防相になっていた。そして彼は権謀術策の限りを尽くして今日までその地位を守ってきた。そして彼は権力の階段を一段昇る毎に今日のような薄ら笑いを見せたのである。
対照的に息子のトルキは『銀のスプーンを口にくわえて』生まれ、快活で裏表のない性格に育った。彼の周りには常に友人達と笑い声が絶えなかった。彼が軍のエリートコースであるジェットパイロットの訓練生として米国に留学した時も、彼の竹を割ったような性格は米国人の上官や同僚達に好かれた。米国の軍人は陽気で快活で裏表のない人間が大好きなのである。
しかも彼らはエスタブリッシュメントと呼ばれる人物に秘かな憧れを持っており、「王子」などと言う米国には逆立ちしても探せないハイソサエティと仲間になれることがうれしいのである。王子は「同じ釜の飯を食った仲間」に加えられ、彼らとの付き合いは今も続いている。
父親に息子の気持など解かるはずもなく、国防相は話を続けた。
「ワシントンはイスラエルのもう一つの要請を伝えてきた。これから後はお前と部下達の仕事だ。」そう言って国防相は息子のトルキに何事かを指示した。司令官の顔がたちまち紅潮した。
「了解。父上。」
彼はそう言って携帯電話を切ると周囲に集まった部下達に命令した。
「鷹狩りは中止だ。直ちに基地に帰る。主だったものを私の部屋に集めろ。今から30分後に重要会議を開く。」
(続く)
荒葉一也
(参考)原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・サウジ/クウェイト、レバノンに大使戻す。イエメンめぐる対立改善。
4/4 INPEX
当社事業に係る一部報道について
https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20220404.pdf
4/4 ExxonMobil
ExxonMobil makes final investment decision on fourth Guyana offshore project
https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0404_ExxonMobil-makes-final-investment-decision-on-fourth-Guyana-offshore-project
4/5 Shell
Shell publishes reports on Sustainability, Industry Associations and Payments to Governments
https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2022/shell-publishes-reports-on-sustainability-industry-associations-and-payments-to-governments.html
4/7 Shell
Shell first quarter 2022 update note
https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2022/shell-first-quarter-2022-update-note.html
4/8 出光興産
アクリル酸・アクリル酸ブチル事業撤退のお知らせ
https://www.idemitsu.com/jp/news/2022/220408_2.html