石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(8/3-8/9)

2014-08-09 | 今週のエネルギー関連新聞発表

8/4 国際石油開発帝石    オーストラリア イクシスLNGプロジェクトダーウィン湾内における浚渫作業の完了について http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2014/20140804.pdf
8/5 コスモ石油/昭和シェル石油他    LPガス元売事業の統合契約締結について http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_140805_3/index.html
8/5 コスモ石油/昭和シェル石油他    LPガス小売事業の統合契約締結について http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_140805_2/index.html
8/5 出光興産    北米ファンデールLPG基地からブタン輸出を開始します http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2014/140805.html
8/5 昭和シェル石油    会社分割(簡易吸収分割)に関するお知らせ―太陽電池事業研究開発資産等の一元化について- http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2014/080501.html
8/5 コスモ石油/東燃ゼネラル石油    潤滑油製品の製造受委託に関する契約締結ついて http://www.tonengeneral.co.jp/news/uploadfile/docs/20140805_2_J.pdf
8/7 三菱商事/三井物産/日本郵船    キャメロンLNGプロジェクトの最終投資決定 http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2014/html/0000025339.html

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:天然ガス篇8 消費量(1)

2014-08-08 | その他

3.世界の天然ガスの消費量
(地産地消型の北米、域外輸入型のアジア・大洋州!)
(1)地域別消費量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-3-G01.pdf 参照)
 2013年の世界の天然ガス消費量は3兆3,476億立方メートル(以下㎥)であった。これは日産3,239億立法フィート、石油換算では年産30億2,040万トンである。

 地域別では欧州・ユーラシアが1兆647億㎥と最も多く全体の32%を占めている。これに次ぐのが北米(9,235億㎥、27%)、アジア・大洋州(6,392億㎥、19%)であり、これら3地域で世界のほぼ8割を占めている。その他の地域は中東4,283億㎥、中南米1,686億㎥、アフリカ1,233億㎥であった。アフリカの天然ガス消費量は世界全体の4%で、欧州・ユーラシアの8分の1にとどまっている。

 各地域の消費量と生産量(前章参照)を比較すると、欧州・ユーラシアは生産量の世界に占めるシェアは31%に対し消費量のシェアは32%であり、北米の生産量シェアと消費量シェアは同じ27%である。その他の地域は中東(生産量シェア17%、消費量シェア13%)、アジア・大洋州(同14%、19%)、中南米(同5%、5%)、アフリカ(同6%、4%)である。北米及び中南米は生産と消費の比率が等しく地域内で需給がほぼバランスしていることがわかる(域内消費型、地産地消型)。

 これに対して中東及びアフリカは生産が消費を上回っており、一方アジア・大洋州と欧州・ユーラシアは消費が生産を上回っている。このことから天然ガスは中東/アフリカ地域から欧州・ユーラシア/アジア・太平洋地域へと地域を超えた貿易が行われている様子がうかがえる(域外貿易型、なおガス貿易については次章で詳述)。

 (続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月7日)

2014-08-08 | 今日のニュース

・7月のイラン原油輸出114万B/Dの低水準。それでも欧米の規制上限上回る。

 

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:天然ガス篇7 生産量(3)

2014-08-06 | その他

(シェールガス革命で生産量が急増する米国!)
(4)主な国の生産量の推移(2004~2013年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-2-G03.pdf 参照)
 2013年の天然ガス生産量が世界1,2位のロシア、米国、同4位、5位のカタール、カナダに英国(世界14位)及びオーストラリア(同19位)を加えた6か国について過去10年間(2004~2013年)の生産量の推移を追ってみる。

  ロシアの2004年の生産量は5,733億㎥でありその後徐々に増加し、2008年には6千億㎥を突破した。2009年に一時急減したものの2011年以降は6千億㎥台を前後の生産量を維持している。これは同国の輸出先である西ヨーロッパ諸国の景気が2008年のリーマンショックで急減、その後持ち直したものの現在も冷え込んでいることが最大の要因である。ロシアの天然ガスはパイプラインで西ヨーロッパに送られており、備蓄が効かないパイプライン輸送は末端の需要に左右されやすいと言える。最近ではウクライナ問題で西欧諸国は対ロ経済制裁を強化しつつあるが、これが国内ガス田の開発或いは西欧向け輸出にどのような影響を及ぼすか今後が注目される。このような状況に対してロシアは中国と天然ガス輸出契約を締結し、或いは極東でLNG輸出基地の増強に取り組むなど極東アジアへの輸出に力を入れている。

 米国の場合、天然ガス生産量は2004年の5,264億㎥から2005年には5,111億㎥に減少し1位のロシアとの差が拡大する傾向であった。しかし2006年以降は増勢に転じ2009年にはロシアを追い抜き世界一の天然ガス生産国になっている。2010年には6千億㎥を突破、2013年の生産量は6,876億㎥を記録、2003年に比較すると3割以上増加しており、同じ期間のロシアの増加が5%に過ぎなかったことと顕著な差がある。米国の生産量が急速に増加したのはシェールガスの生産が商業ベースに乗ったことが大きな理由である。天然ガスの生産において米国とロシアは圧倒的な存在感を持っており今後もこの2カ国が世界の天然ガス生産をリードしていくことは間違いない。

 カナダはかつて米国、ロシアに次ぐ世界第3位のガス生産国であったが、2006年以降、生産量の減少に歯止めがかからず2013年の生産量は1,548億㎥となりイラン、カタールに次ぐ世界5位に転落している。同国の生産量の減少は同時期の米国の生産量増加と軌を一にしたものである。即ち同国は生産したガスの多くをパイプライン網により米国に輸出してきたが、上記のとおり米国では天然ガスの生産が急増し自給率が向上した結果カナダからの輸入が減少しているのである。但しカナダは豊富な埋蔵量を有しており十分な生産余力があると考えられるため、今後はLNGとして日本など極東向けの輸出に力を注ぐことになろう。

 カナダと同様生産量が長期下落傾向にあるのが英国である。同国の2004年の生産量は1,058億㎥であったが、2013年には半分近い571億㎥に落ち込んでいる。同国の場合は北海油田が枯渇しつつあり、原油と共に産出される随伴ガスの生産量も減少しているためであり、現在ではカタールからLNGを輸入しているほどである。

 これに対して最近天然ガスの生産が増加しているのがカタールとオーストラリアである。カタールの2004年の生産量は392億㎥に過ぎなかったが、2013年には1,585億㎥に達し、わずかではあるがカナダを追い抜いている。カタールの場合殆どをLNGとして輸出している。LNG輸出には大規模な液化及び出荷設備が必要であるが、同国は積極的な設備投資を展開、年間77百万トンの輸出体制を整えており、これが生産急増の要因である。

 オーストラリアはカタールの後を追うように近年ガス田開発と液化設備の建設を行っている。2004年の生産量はカタールとほぼ同じ353億㎥であったが、2009年には423億㎥まで拡大し、その後現在まで400億㎥台の生産を続けている。日本などとの長期契約によりLNGの販売体制を確立、LNGの生産出荷施設も相次いで建設されており今後生産量は飛躍的に増加するものと考えられる。

(天然ガス篇生産量 完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601 
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月5日)

2014-08-05 | 今日のニュース

・原油価格下落、Brent$104.84, WTI$105.36。先物高のcontango状態に

 

 

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:天然ガス篇6 生産量(2)

2014-08-04 | その他

(40余年で生産量が70倍になったアフリカ、北米はわずか1.4倍!)
(3)地域別生産量の推移(1970~2013年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-2-G02.pdf 参照)
 1970年に1兆㎥弱であった天然ガスの生産量はその後一貫して上昇を続け、1991年に2兆㎥、そして2008年には3兆㎥を突破し、2013年の生産量は3.4兆㎥弱を記録した。1兆㎥から2兆㎥になるまでは20年かかったが、次の3兆㎥に達するには17年しかかかっていない。このように天然ガスの生産は近年飛躍的に増加しているのである。石油の場合、第二次オイルショック後しばらく需要が前年を下回りオイルショック前の水準に戻るまで10年以上の歳月を要していることと比べ(前章石油篇「生産量推移」参照)天然ガスの生産拡大には目を見張るものがある。

 地域毎の生産量の推移にはいくつかの大きな特徴が見られる。1970年の世界の天然ガス生産は北米と欧州・ユーラシアの二つの地域で全世界の95%を占めており、残る5%をアジア・大洋州、中東、中南米及びアフリカで分け合っていた。しかし北米は1970年に6,630億㎥であった生産量がその後は微増にとどまり、世界に占めるシェアも67%(1970年)から27%(2013年)に低下している。欧州・ユーラシア地域の生産量は1970年の2,819億㎥から急速に伸び、1981年に北米を追い抜き、1980年代後半には全世界の生産量の半分を占めるまでになった。しかし同地域の生産量も90年代以降伸び悩んでおり、2013年の世界シェアは31%にとどまっている。現在も北米と欧州・ユーラシアの二地域が世界の天然ガスの主要生産地であることに変わりは無いが、その合計シェアは58%であり、1970年の95%から大きく後退している。
 
 この二地域に代わりシェアを伸ばしているのがアジア・大洋州と中東である。アジア・大洋州の場合、1970年の生産量は157億㎥でシェアもわずか2%しかなかったが、2013年の生産量は30倍の4,890㎥に増加、シェアも14%に上昇している。また中東も生産量は1970年の107億㎥から2013年には53倍の5,682億㎥、シェアは17%に上がっている。アジア・大洋州或いは中東の生産量は1990年以降急速に増大しているが、特に中東ではここ数年加速された感がある。その理由としては生活水準の向上により地域内で発電用或いは家庭用燃料の需要が増加したことに加え、これまで先進外国市場から遠いため困難であった輸出が、液化天然ガス(LNG)として市場を獲得しつつあることをあげることができる。

 世界的にみると天然ガスの年間増加率は平均3%前後と石油生産の伸び率を上回っており、石油から天然ガスへのシフトが進んでいる。天然ガスは石油よりもCO2の排出量が少なく地球温暖化対策に適うものと言えよう。この点では今後クリーンエネルギーである原子力或いは再生エネルギーとの競合が厳しくなると考えられる。但し原子力は福島原発事故問題を抱え、再生エネルギーもコストと安定供給が弱点である。その意味で天然ガスは今後世界のエネルギー市場でますます重要な地位を占めるものと考えられる。

(続く)

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各社まずまずの業績:五大国際石油企業2014年4-6月期決算速報

2014-08-02 | 海外・国内石油企業の業績

 五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の4-6月期決算が相次いで発表された。
前年同期と比べた売上高、利益、設備投資の増減は各社まちまちであるが、石油・天然ガスの生産量は5社のうちシェルを除く4社が減少しており、シェルもわずかな増加にとどまっている。生産量の減少にもかかわらず売上高は4社が増加、売上高利益率は全社が昨年同期をうわまわっている。国際石油企業にとってはまずまずの業績であったと言えよう。

 各社の決算概要は以下の通り。
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-20.pdf参照)

 なお2008年から2013年までの通年の業績比較はレポート「五大国際石油企業2013年度業績速報シリーズ」を参照されたい。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0298FiveMajors2013.pdf 

1.売上高
 ExxonMobilの2014年4-6月の売上高は1,116億ドルであり、前年同期比で4.6%増であった。その他の4社は、Shellが1,153億ドル(前年同期比+0.8%)、BP 940億ドル(同―0.8%)、TOTAL626億ドル(同+1.9%)、Chevron579億ドル(同+1.0%)であった。

2.利益
 ExxonMobilの期間利益は88億ドル、前年同期比+21.9%であった。以下、Shell53億ドル(同+67.3%)、BP34億ドル(同+39.4%)、TOTAL31億ドル(同―9.1%)、Chevron57億ドル(同+5.3%)である。

3.売上高利益率
 売上高利益率はExxonMobilが7.9%、Shell 4.6%、BP 3.6%、Total 5.0%、Chevron 9.8%であった。各社の前年同期の利益率はそれぞれ6.4%、1.5%、2.2%、5.6%及び9.4%であり、いずれも今期の利益率は前年同期を上回っている。

4.原油・ガス生産量
 石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量はExxonMobil 3,840千B/D、Shell 3,077千B/D、BP 2,106千B/D、Total 2,054千B/D、Chevron 2,545千B/Dであり、Shellは前年同期を0.5%上回ったが、その他の4社は減少しており、特にTotalはー10.3%の大幅な落ち込みであった。またExxonMobil、BPの両社も前年同期を6%下回っている。

5.設備投資
 2014年4-6月の各社の設備投資額はExxonMobil 98億ドル、Shell 85億ドル、BP 56億ドル、Total 80億ドル、Chevron 102億ドルである。このうちTotalは前年同期比4割増と大幅に増加した反面、Shellは24%減であるが、これによって両社の設備投資額はほぼ横並びとなった。Chevronは売上高では5社の中でもっとも少ないが投資額は最大であり同社の積極的な姿勢が顕著である。

詳細は各社ホームページ参照。
ExxonMobil 
http://news.exxonmobil.com/press-release/exxon-mobil-corporation-announces-estimated-second-quarter-2014-results 
Shell
http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2014/second-quarter-2014-results-announcement.html 
BP
http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/bp-second-quarter-2014-results.html 
Total
http://www.total.com/en/investors/results/2014/second-quarter-2014-results 
Chevron
http://www.chevron.com/chevron/pressreleases/article/08012014_chevronreportssecondquarternetincomeof57billion.news

以上

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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今週の各社プレスリリースから(7/27-8/2)

2014-08-02 | 今週のエネルギー関連新聞発表

7/28 住友商事    天然ガスおよびLNG事業等を通じた協力関係の構築に関する覚書をインドガス公社と締結 http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=27959
7/29 BP    BP Reports Second Quarter 2014 Results http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/bp-second-quarter-2014-results.html
7/30 Total    Second Quarter 2014 Results http://www.total.com/en/investors/results/2014/second-quarter-2014-results
7/31 ExxonMobil    Exxon Mobil Corporation Announces Estimated Second Quarter 2014 Results http://news.exxonmobil.com/press-release/exxon-mobil-corporation-announces-estimated-second-quarter-2014-results
7/31 Shell Royal    Dutch Shell plc second quarter 2014 results announcement http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2014/second-quarter-2014-results-announcement.html
8/1 Chevron   Chevron Reports Second Quarter Net Income of $5.7 Billion http://www.chevron.com/chevron/pressreleases/article/08012014_chevronreportssecondquarternetincomeof57billion.news

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:天然ガス篇5 生産量(1)

2014-08-02 | その他

2. 世界の天然ガスの生産量

(欧州・ユーラシアと北米で世界の天然ガスの6割を生産!)
(1)地域別生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-2-G01.pdf参照)
 2013年の世界の天然ガス生産量は3兆3,905億立方メートル(以下㎥)であった。これは石油換算では30.6億トンであり、またフィート換算では日産3,280億立法フィートである。

 生産量を地域別にみると欧州・ユーラシアが1兆536億㎥と最も多く全体の31%を占めている。これに次ぐのが北米(8,991億㎥、27%)であり、これら二つの地域だけで世界の6割に達する。その他の地域は中東5,682億㎥(17%)、アジア・大洋州4,890億㎥(14%)、アフリカ2,043億㎥(6%)、中南米1,764億㎥(5%)であった。

 各地域の生産量と埋蔵量(前章参照)を比較すると、中東は埋蔵量では世界の43%を占めているが生産量では17%に過ぎない。これに対し北米は埋蔵量シェアが世界全体の6%にとどまるのに対して、生産量のシェアは27%に達しており、埋蔵量と生産量のギャップが大きい。その他の地域の埋蔵量シェアと生産量シェアは欧州・ユーラシアは埋蔵量も生産量もシェアは共に31%であり、アジア・大洋州は8%(埋蔵量)対14%(生産量)、アフリカ8%対6%、中南米4%対5%である。このことから地域別に見て天然ガスの生産を拡大できるポテンシャルを持っているのは中東及びアフリカ地域であると言えよう。

(他を圧倒する米国とロシア!)
(2)国別生産量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-2-T01.pdf 参照)
 次に国別に見ると、天然ガス生産量第1位は米国の6,876億㎥/年(665億立法フィート/日、6.3億トン/年)であり、全世界の生産量に占める割合は20%に達する。第2位はロシア(6,048億㎥、シェア18%)であり、この2カ国の生産量が飛び抜けて多い。米国はここ数年シェールガスの開発及び生産が顕著であり、埋蔵量及び生産量とも大幅に増加していることは注目に値する(前章「天然ガスの埋蔵量」参照)。

 この2カ国に続くのがイラン(1,666億㎥)、カタール(1,585億㎥)、カナダ(1,548億㎥)であり、米国或いはロシアのほぼ1/4である。6位から8位は中国(1,171億㎥)、ノルウェー(1,087億㎥)、サウジアラビア(1,030億㎥)であり、以上8か国が生産量1千億㎥を超えている。9位以下はアルジェリア(786億㎥)、インドネシア(704億㎥)、マレーシア(691億㎥)、オランダ(687億㎥)が名を連ねている。

(続く)

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