I.石油(続き)
2.世界の消費量
(全世界の石油消費量が初めて1億B/Dを突破!)
(1) 2023年の国別消費量 (表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-T01a.pdf参照)
2023年の世界の石油消費量は1億22万B/Dであり、史上初めて1億B/Dを突破した。国別で石油消費量が最も多いのは米国の1,898万B/Dであり、世界全体の19%を占めている。これに次ぐのが中国の1,658万B/D、シェア17%である。消費量が1千万B/Dを超えるのはこの2カ国だけであり、3位インド(545万B/D)と比べると米国は3.5倍、中国は3倍の消費量を誇っている。米国と中国は石油の爆食国であると言えよう。
世界4位はサウジアラビア(405万B/D)、5位ロシア(364万B/D)、6位日本(337万B/D)である。7位から10位までの各国の順位と消費量は以下のとおりである。
7位韓国(280万B/D)、8位ブラジル(257万B/D)、9位カナダ(235万B/D)、10位メキシコ(196万B/D)。
(1970年の消費量5千万B/D弱が半世紀後の2023年には1億B/D超える!)
(2) 1970~2023年の消費量の推移(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G02a.pdf参照)
1970年の全世界の石油消費量は4,570万B/Dであったが、2年後の1972年に5千万B/D台に、そして1977年には6千万B/D台を超える急増ぶりであった。その後1980年代は横ばい状態であったが、1990年以降再び増加に勢いがつき、1995年に7千万B/D、2004年に8千万B/D、2014年に9千万B/Dを突破、ほぼ10年毎に1千万B/D増加した。2020年はコロナ禍の影響で消費が急減したが、2023年は1億B/Dを突破している。
(日本を追い抜き格差広げるインド!)
(3) 米国、中国、日本、インド4カ国の過去10年間の消費量推移
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03a.pdf参照)
2023年の石油消費量が世界1位から3位までの米国、中国、インド及び世界6位の日本の4カ国について2014年から2023年まで10年間の石油消費量の推移を追う。
2014年の米国の消費量は1,811万B/Dであり、中国1,102万B/D、日本438万B/D及びインド387万B/Dであった。米国は2019年に1,942万B/Dのピークに達したが、2020年はコロナ禍のため1,718万B/D強に急減した。2023年の消費量は1,898万B/Dであり、ほぼコロナ禍前の水準まで回復している。
これに対し中国の消費量は2014年以降昨年まで一本調子で増加している。即ち、2014年は1,102万B/Dであったが、2017年には1,300万B/Dを突破、さらに2019年には1,432万B/Dとなり、コロナ禍の間も横ばいを維持し、2023年の消費量は過去最大の1,658万B/Dに達した。10年前には米国と中国の消費量の差は700万B/Dであったが、10年後には240万B/Dまで格差が縮小している。
日本の消費量は過去10年間ほぼ一貫して減少しており、2014年には米国、中国に次いで世界3位であったが、2015年にはインドに追い抜かれ世界4位に転落した。その後さらにサウジアラビア及びロシアにも追い抜かれ、昨年の消費量は世界6位の337万B/Dであった。
日本とは逆にインドはコロナ禍の2020年21年を除き消費量は増え続けている。2014年の同国の石油消費量は386万B/Dであったが、2023年には1.4倍の545万B/Dに達している。日本の場合は2023年は2014年の0.8倍であり、10年間で2割減少しており、インドと対照的である。
(続く)
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