III. 過去2年間の四半期業績推移(続き)
3.キャッシュフローの推移
(年々財務C/Fが細るbp)
(3)財務キャッシュフロー
2023年1-3月期の財務C/Fは、ExxonMobilとShellが▲85億ドルと▲84億ドルで並んでおり、次いでChevron▲66億ドル、TotalEnergies▲40億ドル、bp▲36億ドルであった。
ExxonMobilとShellの財務C/Fは同じような増減を繰り返しながらほぼ横ばい状態である。Chevronは昨年1-9月にかけて 財務C/Fが縮小したが、前期(10-12月期)にはExxonMobilあるいはShellと同程度の水準に落ち着いている。
TotalEnergiesの財務C/Fは毎期かなり大きな変動を経ている。即ち2023年1‐3月期の▲40億ドルから同年10-12月期には▲130億ドルに膨れ上がり、2024年7-9月期には6億ドルのプラス勘定に転換、10-12月期には再び▲79億ドルのマイナス勘定に戻っている。
bpは5社の中で財務C/Fが最も少ない。さらに同社の場合、過去8四半期を通じて年々財務C/Fが細っており、2023年1-3月期の▲36億ドルが2024年10-12月期には▲6億ドルになっているのが特徴的である。
5社の四半期ごとの推移は以下のとおりである。
(単位:億ドル)
2023年 2024年
1-3月 4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
ExxonMobil ▲85→ ▲82→ ▲81→ ▲96→ ▲80→ ▲126→ ▲111→ ▲87
Shell ▲84→ ▲90→ ▲91→ ▲117→ ▲82→ ▲118→ ▲75→ ▲109
bp ▲36→ ▲36→ ▲42→ ▲20→ ▲24→ ▲13→ ▲30→ ▲6
TotalEnergies ▲40→ ▲79→ ▲48→ ▲130→ ▲2→ ▲68→ 6→ ▲79
Chevron ▲66→ ▲87→ ▲86→ ▲62→ ▲49→ ▲46→ ▲53→ ▲88
(残高水準の高いShell、残高が減少するExxonMobil、増加するbp!)
(4)キャッシュフロー期末残高
2023年1-3月期以降の四半期末キャッシュフロー残高の推移を各社ごとに見る。なおChevronの決算書類では四半期ベースの残高は示されていないため、ここではその他の4社について比較検討する。
2023年3月末のC/F残高が最も多いのはShellの421億ドルであり、次いでExxonMobil 327億ドル、bp 304億ドル、TotalEnergies 280億ドルであった。
Shellの残高はその後も高い水準を維持しているが、2年間を通じて見ると減少傾向にあり2024年12月末の残高は388億ドルである。bpは2024年3月末までは横ばい状態であったが、その後残高は増加しており、昨年末はShellをしのぎ400億ドル目前の393億ドルの残高である。一方、ExxonMobilの残高は減少傾向にあり、2023年3月末の327億ドルに対し昨年末残高は232億ドルであり、2年の間に100億ドル近く減少している。
以上
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