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第3章 アラーの恵みー石油ブームの到来(2)
065中東の石油産業の曙(2/4)
19世紀末、それまでの石炭炊きの蒸気機関に対しドイツで石油を燃料としたガソリンおよびディーゼル内燃機関が発明された。これは輸送分野に革命をもたらし、軍事面では戦車や軍艦の推進機関として急速に普及した。その結果石油の需要が急激に膨らみ世界各地で石油開発が盛んになった。中東では1908年にペルシャ(イラン)で油田が発見され、そしてイラク(1928年)、クウェイト(1938年)さらにサウジアラビア(1940年)と地図上を南下しながら次々と油田が発見された。イランからイラク、クウェイト、さらにサウジアラビア、アブダビへと続く石油の埋蔵地帯は「オイル・ベルト」と呼ばれる。
このオイル・ベルトの開発を手掛けたのは欧米の石油企業であった。中でも「セブン・シスターズ(7姉妹)」と呼ばれる米英の7企業が大きな存在感を示した。スタンダード・オイル・ニュージャージー(エッソ)、スタンダード・オイル・ニューヨーク(モービル)、スタンダード・オイル・カリフォルニア(ソーカル)、ガルフオイル、テキサコの米国系5社と英国のアングロペルシャン及び英蘭系のシェルオイルの7社である。スタンダードの名前を冠する3社はロックフェラーが創業したスタンダード・オイルが反トラスト法で分割されて生まれた会社であり、エッソとモービルはその後合併してエクソン・モービル(ExxonMobil)となり、ソーカルはガルフオイル及びテキサコの2社を吸収合併して現在はシェブロン(Chevron)となっている。
(続く)
荒葉 一也
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