- 2020年の業績比較 (続き)
5.設備投資額
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-05.pdf 参照)
2020年の5社の設備投資額はExxonMobilが214億ドルと最も多く続いてShellが166億ドル、シェブロン135億ドル、Total130億ドルである。BPは5社の中で最も少ない120億ドルであった。ExxonMobilを100とした場合Shellは8割弱でありその他3社はExxonMobilの6割前後である。
6.キャッシュフロー
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-06.pdf 参照)
(注)各社の決算を比較すると、ExxonMobilは営業キャッシュフローのみが明記されており、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー及び期末残高は不明である。またChevronは期末残高が明示されていない。
(とびぬけて大きいShellの営業キャッシュフロー!)
(1) 営業キャッシュフロー
2020年1-12月のShellの営業キャッシュフローは341億ドルである。その他の4社のキャッシュフローはいずれも100億ドル台で、Totalが148億ドル、ExxonMobil 147億ドル、BP122億ドル、Chevron 106億ドルであった。
(2) 投資キャッシュフロー
ExxonMobilを除く4社の投資キャッシュフローはShell及びTotalがそれぞれ▲133億ドル、▲131億ドルであり、BPは▲79億ドル、Chevronは▲70億ドルである。
(運転資金不足を見越して借入に走った各社!)
(3) 財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローはBP、Chevron、Total3社がそれぞれ40億ドル、37億ドル及び14億ドルのプラス勘定であったのに対し、Shellは▲72億ドルのマイナス勘定となっている。今期はコロナ禍の操業率低下による運転資金不足に対処するため、各社はそれぞれの判断で4-6月期に大幅な借り入れを行っている。これが年間財務キャッシュフローの差を生み出している。
(4) 年末キャッシュフロー残高
キャッシュフロー年末残高はShell、BP及びTotal3社が明らかにしているが、3社とも残高は310億ドル台でほとんど差がない。
(続く)
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前田 高行
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