石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

世界と中東主要国の「腐敗認識指数」(下)

2021-02-08 | その他

(世界ランクシリーズ その6 2020年版)

(デンマーク、ニュージーランドが連続して世界1位、日本は19位!)

2.2020年の世界ランク及び2019年との比較

(表http://rank.maeda1.jp/6-T01.pdf 参照)

 2020年の腐敗認識指数世界ランクのトップ(即ち清潔度が世界一の国)はデンマークとニュージーランドであり、両国のスコアは88である。これに続く3位にはフィンランド、シンガポール、スウェーデン及びスイスの4カ国がスコア85で並んでいる。前回のランクと比較するとデンマークとニュージーランドは2年連続でトップ、フィンランドがそれに続き、さらにシンガポール、スウェーデン及びスイスが世界4位で並んでいた。スコアで見ると1位のデンマークとニュージーランドは前回より1ポイント上がっており、フィンランドは1ポイント下がった結果、今回はスウェーデン及びスイスに並ばれている。

 

 日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、日本はポイントでは73から74に1ポイントアップし順位も前回の20位から19位に上がっている。米国は前回より2ポイント悪化し、世界ランクは23位から25位に落ちている。韓国は世界33位で、前回の39位から大幅にランクアップしている。中国及びインドは前回同じ80位であったが、今回は中国が78位にアップ、一方インドは86位にダウンし、明暗が分かれた。ロシアは前回137位、今回129位と腐敗度は若干改善しているが、全世界180カ国の中ではかなり見劣りがする。

 

 中東の主要国では、UAEが世界21位と中東では最も高く、日本(19位)と肩を並べる高い評価を受けている。イスラエルは世界35位でほぼ韓国並みである。またサウジアラビアは世界52位である。

 

 トルコ、エジプト、イランの中東三大国はいずれもランクが低く、トルコは86位で世界180カ国中、かろうじて上位グループに入っているが、エジプト117位、イランは149位にとどまっている。しかも前回スコアに比べるとエジプトは2ポイント、イランは1ポイント下がっており、両国の腐敗度が高まっていることが懸念される。因みに世界最下位の180位はソマリアである。

 

3.日本と中東主要国の腐敗指数の推移(2016~2020年)

(図http://rank.maeda1.jp/6-G01.pdf 参照)

日本と中東6カ国(UAE、サウジアラビア、トルコ、エジプト及びイラン)の2016年から2020年までの5年間の腐敗認識指数の推移を見ると、2016年の指数は日本が72、UAE66、サウジアラビア46、トルコ41、エジプト34、イラン29であった。

 

その後、各国とも変化は小さいが、5年間を通して見ると日本は指数が下がる(即ち腐敗度が上がる)傾向が見られる。これに対してUAE及びサウジアラビアの湾岸君主国はほぼ毎年指数が上がっている。エジプトの指数は2017年に32に下落し、18,19年と35まで回復したが、2020年には再び指数は33に低下している。トルコは5年間を通じて指数40前後でほぼ変化がない。これに対してイランは2017年の指数30をピークにその後毎年下がっており腐敗度が進行している。

 

以上

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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