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http://mylibrary.maeda1.jp/0478AramcoVsIoc2019JanJune.pdf
5.キャッシュフロー(続き)
(豊かなキャッシュフローを誇るアラムコ!)
(2) 2019年1-6月のキャッシュフロー(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-6-08.pdf 参照)
アラムコの今年上半期のキャッシュフローは営業キャッシュフロー(以下営業CF)が525億ドル、投資キャッシュフロー(以下投資CF)259億ドル、財務キャッシュフロー(以下財務CF)358億ドルであり、合計は93億ドルのマイナスであった。IOC5社(ExxonMobilは営業CFのみ開示)のそれぞれの金額は以下のとおりである。
(単位:億ドル) 営業CF 投資CF 財務CF 合計
Shell: 197 88 192 ▲83
ExxonMobil: 144 n.a. n.a. n.a.
BP: 121 105 34 ▲18
Total: 99 64 46 ▲12
Chevron: 138 53 94 ▲ 8
上記のとおりアラムコは全項目でIOC各社を上回っており、営業CFはShellの2.7倍、Totalの5.3倍である。また投資CFはBPの2.5倍、Chevronの5倍であり、財務CFもShellの2倍、BPの10倍に達する。このようにアラムコは現金または現金相当(cash or cash equivalent)の収支の幅が多く、その結果合計もマイナス93億ドルとIOC各社を上回る結果となっている。
(3) 期首(1月初)と期末(6月末)の残高(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-6-09.pdf 参照)
各社のキャッシュフローシートによれば期首現金及び現金相当額と期末のそれは以下のとおりである(ExxonMobilとChevronは期首期末の残高が示されていない)。なお英語の名称は各社同じであり、期首残高はCash and cash equivalents at (the) beginning of period、期末残高はCash and equivalents at (the) end of periodである。
アラムコの期首残高は488億ドルであり、期中に93億ドルが減少(上記2参照)した結果、期末の残高は395億ドルになっている。IOC各社はShellが267億ドル(期首)→185億ドル(期末)であり、BPは225億ドル(期首)→207億ドル(期末)、Totalは279億ドル(期首)→267億ドル(期末)であった(ExxonMobil及びChevronは公表せず)。期中の現金(及び現金相当額)はアラムコが最も大きく減少しているが、期首の残高がShell, BP、Totalよりもかなり多いため6月末の期末残高は引き続きIOC各社を大きく上回っている。
(完)
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