(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf
(石油と天然ガスを合わせた可採年数は54年!)
(4)可採年数の推移(1980~2012年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-1-G04.pdf 参照)
可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産水準があと何年続けられるかを示したものであるが、2012年末の石油と天然ガスの合計埋蔵量を同年の合計生産量(次章参照)で割ると、石油・天然ガス全体の可採年数は54年となる。
1980年から2012年末までの推移をみると、1980年の可採年数は35年であった。この年の石油の可採年数は30年、天然ガスは50年であり、石油と天然ガスの間には20年の差があった。当時、石油の埋蔵量は天然ガスの1.5倍であったが、生産量については石油が天然ガスの2.5倍であったため石油の可採年数が低く、石油と天然ガスを合わせた可採年数も石油に近い数値となったのである。
その後、1980年代は石油、天然ガスの埋蔵量は共に増加したが、生産に関しては天然ガスが伸びる一方(天然ガス篇2-(3)参照)石油は停滞したため(石油篇2-(3)参照)、石油の可採年数が伸び、天然ガスのそれは停滞した。1990年代は石油、天然ガス共に可採年数は横這いとなり、両者を平均した可採年数も50年弱で推移した。2000年代に入り可採年数は2002年に53年のピークを記録した後、2006年には49年に下がった。しかしそれ以降は再び可採年数は増加傾向を示し、2012年末の可採年数は石油53年、天然ガス56年、石油と天然ガスを合わせた平均可採年数は54年となっている。
上述の通り1980年末の石油と天然ガスの可採年数の間には20年の差があったが、近年その格差は縮小しており、2012年末の両者の差はわずか3年である。このことは石油と天然ガスの探鉱・開発及び生産のペースがほぼ同じであることを意味している。
(石油+天然ガス篇 埋蔵量完)
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