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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

中東とエネルギーのニュース(5月16日)

2025-05-16 | 今日のニュース
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(中東関連ニュース)
 
*「環境省ホームページ」参照。
 
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トップExxonMobil、最下位bp、序列に固定化の兆し:五大国際石油企業1-3月期決算速報(9)

2025-05-16 | 海外・国内石油企業の業績
III. 過去2年間の四半期業績推移
 ここでは2023年4-6月期以降2025年1-3月期までの8四半期の業績推移を比較する。

(利益トップの王座を譲らないExxonMobil!)
1.純利益の推移
 2023年4-6月期は5社すべてが利益を計上したが、ExxonMobilの79億ドルを筆頭に、Chevronは60億ドル、TotalEnergies 41億ドル、Shell 31億ドルであり、bpはもっとも少ない18億ドルの利益であった。

翌7-9月期は各社とも利益が上向き、ExxonMobilは91億ドルの利益を達成し、2位はShell(70億ドル)であった。TotalEnergies及びChevronも60億ドル台後半の利益を計上、bpは5社中では最も低いものの49億ドルの利益を確保した。しかし、これに続く10-12月期は利益が急減、ExxonMobilは4-6月期並みの76億ドルの利益を計上したが、Shell及びbpは一桁5億ドル弱の利益にとどまった。

2024年1-3月期には利益は回復したが、その後は利益が漸減する傾向にあり、特にbpは2024年4-6月期と10-12月期は欠損となっている。このような中でExxonMobilは毎期安定した利益を計上しており、他の4社との格差が広がり、利益額トップを維持している。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
                     Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
                     E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

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現地記事転載:「地域安全保障より大規模商談に重点を置いたトランプ大統領の湾岸諸国歴訪」(上)

2025-05-16 | 現地紙記事転載
(原題) Trump starts Gulf tour focused more on mega deals than regional security
2025/5/13 Daily Sabah (by Reuters)

 

ドナルド・トランプ米大統領は火曜日にサウジアラビアに到着、4日間にわたる湾岸諸国歴訪を開始した。歴訪の焦点は、イスラエルによるガザ地区での大量虐殺的な戦争やイランの核開発計画をめぐる交渉といった喫緊の安全保障問題よりも、大規模な経済協定の締結にある。

大統領専用機エアフォースワンから降りた大統領は、億万長者のイーロン・マスク氏を含む著名ビジネスリーダーたちを伴いリヤドに到着。空港でムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)の出迎えを受けた。

トランプ大統領は、水曜日にカタール、木曜日にアラブ首長国連邦(UAE)を訪問する予定である。イスラエルへの立ち寄りは予定されておらず、この決定は、ワシントンの優先事項におけるこの緊密な同盟国の立場に疑問を投げかけている。大統領は、湾岸産油国から数兆ドル規模の投資を確保することを期待している。

王室宮殿の会談で、トランプ大統領はサウジの皇太子を友人と呼び、良好な関係を築いていると述べ、サウジアラビアが約束する6000億ドルの投資は1兆ドルにもなり得ると冗談めかして語った。サウジ・米国投資フォーラムでは、最前列にブラックロックのラリー・フィンクCEO、ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマンCEO、スコット・ベセント財務長官、そしてサウジアラビアのジャダーン財務相とファリハ財務相が座っていた。

MBSとの昼食会には、トランプ大統領と共に、テスラとスペースXの最高経営責任者マスクCEO、そしてOpenAIのCEOサム・アルトマン氏を含む、米国のトップビジネスマンが出席した。

(続く)
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(SF小説) ナクバの東(107)

2025-05-15 | 荒葉一也SF小説

Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(2)

第36章 退役将軍「シャイ・ロック」(1)歴史に翻弄されるユダヤ人(2/4)
 

『シャイ・ロック』の生涯は常に戦争がつきまとってきた。既に70歳を超え空軍を退役しているが、今もいろいろな相談事を持ち込まれる。多分死ぬまで彼には戦争の影がつきまとうに違いない。

そもそも彼が生まれたのは第二次世界大戦が始まった1939年である。彼の父親はドイツ地方都市のゲットー(ユダヤ人居住地区)で散髪屋を営むごく平凡な市民であった。アシュケナジムと呼ばれる彼らドイツ国籍のユダヤ人達は社会的には蔑まれ生活は楽ではなかったものの、それなりに平和な暮らしを送っていた。

(続く)


荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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トップExxonMobil、最下位bp、序列に固定化の兆し:五大国際石油企業1-3月期決算速報(8)

2025-05-15 | 海外・国内石油企業の業績
II. 五社の業績比較(続き)
(ExxonMobil、トップの59億ドル!)
5.設備投資[1] 
 国際石油企業の1-3月期設備投資は、ExxonMobilが59億ドルと最も多く、次いでTotalEnergies 49億ドル、Chevron 39億ドル、Shell 37億ドルであり、bpは5社で最も少ない36億ドルであった。Shellは前期の65億ドルから大幅に減少している。TotalEnergiesは投資額が前期或いは前年同期を上回っている。

(生産量が多いExxonMobil、Chevronの米系2社、少ない欧州系3社!)
6.石油及び天然ガス生産量
(1) 原油生産量[2]
 2025年1-3月期の原油生産量が最も多かったのはExxonMobilの3,139千B/Dであり、5社の中でただ一社3百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはChevron(1,981千B/D)でExxonMobilの6割である。第3, 4位はTotalEnergies(1,516千B/D)、Shell(1,335千B/D)、bpは最も少ない1,086千B/Dで、ExxonMobilの3分の1である。

(2) 天然ガス生産量[3]
 天然ガスの生産量が最も多いのはExxonMobilの日産85億立方フィートで石油に換算すると1,412千B/Dであった。2位以下はChevronの82億立方フィート(石油換算1,372千B/D )、TotalEnergies 53億立方フィート(石油換算1,042千B/D )と続き、第4位はShellの30億立方フィート(石油換算520千B/D )であり、最も少ないのはbpの23億立方フィート(石油換算389千B/D )であった。

(3) 石油・天然ガス合計生産量[4]
 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で4,551千B/Dである。同社に次ぐのはChevron(3,353千B/D、)、TotalEnergies(2,558千B/D)である。Shell及びbpはそれぞれ1,855千B/D及び1,475千B/Dであった。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はChevron 74、TotalEnergies 56、Shell 41、bpは32であり、bpの生産量はExxonMobilの3分の1である。
 
 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油69%、天然ガス31%であり、その他の4社はShell(石油72%:天然ガス28%)、bp(石油74%:天然ガス26%)、TotalEnergies(石油59%:天然ガス41%) 、Chevron(石油59%:天然ガス41%)である。5社いずれも石油の比率が天然ガスを上回っているが、石油の比率が最も高いのはbp(74%)で、逆に最も低いのはTotalとChevron(59%)である。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
                     Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
                     E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

[1]「設備投資」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Capital and Exploration Expenditures

Shell:Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow

bp:Capital expenditure

TotalEnergies:12. Net investments

[2] 「原油生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Net production of crude oil, natural gas liquid, bitumen and tsynthetic oil

Shell:Liquid production available for sale

bp:Production (net of royalties), Liquids

TotalEnergies:

Chevron:Net liquid production

[3] 「天然ガス生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Natural gas production available for sale

Shell:Natural gas production available for sale

bp:Production (net of royalities), Natural gas

TotalEnergies:Hydrocarbon production, Gas

Chevron:Net natural gas production, Worldwide

[4] 「石油・天然ガス合計生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:                     

Shell:Total production in barrels of oil equivalent    

bp:Production (net of royalities), Total hydrocarbons             

TotalEnergies:

Chevron:Total net oil-eqivalent production 

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中東とエネルギーのニュース(5月14日)

2025-05-14 | 今日のニュース
(エネルギー関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(中東関連ニュース)




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トップExxonMobil、最下位bp、序列に固定化の兆し:五大国際石油企業1-3月期決算速報(7)

2025-05-14 | 今日のニュース
II. 五社の業績比較(続き)
4.キャッシュフロー[1]
(ExxonMobilとTotalEnergiesの営業C/Fに5倍の開き!)
(1)営業キャッシュフロー(以下C/F)[2] 
 今期の営業C/Fが最も多かったのはExxonMobilの130億ドルで、次いでShellの93億ドルである。2社のC/Fと他の3社の格差は大きく、Chevronは52億ドルとExxonMobilの2分の1以下であり、bpは28億ドル、最も少ないのはTotalEnergiesの26億ドルである。ExxonMobilとTotalEnergies の格差は5倍である。

(格差が少ない投資C/F、トップはChevronの▲56億ドル!)
(2)投資C/F[3] 
 投資C/Fによるキャッシュの流出はChevronが最も多い▲56億ドルであり、他の4社はそれぞれTotalEnergies▲48億ドル、ExxonMobil▲41億ドル、Shell ▲40億ドル、bp▲33億ドルであった。5社の格差は小さい。

(100億ドルを超えるExxonMobil、10億ドル台にとどまるChevronとTotalEnergies!)
(3)財務C/F[4] 
財務C/Fの収支はExxonMobilが▲136億ドルと5社中でただ1社100億ドルを超えている。これに次ぐのがShellの▲92億ドルである。bpは▲51億ドルであり、ChevronとTotalEnergiesはそれぞれ▲17億ドル、▲11億ドルと他の3社に比べて大幅に少ない。

(Shellの残高は391億ドル!)
(4)C/F期末残高[5] 
 3月末のキャッシュフロー残高を比較する。なおChevronは資料に残高が明記されていない。

 残高が最も多いのはShellの391億ドルであり、bpが338億ドルで続いている。TotalEnergiesの残高は228億ドルで、4社の中で残高が最も少ないのはExxonMobil の185億ドルである。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

[1] キャッシュ・フロー(cash flow、現金流量)とは、現金の流れを意味し、主に、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことをいう。欧米では古くからキャッシュ・フロー会計にもとづくキャッシュ・フロー計算書(Cash flow statement, C/F)の作成が企業に義務付けられており、日本でも1999年度から上場企業は財務諸表の一つとしてキャッシュ・フロー計算書を作成することが法律上義務付けられている。

 キャッシュ・フローは(1)営業キャッシュ・フロー(日常的な、生産・営業活動によって稼得する現金と、それに要する現金コストの収支)、(2)投資キャッシュ・フロー(工場新設やビル建設・トラック購入などの設備投資・有価証券投資に要する現金支払いと資産売却による収入)及び(3)財務キャッシュ・フロー(財務活動による現金の収支)の3種類があり、これらの総合収支が会計期間内の現金収支であり、期首(前期末)の現金(及び現金相当物)の残高に期間内の収支を加えたものが当期末の現金(及び現金相当物)となる。(Wikipediaより)

[2] 「営業キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Cash Flow form Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)

Shell:Cash flow from operating activities

bp:Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement

TotalEnergies:Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements

Chevron:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[3]「投資キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from investing activities

bp:Net cash used in investing activities

TotalEnergies:Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement

Chevron:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[4]「財務キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from financing activities

bp:Net cash provided by (used in) financing activities

TotalEnergies:Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement

Chevron:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[5] 「キャッシュフロー期末残高」は各社資料から下記項目を抽出した。なおChevronは資料に明記されていない。

ExxonMobil:Cash and cash equivalent at end of period

Shell:Cash and cash equivalent at end of period

bp:Cash and cash equivalent at the end of the period

TotalEnergies:Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement

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現地記事転載:「ペルシャ湾」を「アラビア湾」に呼称変更しようとするトランプ大統領に猛反発するイラン(テヘラン・タイムズ) (下)

2025-05-13 | 現地紙記事転載
(原題) Why the Persian Gulf’s identity is non-negotiable
2025/5/7 Tehran Times (by AP)

 

トランプ大統領の動機付け
AP通信の報道が正しいと仮定するならば、トランプ大統領がなぜ何世紀にもわたる歴史的・地理的コンセンサスを無視し、「ペルシャ湾」に代わる「アラビア湾」という名称を選んだのかという疑問が生じてくる。

アナリストたちは、計算された戦略を明らかにする可能性のある複数の要因を指摘している。その第一は経済的動機である。トランプ大統領と湾岸アラブ諸国の君主制同盟国との経済的連携は、彼の家族と同盟国の金銭的インセンティブによってさらに強調されている。彼の義理の息子であるジャレッド・クシュナー氏のプライベートエクイティ会社アフィニティ・パートナーズは、アラブ諸国の富裕層ファンドからの20億ドルの投資を含め、西アジアから多額の資金を確保している。

さらに、トランプ氏の息子たちはこの地域で事業を拡大しており、これらの取引が大統領の優先事項にどのような影響を与えるかという懸念が生じている。この利害関係は、特にトランプ大統領がアラブの君主制国家にインフラ整備計画を提唱していることから、米国の政治的影響力を活用しようとするサウジアラビア、UAE、カタールの投資姿勢と一致している。

同様に重要なのは、地域の分断という要素である。イランとアラブ諸国間の長年の緊張を煽ることで、トランプ大統領はイスラエル政権とサウジアラビアの国交正常化に向けた進展における挫折から人々の目を逸らそうとしているように見える。この策略は、外交上の課題から人々の目を逸らすだけでなく、武器売却の増加を正当化するための都合の良い口実を提供し、大統領の地政学的立場をさらに強固なものにしています。

最後に、植民地支配の遺産が重要な役割を果たしていることがあげられる。「ペルシャ湾」を代替する「アラビア湾」という呼称は1958年に遡る。当時、英国外交官ロデリック・オーウェンは、この用語の長年にわたる歴史的使用を認めながらも、より「丁寧な」新しい呼称を採用することでアラブ同盟国をなだめることができると示唆した。

その後、1960年代の石油国有化危機において、英国顧問チャールズ・ベルグレイブは、この用語を巧みに利用してイランとアラブの関係を分断する道具とした。この歴史的策略は、植民地支配の残滓が現代の地政学的物語をどのように形作っているかを浮き彫りにしている。特にトランプ大統領がメキシコ湾、カナダ、パナマ運河、グリーンランドに関して歴史修正主義的な傾向を示していることを考えると、なおさらである。

「これは地理の問題ではない。現代の思惑に沿うようにペルシャの遺産を消し去ろうとしているのだ」と、あるイラン人歴史家は述べている。地域諸国の間では、1960年代に「汎アラブ主義」が台頭するにつれ、ペルシャ湾の別称アラビア湾という神話が広まった。

イギリス植民地支配の残滓に支えられたいわゆる「アラブ民族主義者」は、イランの文化的影響力を弱めようとした。アラブ連盟とUAEは、歴史的根拠がないにもかかわらず、この用語を誇張した。

疑う余地のない歴史的記録
ペルシャ湾という名称は人類の集合的記憶に刻まれており、そのルーツは古代にまで遡る。紀元前5世紀、ギリシャの歴史家ヘロドトスはこの湾を「シヌス・ペルシクス」と呼び、ローマの地理学者プトレマイオスの地図には「ペルシクス・シヌス」と記録されている。

イスラムの黄金時代には、12世紀のイドリースィーや14世紀のイブン・ハルドゥーンといった影響力のあるアラブの学者たちが、著作の中で一貫して「ペルシャ湾」という用語を用い、その歴史的重要性を強調した。

現代において、この名称の永続的な遺産はさらに確固たるものとなっている。2006年以降、国連は「ペルシャ湾」を唯一の公式用語として定め、政治的な代替語を断固として拒否している。

米軍でさえこの伝統に敬意を表しており、1991年の湾岸戦争の退役軍人の墓石には「ペルシャ湾」と刻まれており、この湾岸の文化的・歴史的重要性が揺るぎない証となっている。

以上
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トップExxonMobil、最下位bp、序列に固定化の兆し:五大国際石油企業1-3月期決算速報(6)

2025-05-13 | 今日のニュース
II. 五社の業績比較
ここでは五社の当期利益、売上高、売上高利益率、キャッシュ・フロー及び設備投資を比較する。

(ExxonMobilの利益は77億ドル、bpは10分の1以下の7億ドル!)
1.     純利益[1]
国際石油企業の中で1-3月期利益が最も多かったのはExxonMobilの77億ドルであり、これに次ぐのがShellの48億ドである。第3位はTotalEnergies (39億ドル)、4位Chevron (35億ドル)であった。bpの利益は5社の中で最も少なく7億ドルにとどまっている。

前期(2023年10-12月)と比較すると、Shellは5倍強の大幅増益であり、Chevronも8%増益であった。これに対してExxonMobilは微増、TotalEnergiesは微減である。前期が5社中でただ1社▲20億ドルの損失であったbpは利益に転じたが、上記の通り利益額は他社より大きく見劣りする。また前年同期に比べると全社減益であり、減益幅はbpが最も大きい▲70%であり、ExxonMobilは▲6%、その他3社は▲30%台の減益であった。

(5社の多くが前期、前年同期比で減収!)
2.当期売上高[2] 
売上高トップはExxonMobilの831億ドルであり、Shellはそれより140億ドル少ない692億ドルであった。TotalEnergies、bp、Chevron 3社の売上高はそれぞれ523億ドル、479億ドル及び461億ドルでほぼ横並びである。

ExxonMobilの売上高を100とした場合、Shellは83、TotalEnergies 63、bp 58、Chevron 55であり、bp、Chevronの売上高はExxonMobilの6割弱にとどまる。前項で触れた通り利益面ではExxonMobil、Shell、TotalEnergies、Chevron、bpの順であり、ExxonMobilは売上及び利益の両面でトップ企業の貫録を示している。

2025年1-3月期のBrent原油平均価格は75.73ドル/バレルであり、前期(74.73ドル)に比べわずかに上がっているが、前年同期(83.16ドル)よりは9%低い水準である。前年同期比の売上高と比較すると、ExxonMobilを除く各社はいずれも売上高が減少しており、原油価格との相関関係がみられる。これに対してExxonMobilは売上高が横ばいである。同社は原油・天然ガスの生産量を増加させたためと考えられる。(生産量の項参照)

(ExxonMobilの9%を筆頭にbp以外は7%以上の利益率を確保!)
3.当期売上高利益率
IOC5社の今期売上高利益率はExxonMobilが9.3%と最も高く、続いてChevron 7.6%、TotalEnergies 7.4%、Shell 6.9%である。これに対してbpの利益率は1.4%にとどまり、他の4社に比べて大きく見劣りする。

前期(2024年10-12月期)或いは前年同期(2024年1-3月期)と比較すると、前期はExxonMobilが9.1%と最も高く、TotalEnergiesが7.5%、Chevron 6.7%で、bpは▲4.1%であった。また前年同期比ではChevronが11.8%と最も高くShell、TotalEnergiesはともに10.2%、ExxonMobil 9.9%といずれも高い利益率を出している。bpの利益率は4.5%であった。

(続く)


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
                     Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
                     E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

[1] 「純利益」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)

Shell:Incom/loss attributabel to shareholders

bp:Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders

TotalEnergies:Netincome (TotalEnergies share)

Chevron:Net income

[2] 「売上高」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Total revenues and other income

Shell:Revenue

bp:Total revenue and other income

TotalEnergies:Sales

Chevron:Sales and other operating revenues

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(SF小説) ナクバの東(106)

2025-05-13 | 荒葉一也SF小説

Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(1)

第36章 退役将軍「シャイ・ロック」(1)歴史に翻弄されるユダヤ人(1/4)
 
彼の名は『シャイ・ロック』。勿論本当の名前は別にあるのだが、世間では蔭で彼のことをそう呼んでいる。戦闘機のパイロットとして軍歴を歩み出した彼は、数次の中東戦争を経て空軍のトップに上りつめ、「将軍」の称号を与えられた。

『シャイ・ロック』と言う呼び名は英国の有名な戯曲に登場する金貸しの名前とそっくりであり彼は決して喜ばない。だから面と向かっては誰もが彼のことを『将軍』と呼んでいる。ただ上機嫌な時や外国の要人との面倒な話をまとめようとするときだけ、彼は自らを道化役者に見立てて「私シャイ・ロックとしては---------」などと前置きを置くのである。シャイロックと言う言葉が持つイメージを逆用して、相手に畏怖心を与えることも彼の軍師的才能の一つと言える。

(続く)


荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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