にっぽん女優列伝（２８）泉ピン子

４７年９月１１日生まれ・誕生日をむかえたばかりの７０歳。
東京出身。

公式プロフィール


８０～９０年代のイメージは「清貧」、現在のイメージは「口が悪い」。

そんな泉ピン子（いずみ・ぴんこ）さんですが、牧伸二の弟子からキャリアをスタートさせた芸人さんだったわけで、「しゃべり」に関しては元々強かったのだと思われます。

発言そのものも、面白いと思いますよ好きじゃないけど笑

といって、嫌いにもなれない。
のは、たぶん、自分の世代特有かもしれません、ナンダカンダいっても、『おしん』（83～84、ＮＨＫ）で泣いた過去があるので。

「清貧」のイメージも、これに尽きるでしょう。


『おしん』の生みの親、橋田壽賀子との名コンビぶりは誰もが認めるところ。

長寿シリーズ『渡る世間は鬼ばかり』（90～2016、ＴＢＳ）は、ときどき「誰が観ているのだろう」と疑問に思ってしまうのですが、これだけつづくのだから、やっぱり人気ドラマだったのですよね。

かくいう自分も、観ていたりしますし。

「きっちり」は観ていません。
再放送などで流れていると、「思わず」観てしまうのです。

好きではないけれど、すごいなぁと思ってしまう―これが、橋田ドラマに対する自分の感想です。

１話完結ではないのに「いきなり観ても人間関係と、それまでのあらすじ」が分かるように創ってある。

主婦は忙しいので、家事をやりながらでも理解出来るように台詞で説明させる、、、と誰かがいっていましたが、たしかにそういう創り。

たとえばインターネットを「ネット」と略することはしません。
いつだって、えなりくんは「インターネットが…」と発するのです。

そういうところに感心します。
映像系の学校、シナリオの授業の最初に学ぶ「台詞に頼らない」を真っ向から否定する、じつは過激なアナーキストなのですよ！！


あと、泉さん・角野卓造夫婦の長女役だった、吉村涼が好きだったから観ていた・・・っていうところも大きいのですが笑




※ふつうに、歌も上手です




＜経歴＞

夫はテレビ出演も多数、消化器内科医・武本憲重。

歌謡漫談家「三門マリ子」としてデビュー。
のちの芸名「泉ピン子」の由来はいくつもあるそうですが、実父の「芸人にはピンからキリまであるのだから、志しの一番なピンの芸人になれ」というのが、「芸能界的に」いちばんしっくりくるような気がします。

映画俳優デビュー作は、７６年の『戦後猟奇犯罪史』。

深夜に放送されていたのかなぁ、なんとなく観た記憶があるのですが「しゃべり」を活かしたリポーターの役でした。


『愛の嵐の中で』（78）、『男はつらいよ 噂の寅次郎』（78）、『関白宣言』（79）、『思えば遠くへ来たもんだ』（80）。

テレビの『おしん』が当たった８３年以降は、ことばは悪いですが、『おしん』に引っ張られる映画キャリアとなっていきます。

アニメーション版の『おしん』（84）では同一キャラの声を担当、

『おしん』の世界を地でいく『一杯のかけそば』（92）、

本のバカ売れ現象が起こったあのころ、なぜこれがウケるのだろう？　と疑問に思っていましたが。。。




『次郎物語』（87）、『学校II』（96）、
『ケイゾク／映画 Ｂｅａｕｔｉｆｕｌ Ｄｒｅａｍｅｒ』（2000）、『カンフーくん』（2008）、『私は貝になりたい』（2008）、『能登の花ヨメ』（2008）、
そして最新作は、また『おしん』（2013）という感じに。


実力は文句なし、、、ですから、『おしん』「清貧」「口、悪っ」以外の要素で構成された映画を観たいです。


次回のにっぽん女優列伝は、市川実日子さんから。

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明日のコラムは・・・

『むしろ？　興奮する』