57年5月14日生まれ、2003年3月25日死去。享年45歳。
川崎出身。
自死という結末に、ショックを受けた(日本の)男優さん―という書きかただといろいろ誤解を受けるかもしれませんが、
個人的に世代的に、それは沖田浩之と古尾谷雅人(ふるおや・まさと)さんになります。
偶然にも、『金八先生』の第二作(80~81)で共演したふたりです。
成人後も、ヤンキーどもの「よきアニキ」であり続ける・・・現代ではちょっとイタいキャラクターかもしれませんが、古尾谷さんの熱演によって、観ているほうも気恥ずかしさを感じることがありません。
「オチャラケ」た、軽~いキャラクターが苦手でした。
常に、硬派であろうとしました。
そのため時代の空気にあわなくなり、オファーが激減しました。
借金がかさみ、奥さんを殴るようになります。
躁鬱を繰り返し、ある日、ぷつりと糸が切れてしまった・・・。
通夜で桃井かおりが、「長生きすることが勝ちなんだと思わないと」といったのが忘れられません。
※ストーンズの『黒く塗れ!』が絶妙なシーンで流れる。
大森監督にとっても、古尾谷さんにとっても、これこそ最高傑作かと。
<経歴>
信奉する俳優は、松田優作。
高校卒業後に就職するも、演じることに興味を抱いて退社、劇団ひまわりに入団して演技の基礎を学ぶ。
映画俳優デビュー作は、77年の『女教師』。
日活ロマンポルノです。
眼光鋭い古尾谷さんは新進気鋭の監督たちから注目を受け、『団地妻 犯された肌』(77)や『人妻集団暴行致死事件』(78)、『天使のはらわた 名美』(79)、『団地妻 肉欲の陶酔』(79)に連続出演、ポルノファンには知られる存在となりました。
一般映画への進出は、80年の『ヒポクラテスたち』から。
(医大出身の)大森一樹が、医学生たちの青春を切り取った傑作です。
ちょうど同じころにテレビドラマにも顔を出すようになり、当時から病的に繊細ではあったようですが、
長身でイケメンではありますからね、若い女子を中心に人気が広がっていきました。
『スローなブギにしてくれ』(81)、『悪霊島』(81)、『風の歌を聴け』(81)、『九月の冗談クラブバンド』(82)、『凶弾』(82)、『いつか誰かが殺される』(84)、『伽揶子のために』(84)、『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬』(86)、『キャバレー』(86)、『植村直己物語』(86)、『オイディプスの刃』(86)、『別れぬ理由』(87)、『花の降る午後』(89)。
バラエティに富んだこの時代のキャリアを眺めれば分かります、ちょっと酷ないいかたになるかもしれませんが「80年代のひと」だったのかもしれませんよね。
『宇宙の法則』(90)、『BEST GUY』(90)、『略奪愛』(91)、『月はどっちに出ている』(93)、『シュート!』(94)、『集団左遷』(94)、
個人的には、刑事のイヤな部分がきっちり描かれていた『マークスの山』(95)なんか好きですけどね。
『お日柄もよくご愁傷さま』(96)、『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』(97)、『のど自慢』(99)。
『ホワイトアウト』(2000)。
「最近、見ないなぁ…」と思っていると、ひょっこりスクリーンに現れる。
後半生は、ずっとそんな感じでした。
・・・が、2003年の3月、唐突に自死のニュースが飛び込んできました。
借金だけでなく、遺産相続などのトラブルもあったようです。
それでもやっぱり、桃井先輩がいうように「長生きすることが勝ちなんだ」と思う、思いたい、、、ですね。
遺作は、『人斬り銀次』(2003)。
あらためて合掌! です。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『edge』
川崎出身。
自死という結末に、ショックを受けた(日本の)男優さん―という書きかただといろいろ誤解を受けるかもしれませんが、
個人的に世代的に、それは沖田浩之と古尾谷雅人(ふるおや・まさと)さんになります。
偶然にも、『金八先生』の第二作(80~81)で共演したふたりです。
成人後も、ヤンキーどもの「よきアニキ」であり続ける・・・現代ではちょっとイタいキャラクターかもしれませんが、古尾谷さんの熱演によって、観ているほうも気恥ずかしさを感じることがありません。
「オチャラケ」た、軽~いキャラクターが苦手でした。
常に、硬派であろうとしました。
そのため時代の空気にあわなくなり、オファーが激減しました。
借金がかさみ、奥さんを殴るようになります。
躁鬱を繰り返し、ある日、ぷつりと糸が切れてしまった・・・。
通夜で桃井かおりが、「長生きすることが勝ちなんだと思わないと」といったのが忘れられません。
※ストーンズの『黒く塗れ!』が絶妙なシーンで流れる。
大森監督にとっても、古尾谷さんにとっても、これこそ最高傑作かと。
<経歴>
信奉する俳優は、松田優作。
高校卒業後に就職するも、演じることに興味を抱いて退社、劇団ひまわりに入団して演技の基礎を学ぶ。
映画俳優デビュー作は、77年の『女教師』。
日活ロマンポルノです。
眼光鋭い古尾谷さんは新進気鋭の監督たちから注目を受け、『団地妻 犯された肌』(77)や『人妻集団暴行致死事件』(78)、『天使のはらわた 名美』(79)、『団地妻 肉欲の陶酔』(79)に連続出演、ポルノファンには知られる存在となりました。
一般映画への進出は、80年の『ヒポクラテスたち』から。
(医大出身の)大森一樹が、医学生たちの青春を切り取った傑作です。
ちょうど同じころにテレビドラマにも顔を出すようになり、当時から病的に繊細ではあったようですが、
長身でイケメンではありますからね、若い女子を中心に人気が広がっていきました。
『スローなブギにしてくれ』(81)、『悪霊島』(81)、『風の歌を聴け』(81)、『九月の冗談クラブバンド』(82)、『凶弾』(82)、『いつか誰かが殺される』(84)、『伽揶子のために』(84)、『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬』(86)、『キャバレー』(86)、『植村直己物語』(86)、『オイディプスの刃』(86)、『別れぬ理由』(87)、『花の降る午後』(89)。
バラエティに富んだこの時代のキャリアを眺めれば分かります、ちょっと酷ないいかたになるかもしれませんが「80年代のひと」だったのかもしれませんよね。
『宇宙の法則』(90)、『BEST GUY』(90)、『略奪愛』(91)、『月はどっちに出ている』(93)、『シュート!』(94)、『集団左遷』(94)、
個人的には、刑事のイヤな部分がきっちり描かれていた『マークスの山』(95)なんか好きですけどね。
『お日柄もよくご愁傷さま』(96)、『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』(97)、『のど自慢』(99)。
『ホワイトアウト』(2000)。
「最近、見ないなぁ…」と思っていると、ひょっこりスクリーンに現れる。
後半生は、ずっとそんな感じでした。
・・・が、2003年の3月、唐突に自死のニュースが飛び込んできました。
借金だけでなく、遺産相続などのトラブルもあったようです。
それでもやっぱり、桃井先輩がいうように「長生きすることが勝ちなんだ」と思う、思いたい、、、ですね。
遺作は、『人斬り銀次』(2003)。
あらためて合掌! です。
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明日のコラムは・・・
『edge』
死ぬ人間の気持ちは
追い詰められているー死しか出口は無いーそう思いつめたのかもしれないけれど
いい俳優さんであっただけに惜しまれます
「思いつめて、思い悩んで」 なんてものとは別次元の苦しみなので。