Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

GW特別企画(8)MUSE

2012-05-05 00:15:00 | コラム
気に入りの女優ではなく、また、気に入りの女子キャラクターというわけでもなく。

このキャラクターが存在したからこそ、作品が成り立っている、、、というような。
このキャラクターが存在しなければ、映画としてはダメダメだったんじゃないか、、、というような。

いつだって男たち(演じ手も創り手も、受け手さえも)は、そんな女に救われるんじゃないか。

今宵は、ミューズと評したくなる女子キャラクター10傑を選出。

こう並べてみると、自分はつくづく闘う女子が好きなのだなぁと。
でも演じるほうにしてみたって、毒にも薬にもならぬ添え物キャラよりも、血と汗と精液と潮まみれになって闘うキャラのほうが「女優している!」と思えるのではないだろうか。


(1)『奇跡の海』(96)

ベス=エミリー・ワトソン

性的不能になった夫の願いを叶えるため、娼婦を演じる。
命を落としたあとに起こる奇跡とはつまり、彼女が神話になったということなのだ。

(2)『冒険者たち』(67)

レティシア=ジョアンナ・シムカス

男ふたりを敵対させるでもなく、彼らを包み込む。
甘美で理想的な、男女三角関係のファンタジー。

(3)『わが青春に悔なし』(46)

八木原幸枝=原節子

闘いの神か。
小津映画の原節子は、どうもわざとらしい感じがするのだが、黒澤映画の原節子は好き・・・というのは、黒澤信者の偏見かもしれないけれど。

(4)『ゆきゆきて、神軍』(87)

妻、シズミ

ドキュメンタリーというジャンルにおける、到達点。
暴れ馬のような主人公・奥崎をいつまでもどこまでも優しく包み込む、ほとんど菩薩のような存在。

(5)『ワイルド・アット・ハート』(90)

良い魔女=シェリル・リー

文字どおり、ホンモノの魔女・・・というより、天使か。
ヒロインとの別れを決意した主人公ニコラス・ケイジに、それを思い留まらせる。
『オズの魔法使い』をベースにしている・・・というのは、あまり気にしないほうがいい。だって、リンチのおふざけ感満載、楽しい楽しい娯楽映画なのだから。

(6)『エイリアン』シリーズ(79~)

リプリー=シガーニー・ウィーバー

特にパート2か。
ジェームズ・キャメロン絡みではサラ・コナーも「闘神」キャラだが、元祖といえばリプリーだろう。

褒めことばとしていうが、ほんとうに男前なのである。

(7)『救命士』(99)

メアリー=パトリシア・アークエット

またきた、ほらほらスコセッシ印。

日常に疲れ果てた主人公ニコラス・ケイジは、彼女にどれほど救われたろうか。
ほぼ全編が騒々しい物語のなかで、唯一の静謐が訪れるラストは感動。

(8)『カノン』(98)

娘=ブランディーヌ・ルノワール

号泣号泣、大号泣。
たぶんいちばん泣いた映画は、『奇跡の海』とこの作品である。

自身や世の中を性器・糞尿にたとえるダメオヤジを、ことばを発さぬ一人娘が救う。

このラストを偽善っぽいと批判した友人が居たのだが、だとするならば、世の中のすべての行為は偽善となるのだと思う。

(9)『ヒミズ』(2011)…トップ画像

茶沢景子=二階堂ふみ

最近作で、唯一のランクイン。
ひたすら主人公に愛を捧げるヒロイン、彼ら彼女らの生きる日常は過酷に過ぎるが、景子がそばに居てくれれば、どんな男子だって生きようと思う、、、はず。

(10)『ピアノ・レッスン』(93)

エイダ=ホリー・ハンター

海に沈んだままであれば、ミューズには相応しくなかった。
愛のために浮上するからこそ、観客の支持を得たのだろう。






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明日のコラムは・・・

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1 コメント

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Unknown (sigsig)
2012-05-05 17:59:02
闘う女…。なぜか志穗美悦子を連想してしまいました。笑
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