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Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(60)新藤兼人

2022-04-24 00:10:00 | コラム
~新藤兼人のキャリア10傑~

自分が映画術を教わったことのある著名な脚本家は3人、
荒井晴彦と野沢尚、そして新藤兼人。

トップ画像に触れるとアイドル的存在っぽいけどね笑、それはそれは、怖いひとだった。
直接的に怒られることはなかったものの、その雰囲気・佇まいがね。

映画監督としても有名だが、映画史的には脚本家として名を残すと思う。
このひとの長所は、とにかく速筆であったこと。

先週会議に出た企画が、翌週には完成シナリオとして脱稿されたこともあったとか??

いくらなんでも…速すぎるぜ!!


(1)『しとやかな獣』(62)

最近になって何度も観返している。
演技も演出も最高なんだが、脚本が「単なる読み物」としても完成されていて、読みながら、すげぇな、たまんねぇな!と感心ばかりしてしまうのだった。



(2)『けんかえれじい』(66)

この馬鹿々々しさは、脚本の段階から始まっていた!!



(3)『安城家の舞踏会』(47)

主演は原節子に森雅之。
チェーホフの『桜の園』を下敷きに、没落した華族をクールに描いた大作。

学校の授業で観たと思うんだけど・・・映画を目指している若い子で、いまこれ観ているひと少ない気がするなぁ、傑作なのに!!


(4)『事件』(78)

大岡昇平によるベストセラーを、 野村芳太郎が映画化。
野村監督は橋本忍と組んで清張やったり、新藤さんと組んだり、理想的な職人だよなぁ。


(5)『完全なる飼育』(99)

おじさんと女子高生。


実録風のサスペンスだったはずだが、この設定が(時代的に?)ウケてしまい、次々と続編が制作されることに。

ただこの1作目は監督が「あの」和田勉なので、独特な喜劇感があってこれは受け継いでほしかったかなぁ。。。


(6)『午後の遺言状』(95)

兼監督。
ただこの作品に関しては、新藤さんどうこうではなく、杉村春子と乙羽信子がすべて。だった気がします。


(7)『松川事件』(61)

未解決・冤罪事件とされる松川事件(49年に発生した列車往来妨害事件)を、社会派の雄・山本薩夫が演出。

裁判のやりとりも忠実に再現したようで、法廷劇の教科書としても鑑賞出来る。


(8)『軍旗はためく下に』(72)

深作欣二のパワーで押し切る反戦映画。

しかし新藤さんは、誰と組んでも相性いいんだな。



(9)『偽れる盛装』(51)

京マチ子の魅力爆発、
新藤さんが師匠・溝口健二にオマージュを捧げたことで知られる佳作。


(10)『美徳のよろめき』(57)

三島による姦通小説を月丘夢路と三國連太郎主演で映画化、
三島本人は「愚作」と酷評、配役は悪くなかったと思うんだけど苦笑


…………………………………………

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『キャベツ6トマト3たまねぎ1』
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Unknown (あさ)
2022-04-24 21:09:58
新藤監督、こわい方だったのですね。

生前、トークショーや、遺作の舞台挨拶で拝見させて頂きましたが、いつも優しそうな印象でしたので、意外です。
隣りにお孫さんや、大竹しのぶさんがいたからかもしれませんね笑

「しとやかな獣」 や「けんかえれじい」の脚本!あと「完全なる飼育」も!
知らなかったです。。。
脚本を担当された作品の作風がどれも違っていて、興味深いです。
新藤兼人さんは、脚本家としても素晴らしい才能の方だったのですね。
でもやっぱり「午後の遺言状」の安定感が。
またゆっくり観たくなりました。
返信する
あささん、 (まっき~)
2022-04-25 22:44:55
あくまでも、見た目が怖かったと(^^;)

速筆のひとなので、はっきりいってペケだった作品もあるんです。
今回の10選のなかでも『美徳のよろめき』なんて三島はもちろん、批評家でも褒めるひとのほうが少なかったと聞きますし。
ただ速筆って、それだけで大きな大きな特技で。
いくつもの現場を救うほどの速筆―これは、かっけー!ですもん、憧れます。
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