Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

プレッシャーは好きだ。

2017-10-18 00:10:00 | コラム
~10.15、『RIZIN』総評~

自分が専門とするMMA総合格闘技は、可能なかぎり「生」観戦したい―とはいえ、この日は福岡なので、その思いは叶えられず、都内の某スポーツバーでテレビ観戦することになった。

大晦日でもないのに、全16試合という、どうかしているボリューミーな興行。

結論からいってしまえば、「質より量」という考えかたを変えたほうがいいかな、、、ということ。

昔、PRIDEで全8試合という、平均より下回るカード数があったと思うが、1試合目から濃密で、福岡大会の3倍くらい満足出来た記憶が残っている。

とはいえ出だしは、悪くなかった。

MMAの興行だが、最初の3試合はキックボクシング。
(地上波では、すべてカットだったねもったいない)

知名度と実力に差があると思われたマッチメイクだったが、「負けるのでは」と予想したファイターたちがみんな健闘してくれて、ひじょうに見応えがあった。

しかし。
会場を温めてくれたキックボクサーたちの努力もむなしく、MMAに入った途端、ゆっくりと「お寒い」空気に。

なかなか有言実行とはいかないKINGレイナ、
デビュー戦だけは可能性を感じさせてくれたものの、最近ぜんぜん振るわない山本アーセンなどなど、主催者や放送局、観客の期待に応えられない試合がつづく。


このまま「大」失敗の興行として幕を閉じるのか・・・とイヤな予感だけしか抱けなかったこの日を、ぎりぎり及第点にまで引き上げたのは、地上波生中継された最後の2試合だった。

なぜ2試合だけ、しかもMMAファイターとしては大して実績もないふたり(厳密には4人)が? と疑問に思うところはあったが、この若者たちが繰り広げた熱戦に触れれば納得せざる得ない。


セミファイナル「那須川天心VS藤田大和」



後者はアマボクシングの王者なので、てっきり打ち合いが展開されると思っていた。
が、舞台はMMA。
藤田は(たぶん)敢えてボクシングスタイルを封印し、グラウンドに持ち込んだ。

作戦としては面白いが、舞台慣れしている天心のほうがハートが強かった。

ともあれスピードのある15分間の戦いは、ふだん格闘技を観ないひとにもアピール出来る面白さに溢れていたのではないか。


ファイナル「RENA VS アンディ・ウィン」

対戦相手の計量オーバー問題など、いろいろ論じなければいけないところも多いが、メインを任されるだけのことはある、RENAはやっぱり「持っている」。

鮮やかなボディで貫禄のTKO勝ち。
ボディで試合終了とか、MMAではあまり観られないからね。


若いからか。
そんなことではなく、アスリートとしての自信からなのか。

生中継というプレッシャーをはねのけるところ、いやむしろプレッシャーは好きだ。 といってしまいそうな強さに、おっさんもしびれた夜だった。

ありがとう、4人のファイターたち。





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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(31)市川由衣』
コメント (1)
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