Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

「・」の主張

2017-01-31 00:10:00 | コラム
きょうは、外国映画の日本語タイトルについての話。

といっても誤訳や、ピントのずれたセンス最悪のオリジナル邦題を突く、、、といった方向とは少しちがうので、気をつけて? くだされ。


このところ『沈黙』についての投稿ばかりしているが、この映画の正式な日本語タイトルは『沈黙 ―サイレンス―』という。

後半は「あっても、なくても、いい」、
べつに余計なものだとも思わないが、論ずる際は邪魔なので勝手に省いている。

「あっても、なくても、いい」、つまり「なくても困らない」から。


スコセッシの映画でいうと、『エイジ・オブ・イノセンス』(93)が同じケース。

副題に『汚れなき情事』とついており・・・でもさ、この後半部分に感じ入って「観たい!」と思うひとが居るのかな? と公開当時から思っていた。

だからやっぱり、本コラムで『エイジ・オブ・イノセンス』を論じる際は、後半部分を省いている。


外国映画の日本語タイトルにかぎっていえば、副題に感心したことがない。

なんとも思わないか、「余計なこと、しおって…」と思うばかり。

分かりづらいメインタイトルを、分かり易くするもの―という意味においては成功している副題もあるけれど、それが冠されることによって興行成績を上げた副題はないだろう。

日本独自のスタイルだろうから、こだわりを持って副題をつけている配給会社さんもあるだろうが、正直もうやめたら? とも思ったり。


それ以上に微妙なのは、「・」の表記である。

好みの問題になるが・・・

『ダイ・ハード』(88)の「・」がイヤだ。
『イージー・ライダー』(69)の「・」はダサく感じる。
『ニュー・シネマ・パラダイス』(88)の「ニュー」と「シネマ」のあいだのほうの「・」は余計なんじゃないか。

短い単語を区切っているようで、リズム感が失われている気がする。

『イージー・ライダー』なんて、自分からすれば『真夜中のカウボーイ』ではなく『真夜中のカーボーイ』(69)とやっちまった水野晴郎より罪深いと思うよ、疾走する映画なのに疾走していないんだもん、「・」が邪魔してスピード感が出ていないんだもん。





では、「・」が5つも入っている『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)はどうなのか? って話だが、これはいいんだよべつに。

リズムどうこうの前に、タイトルとして正しい感じがするから。

『ダイ・ハード』とは意味がちがう。
だってこっちは造語でしょ、インパクトが大事なのに「・」で、それが弱まっちゃう。

そういうことなんだ。


この主張の半分くらいは単なる好みの問題だが、自分の気持ちを分かってくれる映画ファンも多いのではないかな。


結論。

(1)もうやめませんか、意味をなさない副題

(2)「・」の多用に注意

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『43歳でも小僧を名乗るよ + 1月コラムの目次』
コメント (2)
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