Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(194)

2017-01-14 07:51:07 | コラム
りめい「く」→「く」らいまっくす

「敢えてそうしない」外しのテクニックもあるにはあるが、
ほとんどの映画、そうだなぁ、たぶん9割くらいの映画にはクライマックスが用意されている。

その描写が成功していれば、ほかの部分がペケでも「なんとなく」面白い映画と感じたりして。

映画にかぎらないよね、テレビドラマでも小説でも漫画でも、スポーツも、セックスだってそうだし。

climaxとはデジタル大辞泉によると・・・

「物事の緊張や精神の高揚が最高に盛り上がった状態。劇・文学作品などで、最も盛り上がったところ。最高潮」のこと。


物語は基本的に起承転結の構成になっていて、「転結」あたりにクライマックスを用意してあるのが理想だけれども、必ずしもそうとはいい切れない。

「こうでなければいけない」と決まっているわけではないので、中盤あたりに持ってくる「業師」だって居るのだった。


これから自分が選出する「まちがいなく盛り上がるクライマックス」映画の10傑を展開するが、映画ファンでなくとも知っている作品ばかりとなっている。

映画小僧らしく「ひとひねりも、ふたひねりもある」変わった作品を選出したかったが、
古典が古典であるゆえん、
ポピュラーな作品の強さというものを思い知り、
まだ観ていないアンちゃんネーちゃんも居るだろうから、敢えてこのままにしておこうかな、、、と。


(1)『七人の侍』(54…トップ画像)

クライマックス映画のチャンピオン。

わざわざ雨を降らせたところに勝因あり。

登場人物のほとんどが「なにをいっているのか分からない」が、そんなことはどうでもいい。

だからこそ、海外でもウケた。

(2)『用心棒』(61)

黒澤映画のワンツーフィニッシュ。

直前まで、主人公がボロボロであればあるほど、クライマックスは盛り上がる―というのがよく分かる。

「あんまりこっちに来るんじゃねぇ!」

このあと、三十郎はニヤリと笑うのだ。




(3)『ロッキー』(76)

アポロとの死闘。

何度でも立ち上がり、アポロさえウンザリしているところがいい。

(4)『マグノリア』(99)

カエルの雨が降ってくる。



『ロッキー』もそうだが、見せ場のあと、男と女が愛を確認し合うところも含めてのクライマックス。

(5)『独裁者』(40)

解説は不要か、映画史上で最も有名な演説。

このことをいいたいがために、サイレント映画へのこだわりを捨てたのだろう。




(6)『俺たちに明日はない』(67)

87発の銃弾、絶妙なスローモーション。

盛り上がりというより、戦慄といったほうが適切かもしれないが。

(7)『JFK』(91)

裁判シーンのすべて。

いいたいことをすべて詰め込んでいるオリバー・ストーンって、やっぱりすごい。

(8)『砂の器』(74)

演奏会と、回想シーンのモンタージュ。



(9)『ヒート』(95)

長過ぎる! と感じるぎりぎりまでつづける銃撃戦。

(10)『スパルタンX』(84)

三銃士の完成。

ひとりで勝てなくとも、ふたりで勝たなくとも、友情パワーで乗り切るぜ!


次回のしりとりは・・・
くらいまっく「す」→「す」けーる。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『階段』
コメント (2)
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