Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

黄金週間特別企画(7)りさいくる

2014-05-02 02:29:34 | コラム
映画監督の耳は、ダンボの耳―というのは、よくいわれること。

いや、それは嘘か。

ただ、井上ひさしが「いい映画監督は、たいてい耳がいい」といったように、音選びのセンスの良さと監督の手腕というのはイコールであることのほうが多い。

「この曲を使って、この出来か!」

という失望は滅多になく、

「この場面で、この曲を使うのか!!」

という感嘆は「けっこう」ある。


そんなわけで今宵は、既成曲を使用した映画を取り上げてみたい。

オリジナルのテーマ曲や主題歌ではなく、既成曲。
再循環―つまり、リサイクルということ。

リサイクル表現には、「その場面にぴったり!」という場合と「浮く可能性もあるが、敢えて」という場合があると思う。
そのどちらも好きだが、「より好き」となると、やはり野心がうかがえる後者か。


(身体の部位としては)それほど耳が好きなわけではないが、こういう映画に出会うと、あぁこの監督の耳はいいなぁ、自分のと交換してほしいなぁ!! などと思うのであった。


(1)ゴダールの映画『軽蔑』(63)、そのテーマ曲を使用…『カジノ』(95)

ゾックゾクするぜ。

さすがスコセッシ!!




(2)唱歌『蝶々』…『野良犬』(49)

復員兵同士の刑事と犯人が格闘する場面で流れる。

日常と、非日常の融合が素晴らしい。

(3)デヴィッド・ボウイ『キャット・ピープル』…『イングロリアス・バスターズ』(2009)

QTタランティーノは、21世紀を代表する「リサイクリスト」なのだ。




(4)ヨハン・シュトラウス『美しき青きドナウ』…『2001年宇宙の旅』(68)

ディスカバリー号の宇宙遊泳シーン。

この組み合わせだと、たとえ60分くらいの長さでも「ぜんぜん」耐えられる。

(5)エリック・サティ『グノシエンヌ第1番』…『その男、凶暴につき』(89、トップ画像)

たけし扮する刑事がゆっくり歩く冒頭で流れる。

これは「敢えて」のケースであり、音の効果もあったと思う、結局は作中で最も印象に残るシーンになっている。

(6)プロコル・ハルム『青い影』…『ニューヨーク・ストーリー ライフ・レッスン』(89)

前衛画家の創作シーン。

スコセッシの映画がふたつランクイン。
ほんとうのことをいえば、『グッドフェローズ』(90)の『レイラ』も入れたかった。

(7)ヨハネス・ブラームス『ハンガリー舞曲第5番』…『独裁者』(40)

ラジオから流れるクラシックにあわせ、理髪師が客にサービスをする。

チャップリンらしさに溢れ、爆笑必至。




(8)ジャーニー『ドント・ストップ・ビリーヴィン』…『モンスター』(2003)

スケートリンクのシーン。

ヒロインは「この曲、大好き」といい、そのままキスシーンへ。

(9)荒井由美『ルージュの伝言』…『魔女の宅急便』(89)

タイトルバック。
黒猫ジジがラジオのスイッチを押し、そこから流れていた。

エンディングの『やさしさに包まれたなら』も気持ちいいが、ワクワクさせてくれるのはこっち。

(10)ヴォーン・モンロー『レット・イット・スノー』…『ダイハード』(88)

エンディングロール。

『第九』の使いかたも素晴らしいが、激しいアクションの連続だったからホッとするし、「あ、そうか。クリスマスだったんだね」と、あらためて気づかせてくれる。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『黄金週間特別企画(8)りさいたる』

コメント (2)
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