Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

短さの「強み」

2014-03-29 00:30:00 | コラム
短いだと?

クソヤロー!!

早いだと?

ナニクソー!!

・・・と怒ってはみたものの、実際に短小で早漏なので罵倒語しか返せない。

いや、もう、そんなことで落ち込むとか悩むとかいう年齢ではなくなった。
けっこう早い時期に「短所を長所に」と思うようになり、実際、それで性交じゃない成功している。


そういう話じゃなくってさ。

映画というものは「止まる」ことをしない。
どんな表現だってそうかもしれないが、毎年毎年これでもかという数の新作が発表され、ごく一部を除いては30日間くらいで劇場公開を終えて数ヵ月後にはソフト化される。

正確な数字ではないが、1年間で「だいたい700~800本くらい」の映画が「なんらかの形で」公開されており、それを制覇するというのは労働しなくても喰っていける「金持ちの暇人」だけだろう。

さらにいえば、過去作にもあたっていかなければならない。

映画といわれるものすべてを観ることなんて、不可能。

で、この場合の映画とは、多くのひとにとって「長編映画」を指している。
意図的に短編映画を除いているわけではないが、なんとなく「なかったこと」にしている。

しかし21世紀になってもデジタル時代になっても、多くの新人監督のスタートは「昔と変わらず」短編映画だったりする。

映画小僧であればあるほど、無視するわけにはいかない特殊ジャンルなのであった。


そんなわけで今宵は、観ておいて損はない短編映画の10傑を展開してみよう。

※短編映画の自分ルール…60分以内の映画であること


(1)『カルネ』(94…トップ画像)

フランスの変人ギャスパー・ノエによる、悪夢のような父と娘の物語。

まだこのころまでは、「アヴァンギャルド」という表現が通用したんだよね。

(2)『アルファベット』(68)

デヴィッド・リンチは「若いころからヘンタイだった」ということを証明する歴史的傑作。

日本国旗が出てくるけど、なんで? などと考えてはいけないし、考えても答えなどない。

(3)『担え銃』(18)

チャップリン初期の短編からひとつ選べといわれたら、これ。
のちの傑作『独裁者』(40)の要素がちらほらと。

(4)『ライフ・レッスン』(89)

ニューヨークの三巨匠によるオムニバス『ニューヨーク・ストーリー』より、スコセッシが担当した第1話を。

映像と音楽の融合が超絶的で、物語を追わなくてもいいかな・・・とさえ思ってしまう。

(5)『ラプソディ・イン・ブルー』(2000)

『ファンタジア2000』で最もこころを打つのは、ガーシュインの名曲に物語をつけたこれだろう。

(6)『電柱小僧の冒険』(88)

高校時代から才気を爆発させていた塚本晋也による、『鉄男』(89)前夜の物語。

塚本は本作で「ぴあフィルムフェスティバル」グランプリを受賞、そのときから現在まで制作スタイルを変えていないというのもすごい。

(7)『パンダ・コパンダ』(72)

宮崎駿と高畑勲による、ファンタジーとリアルが「奇妙に融合」した物語。

トトロの原型ともいわれているが、自分はこっちのほうが好きだ。

(8)『パーソナルズ』(98)

元ミス日本でも知られる伊比恵子がメガホンを持った、ひじょうにかわいらしいドキュメンタリー。

伊比ちゃんは受賞当時は話題になったけれど、いまどうしている?

(9)『カウボーイ&フレンチマン』(88)

EU圏の鬼才たちがオムニバスに挑戦した『パリ・ストーリー』より、デヴィッド・リンチの「ジョークかマジか判然としない」第2話目を。

ただこれだけは分かる、リンチは楽しんで撮っているのだと。

(10)『On Your Mark』(95)

同じ年に公開されたジブリ・アニメ『耳をすませば』とセットで上映、
CHAGE&ASKAによる同名曲のプロモーション・フィルムとして制作されたが、その完成度の高さから長編化を要望する声も聞かれた。





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コメント (1)
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