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にっぽん男優列伝(222)田宮二郎

2014-03-25 01:05:24 | コラム
35年8月25日生まれ・78年12月28日死去、享年43歳。
大阪出身。

74年生まれの自分、物心ついたころにはすでに田宮二郎(たみや・じろう)さんは故人であって、
『クイズタイムショック』(テレビ朝日)は自分にとっては二代目の山口崇、
だから、いわゆる「映画界追放」や衝撃的な最期についてなどは、映画が好きになって以降に知りました。

足の指で散弾銃の引金を引き、胸を撃ち抜いて絶命。

『キル・ビル』シリーズ(2003~2004)で知られるデヴィッド・キャラダインは「自分のナニを縛って」死んでいたことから「自死か自慰中の事故か」と騒がれましたが、インパクトはそれ以上でしょう。

北野武は自作のなかで、
「あんまり死ぬの怖がっていると、死にたくなっちゃうんだよ」といっています。

ふだんから死に対する言及が多かったみたいですし、これにちかい感じなのかもしれません。


「映画界追放」に関しては、これは五社協定という特殊なルールゆえに起こったことといえます。
五社協定とは簡単にいえば、大手の映画会社「松竹・東宝・大映・新東宝・東映」による取り決めのこと。

(1)各社専属の監督、俳優の引き抜きを禁止する

(2)監督、俳優の貸し出しの特例も、この際廃止する

「貸し出し」というところに「俳優の地位の低さ」を感じ、俳優至上主義? となった現代からすれば不思議な感じもしますが、昔はスタジオが強かったし、社長が目立っていたんです。

田宮さんは宣伝ポスターにおける「クレジットの順番」に腹を立てて抗議、大映の永田社長と大喧嘩を繰り広げた結果、「追放処分」となってしまいます。
それが解けるまで、当時は(映画の)下に見られていたテレビ番組で活躍、そこで人気を博したのが『クイズタイムショック』だったというわけです。


※『白い巨塔』第一話。うーん、見入ってしまう。




<経歴>

幼少のころに両親が死去し、10代後半まで親族に育てられる。
学習院大学で経済を学ぶエリートで外交官を夢見ていましたが、ミスコンの男版でしょうか、「ミスターニッポンコンテスト」で優勝、これをきっかけにして大映に入社しました。(演技研究所10期生)

実質的な映画俳優デビュー作は、57年の『九時間の恐怖』。
59年の『私の選んだ人』で初主演を果たし、『殺されたスチュワーデス 白か黒か』(59)や『痴人の愛』(60)、『足にさわった女』(60)、『女の勲章』(61)で好演する。

人気が定着するのは、勝新太郎と共演した『悪名』シリーズ(61~68)あたりから。
(『悪名十八番』まで、計14作品に出演)

『黒の試走車』(62)、『女系家族』(63)。

64年―ガンマニア・鴨井大介を軽快に演じる『宿無し犬』が好評でシリーズ化、
『喧嘩犬』(64)、『ごろつき犬』(65)、『暴れ犬』(65)、『鉄砲犬』(65)、『続鉄砲犬』(66)、『野良犬』(66)、『早射ち犬』(67)、『勝負犬』(67)とつづきます。

テンポのいい演出に抜群の配役―天知茂や成田三樹夫など―、うん、自分にとっては田宮さんといえば、このシリーズですねぇ。

けれどもやはり、一般的には66年に発表された『白い巨塔』の財前五郎役がいちばんなのでしょう。
橋本忍による脚本も見事でしたが、映画は原作小説の途中までしか描かれていません。それで制作されたのが、78年からのテレビシリーズでした。

68年―『不信のとき』で、皮肉にも文字通り映画会社に不信感を抱き、、、というか抱かれ? 前述したように事実上の追放処分を受ける。

活動の場をテレビに移しながらも独立後には映画界に復帰、細々とではありますがフィルモグラフィを増やしていきました。

『日本暗殺秘録』(69)、『愛の化石』(70)、『花と龍』(73)、
藤枝梅安を演じた『必殺仕掛人』(73)や佐々木小次郎を演じた『宮本武蔵』(73)、
『華麗なる一族』(74)、『動脈列島』(75)、『撃たれる前に撃て!』(76)。

70年代に入って以降は、死へのカウントダウンといったらいいのでしょうか、
自身の手で映画を創るも興行的に失敗、「日本のハワード・ヒューズ」を目指してビジネスにも手を出しますがこれも失敗、返せる見込みのない借金を抱え精神的にも不安定となりました。

そして・・・・・。

映画の遺作は、76年の『不毛地帯』。

43歳はいかにも若過ぎる、もっと沢山の映画を残してほしかったですよねぇ。

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