Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

思えば遠くへきたもんだ

2014-03-15 00:30:00 | コラム
長距離のチャリ移動をつづけていると、よく「パンクの場合は、どうするの?」と聞かれる。

携帯の修理グッズをバッグに詰めている場合もあるし、そうでない場合―つまり油断しているとき―もある。

今回は、後者のお話。

目的地に向かっている途中だとしたら、当然焦る。
大抵は最寄りの駅へと急ぎ、電車で向かうことになる。
あるいは日中であれば、スマホでちかくの「信用の出来る」(そう、信用の出来ない店だってあるのだ。自分が直したほうが間違いないっていう)自転車屋を探し、直してもらうと。

目的を終えたあとの帰り―自宅へ帰還する途中であれば、それほど焦らない。

ただ自分は夜行性であり、自宅へ帰還するのはほとんどが深夜。
電車も走っていないし、営業中の自転車屋さんもない。

もう、歩くしかないのである。

怪我自慢の趣味はあるが、苦労自慢の趣味はない。
だから、ただ馬鹿だなぁと思ってもらえればいい。

最長でいうと、竹橋(千代田区一ツ橋)から町田まで、自転車を押して歩いた。
9時間を要したと記憶するが、自分でも馬鹿だなぁと思うのが、バイトを終えたあとにパンクに気づき、バイト先だった竹橋から徒歩で帰還、9時間かけて家に到着しチャリを直し、風呂入って飯を喰ったら、もうバイトに向かう時間になっていたことである。

1日、なにをしているのかって。

一度や二度でなく、そういうことを何度も経験している。

パンクとはかぎらないけれどね、ブレーキワイヤーが切れたり、リムが歪んだり。

故障の瞬間は、やはりショックを受ける。

「マジかよ、、、」と。

ときどき「そんなの、かまわない」という感じでガタンゴトン、ワチャワチャ、ギィギィいって強引に乗っちゃっているひと(女子に多い)を見かけるが、あれはダメだからね。
早いとこその場を切り抜けたいという気持ちは分からないでもないが、その状態で乗りつづけることによって、軽い怪我が大怪我になっちまう。

チャリが可哀想じゃないか。

だから歩こう、歩こうよ。

歩いて10分くらいは、自分だって「くそー、遠いな」と、この道のりの長さに嫌気が差す。

でもね30分くらい経過すると、きょうの「このあとのこと」なんか、どうでもよくなってくる。

早歩きしたって、それほど時間は縮まらない。
だったら「ひとり遠足」として、楽しめばいいじゃないかって。

先日もそんなトラブルがあったのだが、渋々と歩き始めると、早朝からなんの業者か分からぬが、スピーカーから『おもいでのアルバム』を流す車がゆっくり通った。

♪ あんなこと、こんなこと、あったでしょう ♪ の、あの歌だ。




一緒に口ずさんでいたら、気分はもう「ひとり遠足」である、幼少期に戻ったかのように、なにもかもが楽しくなったのだった。

これですよ、これ。


キチガイではなく気違いが隣人を刺したり。
世間を欺いたニセモノを袋叩きにするメディアそのものがニセモノっぽかったり。

・・・いいや、べつにそんな大きなことを論じなくとも、
チャリダーはふだん、車道では邪魔者扱いされ、歩道でも邪魔者扱いされたりして。
同情すべき点だってあるはずだ、、、と思いつつ、商店街を暴走しながらベルを連打するバアサン見たりすると、あぁ嫌われて当然かもな、喫煙者と一緒だ、、、なんて思い直したり。

なんかいろいろ殺伐としているんだわさ、ヘラヘラ顔の自分から見ても。

だからときどき、天罰みたいな感じでチャリが故障したりして。

健常者が怪我をしてハッとする、あの感覚に似ているかもしれない。

そのことを、ひたすら歩くことによって気づかされる。

少しオーバーかもしれないが、そういう瞬間が訪れるのが「チャリ故障からの、ひとり遠足」なのである。


・・・・・。

ん?

単なるヤケクソじゃねぇか! だって?

・・・まぁ、そうともいう。

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コメント (1)
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