マックンのメモ日記

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中国ハイテク業界、2016年の展望!

2015-12-31 12:06:43 | ネット、ビジネス、IT
数カ月前、中国のハイテク業界では「冬の到来」を警告する声が大きかった。だが今となっては「暖冬だ」と一安心している人もいるようです。

 中国経済が苦境に陥り、2015年前半のバブルは後退しました。だが大企業にとっても中小企業にとっても、億単位の人々がスマートフォン(スマホ)でさまざまな製品やサービスを注文したり、互いにコミュニケーションを取ったりするよう仕向ける事業機会は豊富にあります。投資家は依然として有望なビジネスへの投資に前向きですが、ただ資金を提供する上での条件を厳しくしています。

 来年は何が待ち受けているのだろうか。おそらく頭を冷やす過程が続きそうです。投資と成長パターンが落ち着き、投資家からの惜しみない資金提供に頼れなくなった企業は消滅していくだろう。

 いずれにしても、高水準の合併・買収(M&A)取引が来年も続くとは考えづらく、ディールロジックによると、M&Aが1420件、取引総額が1329億ドル(約16兆円)という今年の実績は、昨年の3倍近くです。しかし、その多くは、競合との争いに現金を使い込んできた消費財業界の再編が必要になったためで、利益を見込んでのM&Aとは言えません。

 この種のM&Aは、16年に増える見通しです。中国でタクシーや出前、食材宅配の割引券を手にする機会は減るでしょう。

 新興企業を対象にしたベンチャーキャピタルは、将来有望なアイデアへ投資する意欲がまだ十分あると言います。しかし発展段階がもう少し進んだ企業は、こうした出資に頼らずに収益を上げるビジネスモデルを確立できなければ、資金を得るのが難しくなるかもしれません。新興企業のほとんどが利用者の増加に力を入れてきたものの、より重要なのは売上高の拡大だったりします。

 資金源も黒字経営の方法も見いだせなければ、事業をたたむしかありません。14年や15年前半に資金調達した企業の多くがこの運命をたどるでしょう。一部の投資家は、熱狂がやや冷めた状態のほうが望ましいと考えています。企業のバリュエーションがより妥当な水準になり、真剣な起業家とだけ向き合えばよいからです。

 来年の中国インターネット業界は、分裂が進行する公算が大きい。阿里巴巴集団(アリババグループ)、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、百度(バイドゥ)が買収や投資を通じて、さまざまな業種や技術を持つ企業を勝ち組と負け組に選別していくことになりそうです。

 この3強は今年、互いにしのぎを削ってきた企業同士によるM&Aのいくつかで決定的な役割を果たしてきました。例としては、配車アプリケーション開発の滴滴と快的、ネット旅行予約サイト運営の携程旅行網(シートリップ)と去ナ児網(Qunar.com)、オンデマンドサービス提供の美団と大衆点評、地域情報コミュニティーサイト運営の58同城(58.com)とカン集網(Ganji.com)のケースが挙げられます。

 テンセントが戦略的投資先とする京東商城(JD.com)と並び、これらの企業は中堅勢力と考えられるようになっています。今後は3強に肩を並べて生き残り、成長していくプレッシャーを感じるようになるでしょう。

 消費者を相手にする企業より成長の足取りが鈍いものの、企業向けソフトウエアやサービスを提供する新興企業にはより多くの投資が集まっている。企業の方が支出への意欲が強く、消費者より標的にしやすい。来年もこの傾向は続くが、景気が振るわない中でこの分野が過熱することへ懸念を抱える投資家も存在します。

 いま最も注目を集める投資分野は、別のハードウエアやオンライン配信用に作り替えられる可能性を持つ娯楽コンテンツの権利を所有する企業です。中国で有料コンテンツ需要が高まる中、投資家は小説、映画、テレビ番組、オンラインゲームの権利に多額を支払っています。

 スマホメーカーはさらに厳しい1年に直面しそうです。市場が飽和し、競合もひしめき合っています。調査会社IDCによると、世界のスマホ市場の成長率が今年は初めて1桁台にとどまる見込みで、成長の鈍化は2019年まで続くと予想されています。中国の華為技術(ファーウェイ)は高価格帯のスマホの販売を前年に比べて増やし、今年の勝ち組に踊り出ました。一方で、かつてもてはやされた小米科技(シャオミ)は今年8000万台の販売目標に重きを置かず、顧客の満足度を重要視する方針に転換しました。

 ある小規模なスマホメーカーのトップは最近、市場は2、3年前まで機会にあふれた青い海のようでしたが、今年は厳しい競争でその色が一変し、苦渋に満ちていると話しました。16年は状況がさらに悪化するかもしれません。

 3強でさえ、支配的地位から転落するきっかけが訪れないか、常に憂慮せざるを得ないでしょう。6億5000万人のアクティブユーザーを擁するテンセントのチャットアプリケーション「微信(ウィーチャット)」は独自のエコシステムを形成しました。利用者はタクシーの予約、買い物、決済、音声通話、テレビ電話、テキスト送受信を微信だけで完了できるのです。しかし、テンセントの馬化騰(ポニー・マー)最高経営責任者(CEO)は先週「微信を揺るがすものは何か」という疑問が頭にあると述べました。

 彼はまだ答えを見つけていません。まだ誰にも分からないのです。これは来年われわれの頭をひねらせる多くの疑問の一つになるでしょう。(ソースWSJ)

中国ハイテク業界、2016年の展望!

2015-12-30 15:39:06 | ネット、ビジネス、IT
数カ月前、中国のハイテク業界では「冬の到来」を警告する声が大きかった。だが今となっては「暖冬だ」と一安心している人もいるようです。

 中国経済が苦境に陥り、2015年前半のバブルは後退しました。だが大企業にとっても中小企業にとっても、億単位の人々がスマートフォン(スマホ)でさまざまな製品やサービスを注文したり、互いにコミュニケーションを取ったりするよう仕向ける事業機会は豊富にあります。投資家は依然として有望なビジネスへの投資に前向きですが、ただ資金を提供する上での条件を厳しくしています。

 来年は何が待ち受けているのだろうか。おそらく頭を冷やす過程が続きそうです。投資と成長パターンが落ち着き、投資家からの惜しみない資金提供に頼れなくなった企業は消滅していくだろう。

 いずれにしても、高水準の合併・買収(M&A)取引が来年も続くとは考えづらく、ディールロジックによると、M&Aが1420件、取引総額が1329億ドル(約16兆円)という今年の実績は、昨年の3倍近くです。しかし、その多くは、競合との争いに現金を使い込んできた消費財業界の再編が必要になったためで、利益を見込んでのM&Aとは言えません。

 この種のM&Aは、16年に増える見通しです。中国でタクシーや出前、食材宅配の割引券を手にする機会は減るでしょう。

 新興企業を対象にしたベンチャーキャピタルは、将来有望なアイデアへ投資する意欲がまだ十分あると言います。しかし発展段階がもう少し進んだ企業は、こうした出資に頼らずに収益を上げるビジネスモデルを確立できなければ、資金を得るのが難しくなるかもしれません。新興企業のほとんどが利用者の増加に力を入れてきたものの、より重要なのは売上高の拡大だったりします。

 資金源も黒字経営の方法も見いだせなければ、事業をたたむしかありません。14年や15年前半に資金調達した企業の多くがこの運命をたどるでしょう。一部の投資家は、熱狂がやや冷めた状態のほうが望ましいと考えています。企業のバリュエーションがより妥当な水準になり、真剣な起業家とだけ向き合えばよいからです。

 来年の中国インターネット業界は、分裂が進行する公算が大きい。阿里巴巴集団(アリババグループ)、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、百度(バイドゥ)が買収や投資を通じて、さまざまな業種や技術を持つ企業を勝ち組と負け組に選別していくことになりそうです。

 この3強は今年、互いにしのぎを削ってきた企業同士によるM&Aのいくつかで決定的な役割を果たしてきました。例としては、配車アプリケーション開発の滴滴と快的、ネット旅行予約サイト運営の携程旅行網(シートリップ)と去ナ児網(Qunar.com)、オンデマンドサービス提供の美団と大衆点評、地域情報コミュニティーサイト運営の58同城(58.com)とカン集網(Ganji.com)のケースが挙げられます。

 テンセントが戦略的投資先とする京東商城(JD.com)と並び、これらの企業は中堅勢力と考えられるようになっています。今後は3強に肩を並べて生き残り、成長していくプレッシャーを感じるようになるでしょう。

 消費者を相手にする企業より成長の足取りが鈍いものの、企業向けソフトウエアやサービスを提供する新興企業にはより多くの投資が集まっている。企業の方が支出への意欲が強く、消費者より標的にしやすい。来年もこの傾向は続くが、景気が振るわない中でこの分野が過熱することへ懸念を抱える投資家も存在します。

 いま最も注目を集める投資分野は、別のハードウエアやオンライン配信用に作り替えられる可能性を持つ娯楽コンテンツの権利を所有する企業です。中国で有料コンテンツ需要が高まる中、投資家は小説、映画、テレビ番組、オンラインゲームの権利に多額を支払っています。

 スマホメーカーはさらに厳しい1年に直面しそうです。市場が飽和し、競合もひしめき合っています。調査会社IDCによると、世界のスマホ市場の成長率が今年は初めて1桁台にとどまる見込みで、成長の鈍化は2019年まで続くと予想されています。中国の華為技術(ファーウェイ)は高価格帯のスマホの販売を前年に比べて増やし、今年の勝ち組に踊り出ました。一方で、かつてもてはやされた小米科技(シャオミ)は今年8000万台の販売目標に重きを置かず、顧客の満足度を重要視する方針に転換しました。

 ある小規模なスマホメーカーのトップは最近、市場は2、3年前まで機会にあふれた青い海のようでしたが、今年は厳しい競争でその色が一変し、苦渋に満ちていると話しました。16年は状況がさらに悪化するかもしれません。

 3強でさえ、支配的地位から転落するきっかけが訪れないか、常に憂慮せざるを得ないでしょう。6億5000万人のアクティブユーザーを擁するテンセントのチャットアプリケーション「微信(ウィーチャット)」は独自のエコシステムを形成しました。利用者はタクシーの予約、買い物、決済、音声通話、テレビ電話、テキスト送受信を微信だけで完了できるのです。しかし、テンセントの馬化騰(ポニー・マー)最高経営責任者(CEO)は先週「微信を揺るがすものは何か」という疑問が頭にあると述べました。

 彼はまだ答えを見つけていません。まだ誰にも分からないのです。これは来年われわれの頭をひねらせる多くの疑問の一つになるでしょう。(ソースWSJ)

米新興ハイテク企業4社、来年早々IPO!

2015-12-29 11:40:25 | ネット、ビジネス、IT
企業価値が10億ドル(約1200億円)超と評価されている米国の新興ハイテク企業4社が来年早々にも新規株式公開(IPO)を行うため準備を進めている。今年はひどく低調だったIPOが来年は反転する兆しとみられます。

 当局への届け出や事情筋によると、仮想化ソフトのニュータニックス(Nutanix Inc.)、業務用ソフトのオクタ(Okta Inc.)、クラウド電話ソフトのトゥイリオ(Twilio Inc. )、クラウドの費用最適化ソフトのクーパ・ソフトウエア(Coupa Software Inc.)の4社が早期のIPOを予定していて、各社とも過去1年半の間に投資家から企業価値が10億ドル以上と評価されました。

 市場環境がこれらのIPO計画を変更に追い込む可能性はあります。しかし、予定通り実行されれば、その結果は投資家が新興企業のIPOにプレミア価格を支払う意欲があるかどうかの試金石となります。昨年はハイテク企業のIPOが非常に活発だったのですが、今年はずっと低調で、既に公開している同業他社の株価や事前の評価より大幅に低い値付けとなる企業が多かったのです。

 調査会社ディールロジックによると、今年株式公開したハイテク企業は95億ドルを調達しましたが、昨年のIPOでの調達額は408億ドルに上っていました。IPO自体の数も昨年の62社から29社へと半分以下になりました。

 ただ、年末にきて市場に活気が出てきています。ソフト開発業者のためのツールを手掛けるアトラシアンは9日のIPOで、ハイテク企業としては9月以来初めて仮条件のレンジを上回るIPO価格となり、取引初日の価格も上昇しました。現在はIPO価格の21ドルを30%超高い水準で取引されています。

 クレディ・スイスの株式運用の世界総責任者、アンソニー・コントレオン氏は「最近のIPOの結果は投資家やハイテク企業経営者にハイテク企業投資の市場は活発だとの自信を与えた」と述べました。

 来年早々に予想されるハイテク企業IPOは、企業価値が10億ドル以上との評価を得ている130社以上の新興企業から注目されることになります。ダウ・ジョーンズ・ベンチャーソースによると、これらの企業価値の総額は民間試算で少なくとも4800億ドルに上ります。

 銀行関係者や投資家は来年のIPO市場には民間の資金調達動向が大きく影響し、また、逆にIPO市場がその資金調達動向にも影響することになりそうだと語っています。

 今年は、事前評価が良かった新興企業のIPOが期待外れに終わり、他の新興企業の足を引っ張りました。モバイル決済サービス新興企業スクエアと クラウドストレージサービスのボックスはIPO価格が事前の評価額を下回わりました。手芸品などのオンライン市場を運営するエッツィはIPO価格が事前評価額を上回わりましたが、上場後はその評価額を下回っています。

もし私募による資金調達が厳しいままなら、成長資金が必要な新興企業にとってはIPO以外の選択肢はほぼないことになります。

CBインサイツのアナンド・サンワル最高経営責任者(CEO)は今月の調査リポートに、一部の会社は来年、IPOに「引きずり込まれる」ことになりそうだと指摘、「これはかつてなかったことだ」と記しています。(ソースWSJ)

慢性的な深酒、知らぬ間に脳に打撃!

2015-12-28 16:54:32 | 宇宙・サイエンス・科学技術
クリスマスなどホリデーシーズンの酔いを覚ますような話をしましょう。慢性的な深酒は知らぬ間に脳にダメージを与えている可能性があります。酔っぱらっていない人や、明らかに中毒になっていない人であっても、そうなり得るということです。

 アルコールに関連する脳のダメージは、不十分にしか診断されず、アルツハイマー病あるいはその他の認知症と混同されがちです。このほか、単に加齢のせいだとされる場合もある、と専門家は指摘します。

 現在では、脳の画像診断によって、長期にわたるアルコールの乱用が脳の構造を変化させ得ることが明らかになりつつあります。脳の中で学習、記憶、意思決定や社会的行動をつかさどる領域にある灰白質(中枢神経系の神経組織のうち、神経細胞の細胞体が存在している部位)の神経細胞を萎縮させると同時に、脳のある部分とある部分とをつなぐ白質(神経細胞体がなく、有髄神経線維ばかりの部位)の神経線維にダメージを与えているのです。

 アルコールの影響について長年研究しているスタンフォード大学のエディス・サリバン教授(精神・行動科学)は、「われわれの灰白質はみな、歳を重ねるにつれて少し減り、白質の統合性も少し失われます。しかし、アルコールを沢山飲む人の場合、これらの領域がより速いペースで衰えるのです。それは、まるで老化が加速したかのように見える」と話します。

 長期的なアルコールの乱用は、感情や不安を調節している脳の機能を変化させ、睡眠システムを破壊し、人体に幅広い影響をもたらします。「アルコール誘発性の神経認知障害」および「アルコール関連の認知症」と臨床医が診断するケースはますます増えています。

 では、どのくらいが飲み過ぎで、どのくらい長い間続くと問題なのでしょうか。研究者たちはその質問に答えたがりません。なぜなら、アルコールの影響は個人差が大きいほか、遺伝、年齢、性別、消費のパターン、そして全体的な健康状態にもよるからです。米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)によると、深刻な健康問題が起こる確率が低いとされる飲酒量は、男性ならば1週間に14ドリンク、1日では4ドリンク(訳注=ドリンクは基準飲酒量。米国では1ドリンクは14グラムのアルコールでビール小瓶1本の量に相当する)を超えない場合、女性ならば1週間で7ドリンク、1日では3ドリンクを超えない場合です。ただし、これよりもっと少ない量で深刻な影響を受ける人もいます。

 一方、一部の研究では、適度に酒を飲む人々(一般的に女性なら1日1ドリンク、男性なら1日2ドリンクと定義される)の場合、心血管疾患、うつ、一部の認知的な問題を起こすリスクが、全く酒を飲まない人より低いことが示されている。ただし、そのリスクはアルコールの摂取量が増えると急激に上がります。認知症の専門家で、英エクセター大学医学部の上級講師(公衆衛生)を務めるイアン・ラング氏は、「低量のアルコールは脳への血液の流れを改善するのかもしれない。しかし、それと脳内の白質の減少とは表裏一体です。どこかに、有害な影響が恩恵を上回る『転換点』が存在するのかもしれない」と話しています。

 また、はっきりしないのは、重要な脳内接続がまだ形成中である10代ないし20代の深酒が、その後の生活における脳機能に持続的な影響をもたらすか否かです。

 一部の研究者たちは、戦後生まれのベビーブーマーが歳を取るにつれ、認知的な問題が急増する事態に備えています。ゲーリー・ケネディ博士は「悲しいことに、ベビーブーマーは1960年代に大量にアルコールにさらされていた人々がいて、彼らのアルコールに関連した死亡リスクや疾病リスクが、それ以前の世代よりかなり高くなっていると思う」と述べています。(ソースWSJ)

ハッピーホリデイとなり死に絶えたクリスマス、様変わりのNY繁華街!

2015-12-27 11:22:48 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
12月の「ホリデーシーズン」に差し掛かかったころ、テネシー大学のダイバーシティー推進オフィスは、「ホリデーパーティーがクリスマスパーティーに見えないようにする」ための指針を公表しました。

 「これでは偽物のクリスマスパーティーを開かなくてはならなくなる」。仰天したテネシー州議会がこの指針を撤回させましたが、最後に笑ったのはクリスマスを抹殺しようとする人々だったようだ。実際、反クリスマス派が勝利を収めています。今年、米国では国民のイベントとしてのクリスマスが死に絶えてしまいました。

 米国民にとって歴史的にクリスマスの中心地となってきたニューヨークの5番街を歩いてみると、それを実感できます。

 米国民は何世代にもわたって12月になれば一家でニューヨークを訪れ、クリスマスのお祝いムードに浸ってきました。商店やレストラン、ブラウンストーンの建物、パークアベニューの常緑樹、そして何と言っても5番街のショーウインドーはクリスマスであふれていました。そこはクリスマスから逃れられない場所で、第一、逃げたいなどと思う人は誰もいなかったのです。

 たとえ自分以外のどの神も信じていないとしても、12月のニューヨークと言えばクリスマス一色に染まり、街は華やいでいた。

 多くの人にとって、12月にはサックス・フィフス・アベニューやロード・アンド・テイラー、バーグドーフ・グッドマンといった百貨店めぐりをするのが当たり前の行動だったのです。天気が良かろうが悪かろうが、人々は38丁目から59丁目にかけてぶらぶら歩き、華やかなクリスマスの飾りにあふれたショーウインドーを見ようと歩道を埋め尽くしたそうです。

 ところが、今年は家にいたほうがましだったそうです。今年の12月の5番街と言えば、クリスマスらしさはほとんどかけらも見られないし、それどころかもっと悪くなっているといいます。

 確かにロックフェラー・センターの見事なクリスマスツリーは今年も健在で、ロックフェラー・センターから5番街を渡った向かい側にあるセントパトリック大聖堂では正面が洗い清められ、大きな緑のリースが飾られています。しかし、今週、5番街を歩くと、目にするものはクリスマスらしくないばかりか、反クリスマスとしか言いようがないほどです。

 5番街では今年、伝統のサンタクロースさえ見当たりません。サンタの小人たちもいません。今までのクリスマスは死に絶えてしまったかのようです。

 サックス・フィフス・アベニューのショーウインドーの光景は何とも表現しがたいそうで、サックスはこれを「ザ・ウィンター・パレス」(冬の宮殿)と呼んでいるのですが。

 バーグドーフ・グッドマンのいわゆる「ホリデー向け」ウインドーの飾りは、「ザ・フロスティー・タージ・マハル」(霜の降りたタージ・マハル)になっており、手相占い師とローマ神話に登場する神キング・ネプチューンが愛人と座っています。

 まさか、ロード・アンド・テイラーの象徴的なクリスマスディスプレーのショーウインドーに聖ニコラウスが飾られていないことはなかろうと思ったそうですが、何と見当たらなかったのです。その代わり、小グマやカップケーキ、ジンジャーブレッドマン、カナダガンが並んでいました。

 クリスマスに背を向けていないところが1カ所だけありました。メーシーズのショーウインドーの一角には、テレビアニメ「ア・チャーリー・ブラウン・クリスマス」のキャラクターたちがクリスマスらしくはしゃいでいました。

 クリスマスが失われた時代には、生まれたばかりのキリストとサンタクロースは初期キリスト教徒の地下墓地「カタコンベ」に戻ることになるのです。そこでは誰に対しても(「メリークリスマス」の代わりに)「ハッピーホリデーズ」と言わずに済むからです。われわれの知っているクリスマスは死に絶え、12月25日は感謝祭の小型版のようになることでしょう。

 米国でクリスマスを祝うことが、旧ソ連のように告訴に値する犯罪にならない限り、キリスト教徒の家族はクリスマスの朝、教会に行き、自分たちの信仰の始まりを再確認し、一日中家でクリスマスソングを聴きながら過ごすことでしょう。(ソースWSJ)