マックンのメモ日記

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アップル株、決算への低い期待がプラスに!

2016-04-30 10:14:53 | ネット、ビジネス、IT
アップルは26日に1-3月期(第2四半期)決算を発表する予定ですが、いくつかの点でこれまでとは違ったものになるでしょう。売上高とiPhone(アイフォーン)の販売台数はいずれも前年同期比で減少する見通しです。

 アップルは過去13年間、四半期売上高が前年同期を下回ったことはありません。アイフォーンの販売台数も2007年の発売以来、前年同期比割れとなったことはありません。

 しかし、この前年同期比割れの予想は驚くにあたりません。

 アップル自身、1月の10-12月期(第1四半期)決算発表時に1-3月期売上高が減少するとの見通しを示していました。さらに、最近はアップルのさらなる減産計画について相反する報道が飛び交うなか、同社決算への期待値はこれ以上ないほど低下しており、決算がそれを上回らないことは難しい状況です。アナリストの予想では1-3月期のアイフォーン販売台数は5000万台と前年同期比で18%減少する見通し。また、売上高は同10%減の521億ドル、1株利益は同14%減の2ドルになる見通しだです。

このさえない数字の原因は何か。アップルは自らの成功の犠牲者だといえます。iPhone 6は昨年、記録的な売上高を上げたので、後継機がその伸びを維持するのはほぼ不可能とみられています。今年iPhone 6sを購入する人は昨年より減るだろう。今年新たに発売されたiPhone SEは4-6月期決算の数字には貢献するかもしれないが、それだけではアップルを不振から脱却させることはできません。アナリストの予想では4-6月期のアイフォーンの販売台数も前年同期比で7%減少する見通しです。

 問題は次の製品だ。

 われわれはiPhone 7(または別の名前のアップルの次世代製品)の流出写真さえまだ目にしていません。次世代製品はアップルを成長路線に戻せるだけの優れた製品でなければなりません。アナリストは新製品がけん引役となり、17年度通期のアイフォーン販売台数は6%増加するとの見通しをすでに立てています。

 現在、投資家にとっての気がかりは、まだ見ぬアイフォーンの新製品です。アップルの株価はアイフォーン減速への警戒感が表面化し始めた約1年前にピークを付けています。以来、同社の時価総額は約1800億ドル(約20兆円)減少しました。その結果、アップルのネットキャッシュを除く予想利益ベースの株価収益率(PER)は約8.5倍と低くなっています。アイフォーンの不振は今、株価に過剰に織り込まれています。(ソースWSJ)

「大きすぎてつぶせない」、預金者は意に介さず!

2016-04-29 05:59:43 | 経済・金融・投資
「大きすぎてつぶせない銀行」が好きではないという人はたくさんいます。しかし、こうした銀行へ預金することに今なお満足している人も多い。利息などないに等しいにもかかわらずです。

 1-3月期は大手米銀にとって波乱含みでしたが、預金の流入は続いました。これは本来なら失望に陥っていたかもしれない1-3月期に浮上した、いくつかの明るい材料の一つでした。

 米連邦準備制度理事会(FRB)の統計によると、大手銀4行(JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ)の預金残高は1-3月期末時点で総額4兆2000億ドルでした。前期比2.1%の増加で、米銀全体の預金の伸びを上回りました。

 確かに、大手銀の預金は前年同期に比べるとやや減少しました。だが、これはJPモルガンが昨年、バランスシートを縮小して保有すべき余剰資本を減らすため、いわゆる非オペレーショナル預金(日々の現金管理に関係しない遊休の法人預金)を削減したことを反映している公算が大きいのです。

 銀行にとってこれは朗報と言えます。近年は大手銀への預金流入が負担となっていました。融資需要が弱く、預金の全てを活用できなかったためです。これが証券保有の拡大につながりました。

 しかし、1-3月期はバンカメとシティ、ウェルズ・ファーゴの総融資額が5.8%増加しました。つまり、各行は預金をさらに運用へ回すことができます。実際、総融資額が前年同期比11%増加したJPモルガンでは、1-3月期の預貸率が前年同期の56%から64%へ大きく上昇しました。

これが強みとなる理由は次の通りです。バンカメが約7070億ドルの有利子預金に支払った利回りは1-3月期の平均が0.08%にとどまりました。一方、約8930億ドルの融資や貸し出しで手にした利回りは平均3.74%でした。これは約4000億ドルの有価証券で得た利益(市場関連の調整を除く)の2.45%を上回ります。従って、融資が伸びれば各行は少なくとも正味の利ざやを維持できるのです。

 当然ながら、1-3月期は市場の混乱や取引活動の減少、長期利回りの低下といった他の大きな悪材料を打ち消す上で、これだけでは不十分でした。しかし、預金が増えていなければ状況はさらにひどかったかもしれません。少なくとも、大手銀の預金者は「大きすぎてつぶせない」ことに腹を立ててはいないようです。(ソースWSJ)

プリンスさん死去、楽曲の行方は?!

2016-04-28 22:40:42 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
米人気歌手プリンスさんの急死を受けて、彼が残した多数の未発表曲をめぐりさまざまな臆測が飛び交っています。未発表曲はどのくらいあるのか、公にされるとしたらいつになるのか、誰が決定権を持つのか――。

 一方で、発表済みの曲の行方も同様に不透明です。曲の大半はスポティファイやアップル・ミュージックといった人気音楽配信サービスで聴くことができない。

 プリンスさんは21日にレコーディング・スタジオ兼自宅で意識のない状態で見つかり、その後死亡が確認された。彼には配偶者や子どもなど明確な相続人がいない。このため、一緒に仕事をしてきた人々は、誰が彼に関する今後のビジネスなどを管理するのか見守っています。その管理者が、楽曲のデジタル権などをめぐりプリンスさんが取ってきた強硬なスタンスを和らげるのかも注目されています。

 プリンスさんと仕事をしてきた人々によると、彼は生前、さまざまな弁護士やその他のアドバイザー・グループに依頼し、ビジネスに自らの希望を反映させていました。そうしたグループのメンバーは頻繁に入れ替わっっており、本人が亡くなったことで、今後の見通しが一層不透明になっています。

 プリンスさんの広報担当者にコメントを要請したが、返答はなかった。

事情に詳しい関係者らによると、彼が長年所属していたレコード会社のワーナー・ブラザーズ・レコードが「パープル・レイン」などの大ヒットアルバムを流通させる権利を持つものの、プリンスさんは自らの音楽に関して異例なほど大きな権限を保持していました。その権限はおおむねパブリッシング(出版)権を通じたものだったといいます。

 ミュージックパブリッシャー(音楽出版社)は、楽曲の歌詞とメロディーの権限を持ち、例えば、それを楽譜にすることなどができます。楽曲を商業利用する際には、たいていの場合、音楽出版社と録音の権利を持つレコード会社から別々に許可を取る必要があります。プリンスさんは自らがパブリッシャー(出版者)という異例の立場にあったため、配信サービスなど音楽の流通を希望する会社に対して強硬な姿勢で臨むことで知られていました。

 昨年7月、スポティファイなどの多くのデジタル音楽サービスからプリンスさんの楽曲が消えました。スポティファイは、突如消えたプリンスさんのページに次のようなメッセージを載せた。「プリンスのパブリッシャーから全てのストリーミングサービスに対し、彼のカタログを削除してほしいとの要請があった。当社はその要請に応じたが、彼の音楽をできるだけ早期に復活できるよう願っている」。

 事情に詳しいある人物によると、プリンスさんはスポティファイのほかアップル・ミュージックともライセンス契約を結ぼうとしたが、できなかったといいます。

 プリンスさんは2013年には、彼のカタログの利用に関してデジタル音楽サービスとの交渉に入っていました。ある大手ストリーミング会社の幹部によると、プリンスさんは詳細について決定権を欲しがっていました。楽曲のどのバージョンを入手可能にするのか、それがどのような状況で掲載されるのかといったことだったといいます。

 例えば、プリンスさんは1980年代の自らのヒット曲が、他の80年代の曲と一緒にプレイリストに入ることを望まなかった。同幹部によると、この件に関しては、使用料(ロイヤルティー)を上げることがプリンスさんの優先事項ではなかった。「彼は自らのカタログでもうけようとしていたのではない。彼は自らの芸術性をコントロールしたいと思っていたほか、業界の自分の立場を利用して、どうしたら自ら信頼する他のアーティストを手助けできるかを模索していた」。

プリンスさんの交渉スタイルは型破りでした。電話をかけてくるのは調整係の人物(これも入れ替わりがあった)だったが、協議自体はプリンスさんと直接行われました。同幹部は、1時間前後に及んだ2回の電話について「わたしも彼も弁護士をつけなかった。彼はわたしが直接交渉したことのある唯一のアーティストだ」と話しました。

 このストリーミング会社はプリンスさんの技術的な要求に応えられなかったため、プリンスさんは手を引いた。ストリーミングサービスからの撤退とともに、彼は自らの音楽をめぐる権限を統合し、パフォーマンス権(著作権の一種)の有力仲介組織であるAscapとBMIから脱退しあした。これらの組織は会員の代わりにライセンス料を徴収しています。

 プリンスさんは、ミュージシャンのジェイ・Zさんが所有するストリーミングサービスの「タイダル」上では自らのカタログを入手可能にしました。タイダルによると、同社は音楽所有者に他の競合ストリーミング会社より高い使用料を支払っている。プリンスさんを含む何人かの主要アーティストは、タイダルの株式を保有しているといいます。プリンスさんはここ数カ月の間に2枚のニューアルバムをタイダルに独占配信していました。

 タイダルにはスポティファイと違い、無料で契約できる選択肢がありません。プリンスさんは雑誌「エボニー」とのインタビューで、「スポティファイからなくなった音楽を入手するためには、(カネを払ってタイダルの)会員にならなくてはならなくなった。スポティファイがカネを払わないというなら、楽曲を引き揚げるまでだ」と話していました。

 プリンスさんの死を受けて、タイダル以外のストリーミングサービスに彼の楽曲が復活するのか、復活するとしたらいつになるのかは不透明です。前出のストリーミング会社幹部は「これらの決定を誰が下すのかが不明だ。プリンスは全てを自分で決めていた、もしくはそのように見えていた」と話しています。(ソースWSJ)

20ドル紙幣などデザイン刷新 早わかりQ&A

2016-04-25 17:15:50 | 経済・金融・投資
ルー米財務長官は、ハリエット・タブマン(黒人女性で奴隷解放運動家)の肖像を20ドル札に載せ、10ドル札にあるアレキサンダー・ハミルトン(初代米財務長官)の肖像はそのまま維持と発表しました。

 新紙幣についてポイントをQ&A形式でまとめました。

アレキサンダー・ハミルトンに何が起こったのか

 ルー長官は結局のところ、ハミルトンの肖像をそのまま10ドル札に使うことを決定。昨年6月、同長官が新10ドル紙幣に関する刷新プランを発表した直後から、ハミルトンの肖像画を残すよう求める抗議の声がハミルトン擁護団体から上がっていたが、ブロードウェイ・ミュージカルから強いハミルトン援護論がルー長官の耳に届いた。ハミルトンの生涯をヒップホップ調でつづった話題のミュージカル「ハミルトン」だ。こうしたさまざまな抗議を受けて、ルー長官は昨年、デザイン刷新プランの決定を延期していた。

女性は10ドル札に登場するのか

 新プランでは、ハミルトンを10ドル札から外さず、その裏面に女性参政権獲得を記念してビネット(半身画)を載せるだろう。

 草の根団体は当初、女性を20ドル札に登場させたいと願っていた。今回の措置(ハミルトンを10ドル札の表に、そして女性参政権記念のビネットを裏面に載せること)は「ウィンウィン」になるのか。

 必ずしもそう言いきれない。ハミルトン信奉者団体と、紙幣に女性を登場させようと主張する権利擁護団体は、1人の女性を20ドル札に登場させ、アンドリュー・ジャクソン(第7代大統領)を外すほうがもっと有意義だという点で一致していたのは事実だ。しかし10ドル札と異なり、新しい20ドル札を導入するタイムフレームは設定され

ていない。

新しい10ドル札はいつから流通するのか

 デザインを刷新した紙幣は、女性が参政権を勝ち取って100周年に当たる2020年に印刷され始めるだろう。

20ドル札はどうか

 新しい20ドル札を導入する確立したタイムフレームはない。それは多くの年月がかかる可能性もある。20ドル札ははるかに広く流通しているし(それは銀行のATMがストックしている紙幣だ)、セキュリティー上もっと高度な機能が求められるからだ。

最も広く使われている紙幣は何か

 米連邦準備制度理事会(FRB)によれば、ジョージ・ワシントン(初代大統領)の肖像画が載っている1ドル札は、昨年流通していたあらゆる紙幣の約30%(枚数ベース)を占めた。またベンジャミン・フランクリン(政治家・著述家で、建国の父の一人)をあしらった100ドル札は増加している。それは昨年、紙幣全体の28%を占め、過去20年間で倍増した。20ドル札は第3位の流通紙幣で23%、それに5ドル札が7%で続き、次いで10ドル札の5%となっている。

財務省はなぜデザインを刷新したのか

 紙幣はセキュリティー目的のためデザインが逐次見直されているが、連邦政府は2008年に連邦裁判所から幾つかの紙幣のデザイン見直しを命じられた。盲人を含む視覚障害者にとって触れるだけでそれと識別できる特色をつけるためだ。

 ルー長官は当初、なぜ10ドル札に女性の肖像画を載せようとしたのか。

 このデザイン見直しの一環として、当局は2013年、10ドル札を最初に発行すべきだと結論した。それが、新紙幣に女性を確実に登場させようとした  ルー長官の唯一の拠り所だった。

誰がデザイン刷新などの決定を下すのか

 貨幣上の物理的なイラストは財務省次第だ。これとは別に、米国シークレットサービス(USSS)、FRB、製版印刷局(BEP)などで構成される偽造防止委員会がセキュリティー対策上の特色をいつ、どのようにデザインし、新紙幣を発行するかを決定する。

財務長官は紙幣に誰でも登場させられるのか

 法律によって、存命中の人物は使えない。また、1ドル紙幣のデザイン変更については連邦議会が法案を通過させなければならない(訳注=デザインを見直すと、自動販売機業界にコストがかかるなどの理由で、財務省は1ドル紙幣のデザイン見直しのための支出が禁止されている)。

肖像画のラインアップが最後に変更されたのはいつか

 現在流通している7種類の紙幣に登場している歴代大統領や政治家のリストは、1928年に選ばれた。

これまで女性が紙幣に登場したことはあるか

 マーサ・ワシントン(ワシントン大統領夫人)の肖像画が1981年に1ドルのシルバーノート(銀証書=財務省が発行した旧銀行券で銀と交換できた)に登場して以降、誰もいない。

旧10ドル紙幣と旧20ドル紙幣はどうなるのか

 依然として通用する。

ブロードウェイ・ミュージカルがジャクソンを救うことはあるだろうか

 タブマン、ハミルトン、そしてジャクソンにとって紙幣の世界は十分に広い。ジャクソンは20ドル紙幣の裏面に移動する。ジャクソンは民主党創設の父とみなされているが、他方でハミルトンが享受しているように、金融や米国史の専門家らから好印象を受ける可能性はほとんどない。ハミルトンは移民の孤児で、ジョージ・ワシントン大統領の軍事担当の側近に出世し、後年、米国の金融インフラを創設した。これに対し、ジャクソンはペーパー通貨、つまり紙幣を激しく批判していた。彼はまた裕福な奴隷所有者で、ネイティブアメリカンを南部から強制移住させる政策をとったことでも記憶されている。(ソースWSJ)

世界の成長株を選別するコツ!

2016-04-24 11:51:01 | 経済・金融・投資
• 中国の教育サービス会社およびテンセントを選好

 モルガン・スタンレーのグローバル・オポチュニティー・ファンド(MGGIX)のマネジャー、クリスチャン・ヒュフ氏はまさにグローバルなファンドの運用を運命づけられていたのかもしれません。英国、米国、ノルウェーでの生活経験があり、わずか10歳で天職に目覚めたようで、当時コカ・コーラの株式を5株買いました。今や運用資産6億ドル以上のファンドを担当します。投資のコツは幼少時にノルウェーで祖父が教えてくれた釣りから学んだとそうです。勝ちそうな銘柄を選ぶには根気と忍耐が必要です。アジアの投資機会に近づこうと、妻の故郷でもある香港にオフィスを構えています。

本誌:ファンドは過去3年間にわたり毎年アウトパフォームしましたが、その秘訣(ひけつ)は?

ヒュフ氏:持続可能な競争優位性と成長力を持つユニークな会社を探す。質の高い企業は、参入障壁の高さ、あるいは高いリターンの得られる資本配分能力によって守られている。投資アイデアはさまざまなきっかけで生まれる。他のマネジャーも使用するスクリーニングでアイデアが得られることもあるが、スクリーニングだけでは、例えば規制の変化や競争上の脅威の出現などの破壊的な変化に強いかどうかは分からない。社内外で似たような考えを持つ150人の投資家ネットワークを持ち、最高と思う記事の情報を交換し合う。私は個人的には「サイエンティフィック・アメリカン」や「ワイアード」が好きだが、「バニティ・フェア」や「エコノミスト」、あるいはウォーレン・バフェット氏についての記事が好きな人もいる。私が読んだ中で最高の投資アドバイスは、ピーター・リンチ氏の「On Up on Wall Street(邦訳:「ピーター・リンチの株で勝つ」)」だ。企業の最高経営責任者(CEO)や上級幹部にインタビューする際は、各市場の最高のライバルはどこかと聞くと良い。

Q:ファンド内で保有比率が高い中国の教育サービス会社、TALエデュケーション・グループ(XRS)とは?

A:数学や科学の個人授業の提供会社で、約25都市に約300の学習センターがあり、100万以上の会員がいる。強いブランド力と卓越した教育の質を理由にユニークな存在で、前払い制度のため、資本利益率(ROC)は100%を超えており、非常に資本効率が良いビジネスモデルだ。どの社会でも教育は非常に重要だが、特に中国ではそうだ。中国の学校制度は厳格で、試験中心のため高い得点を取ることが極めて重要だ。課外の個人授業は両親にとって価値が高い。そのため、TALエデュケーションは毎年インフレ率を上回る値上げを実施できる。100以上の都市に参入余地があるため、今後10~20年は大きな市場規模の拡大が見込める。教育はマクロ環境に左右されにくい。節約するにも、教育費は削りにくい。

Q:中国の持ち株会社、テンセント・ホールディングス(騰訊控股、700.香港)を直接保有する他、同社の株式の約3分の1を保有する南アフリカのメディア複合企業、ナスパース(NPN.南アフリカ)も保有しているが。

A:ナスパースの株価はテンセントの持ち分の価値よりも5~10%安い。つまり他の事業全てを無料で手に入れられるわけで、非常に魅力的だ。原資産も直接保有していないとリスクになるため、テンセントも保有している。テンセントで特に魅力的なのは金融テクノロジー・グループで、とりわけテンペイという決済サービスは、中国市場で劇的な成長を遂げている。業界全体が大きく様変わりする可能性がある。

• 韓国のバイオ製薬のバイロメド、ボトックスのメディトックスに投資

Q:最近新しく組み入れた銘柄は?

A:韓国で、マクロ環境とはあまり関係のない固有の投資テーマを持ち、為替の影響からもおおむね隔離されている非常に面白い会社を過去1年の間に複数見つけた。まず、バイロメド(084990.韓国)は韓国のバイオ企業だが、もし米国で上場したら現在の何倍もの時価総額になるだろう。バイロメドの遺伝子治療薬の臨床試験結果は有望で、米国で第3相治験に入っている案件が二つある唯一の韓国企業でもある。製薬会社全般は特許切れ問題があり、バリュエーションが高く特に魅力的ではないが、バイオ新薬は再現がかなり困難なため、一般の製薬とは異なると考えている。次に、メディトックス(086900.韓国)も好んでいる。世界でも有数のボトックスのメーカーで、通常の3カ月ではなく4カ月おきにボトックス注射をすればよく、注射回数が少ないため、患者にはうれしい。今後世界中にライセンス契約を広める機会がある。

• 日本株ではカルビー

Q:ファンドは日本をアンダーウエートとしているが、日本株も一部保有しているのはなぜか?

A:スナック菓子のカルビー(2229)を保有しているが、私は同社のポテトチップスは世界で最高と思っている。グローバルスタンダードに沿って、今後利益率を拡大する機会があるとみている。スナック菓子業界では通常、一つの国で圧倒的な1位の座を占めると非常に高い利益率を達成できるようになる。カルビーは参入した複数の国で60%近いシェアを持っている。しかし、われわれが最初に同社の株式に投資した時の利益率は1桁半ばしかなかった。今や10%台前半になっている。ペプシコ(PEP)傘下のフリトレーは世界で約20%の利益率を出している。さらに、カルビーはフリトレーと提携したのを受けて、世界中で自社製品を売る機会がある。

• 高級ブランドではエルメスとバーバリーを選好

Q:世界の高級品もファンドの投資テーマだが、なぜか?

A:エルメス・インターナショナル(RMS)を選好しているが、世界一のブランドとわれわれは考えている。まだまだ収益化が進んでいないブランドで、他のブランドに比べて店舗数もかなり少ない。市場を飽和させてブランドイメージを希薄化したくないため、拡大には非常に慎重になる必要がある。しかし、経営陣は、長期的な持続可能性に傾注している。非常に強いブランド力があるため、投下資本利益率や利益率は非常に高い。長期的に見てエルメスは高級品業界の中でも景気循環への耐久力が高い企業だ。

 バーバリー・グループ(BRBY.英国)も保有している。バーバリーは確立したブランドではあるものの、最高級品のエルメスのような圧倒的な存在感はない。過去10年間で「若々しい」ブランドとなり、若い層の支持を築いてきた。また、デジタル広告にも力を入れており、広告費の最大50%がデジタルに投入された年もある。若い人が年配の人ほどバーバリーを買いたがらないという問題を抱えていたが、若い層に力を入れる戦略は、可処分所得が年配の人ほど多くないため即効性はないが、そのうち所得も増えてブランド製品に使えるようになるため、利益率拡大の潜在力を高めることができる。

• 最大保有銘柄はフェイスブック

Q:フェイスブック(FB)は最大保有銘柄で、長期保有しているが、ビデオ広告やバーチャルリアリティーなどの新たなテクノロジーの傾向にどのように適応しているか?

A:新規株式公開(IPO)以来フェイスブックを保有している。われわれは同社の長期的な潜在力を信じており、モバイルへの移行のためフェイスブックの将来に懸念が生じていた2012年にも買い増した。この数年のユーザー増加、エンゲージメント増加、価格上昇で素晴らしい成長を遂げた。ビデオ広告はディスプレイ広告の5~10倍の価格で、実名でのログインのため、性別や好みなどに応じてターゲットを絞った広告が可能になり、ユーザーベースを利用できるユニークな態勢にある。ユーザーのつながりや情報交換の方法の変化をもたらすバーチャルリアリティーは重要なリスクだが、会社側もこれを十分承知しており、むしろ新たな市場にしようとしている。その一つの手段として、2014年半ばにバーチャルリアリティーのゲームや装置を製造するオキュラス・リフトを買収した。

• アマゾンの保有を減らした理由

Q:アマゾン・ドット・コム(AMZN)の保有を約半分に減らしたが、なぜか?

A:クラウドコンピューティングのアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の価値が市場で知られ始めたからだ。しかし、今後長年にわたり高い収益率で資本を再投資する大きな機会がある。経営陣は短期的な利益を犠牲にしても株主に向けた長期的な価値創造を重視しており、継続的に事業への再投資を行い、微調整を行いながら問題解決をしていくことをわれわれは好んでいる。成功のために失敗をいとわないという、非常にユニークな企業文化を持っている。(ソースWSJ)