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16年の米経済成長、利上げでも加速!

2015-12-15 14:57:14 | 経済・金融・投資
米国経済は連邦準備制度理事会(FRB)による約10年ぶりの利上げ実施後も力強い成長を続け、失業率も低下するとみられています。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト調査で明らかになりました。

 エコノミストはFRBの利上げ実施をほぼ確実視しつつ、それでも米経済の成長率が2015年の2.2%から16年に2.6%に加速するとみています。失業率は一段と低下し、16年末までに4.7%と9年ぶり低水準をつけると予想されています。今回の調査は12月4日から8日にかけて65人の民間エコノミストを対象に行われました。

 KPMGのチーフエコノミスト、コンスタンス・ハンター氏は「米景気のモメンタムは増しており、5年2カ月にわたる雇用拡大が消費活動の強固な基盤を成す」と指摘しました。

 非農業部門雇用者数は10年10月以降、毎月増加してきました。調査では、この流れが続き、今後1年間で新規雇用が約230万人に達するとみられています。これは過去1年の260万人増に比べやや緩やかな伸びです。

 利上げが差し迫っていることをエコノミストらがこれほど強く確信していたことは今年これまで無かったことです。来週15・16日の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利上げするとの予想は回答者の約97%に達しました。9月のFOMCでも利上げは検討されましたが、その前の数週間の調査で利上げを予想した割合は46%に過ぎませんでした。

 FRBの利上げは通常、景気拡大の加速を抑えることを目的としますが、大半のエコノミストが以下の2つの理由でそうした影響は弱いとみています。まず、政策金利は現在の極めて低い水準から引き上げられるうえ、FRBは非常に緩やかな利上げを示唆しています。エコノミストは16年末のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標について、かろうじて1%を上回る水準を予想しています。つまり来年末までに4回の利上げを見込んでいることになります。

 カリフォルニア州サンディエゴにあるポイントロマ・ナザレ派大学のファーマニアン経営経済研究所のチーフエコノミスト、リン・リーザー氏は「FRBは『忍び足』の利上げ経路を望んでいる」と述べいました。

 その他の金利への影響は抑制される可能性が高く、例えば、10年物米国債の利回りはFRBの政策金利目標の半分程度しか上昇せず、16年末に2.86%近辺と、過去の平均に比べ依然としてかなり低い水準にとどまる見通しです。

 とはいえエコノミストが特に楽観的になったわけではありません。見通しは改善あるいは悪化するかと問われると、ほとんどは下振れに備えると回答しました。約68%は主に下向きのリスクを予想。今後1年間でリセッション(景気後退)に陥る確率は15%としました。1年前の予想では、15年にリセッション入りする確率は11%にとどまっていました。

 米経済が直面する主要リスクに関し、回答者の見解は驚くほど一致しています。4分の3以上が世界の景気減速を最大のリスクに挙げ、多くは特に中国の減速可能性を指摘しました。世界の景気が軟化すれば米輸出を下押しする恐れがあります。

 全米製造業者協会(NAM)のチーフエコノミスト、チャド・モートレイ氏は「世界的な逆風が引き続き、製造業や米経済全体にとり最も差し迫った懸念事項だ」と述べました。

 海外の先進主要国が金融緩和策を引き延ばす中でFRBが利上げすれば、ドルは一段高となり、輸出業者や製造業がさらに苦境に陥りかねません。

 BMOキャピタル・マーケッツの米経済部門責任者、マイケル・グレゴリー氏は「新興国の金融市場が不安定化すればドルが急騰する可能性がある」と警告しました。

 FRBはこのリスクを強く認識しています。イエレン議長は今月初めの上下両院合同経済委員会での証言で、「ドル高は米金融政策が緩やかな経路をたどる可能性が高いことを示す一つの要因だ」と語っていました。(ソースWSJ)