マックンのメモ日記

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中国ハイテク業界、2016年の展望!

2015-12-30 15:39:06 | ネット、ビジネス、IT
数カ月前、中国のハイテク業界では「冬の到来」を警告する声が大きかった。だが今となっては「暖冬だ」と一安心している人もいるようです。

 中国経済が苦境に陥り、2015年前半のバブルは後退しました。だが大企業にとっても中小企業にとっても、億単位の人々がスマートフォン(スマホ)でさまざまな製品やサービスを注文したり、互いにコミュニケーションを取ったりするよう仕向ける事業機会は豊富にあります。投資家は依然として有望なビジネスへの投資に前向きですが、ただ資金を提供する上での条件を厳しくしています。

 来年は何が待ち受けているのだろうか。おそらく頭を冷やす過程が続きそうです。投資と成長パターンが落ち着き、投資家からの惜しみない資金提供に頼れなくなった企業は消滅していくだろう。

 いずれにしても、高水準の合併・買収(M&A)取引が来年も続くとは考えづらく、ディールロジックによると、M&Aが1420件、取引総額が1329億ドル(約16兆円)という今年の実績は、昨年の3倍近くです。しかし、その多くは、競合との争いに現金を使い込んできた消費財業界の再編が必要になったためで、利益を見込んでのM&Aとは言えません。

 この種のM&Aは、16年に増える見通しです。中国でタクシーや出前、食材宅配の割引券を手にする機会は減るでしょう。

 新興企業を対象にしたベンチャーキャピタルは、将来有望なアイデアへ投資する意欲がまだ十分あると言います。しかし発展段階がもう少し進んだ企業は、こうした出資に頼らずに収益を上げるビジネスモデルを確立できなければ、資金を得るのが難しくなるかもしれません。新興企業のほとんどが利用者の増加に力を入れてきたものの、より重要なのは売上高の拡大だったりします。

 資金源も黒字経営の方法も見いだせなければ、事業をたたむしかありません。14年や15年前半に資金調達した企業の多くがこの運命をたどるでしょう。一部の投資家は、熱狂がやや冷めた状態のほうが望ましいと考えています。企業のバリュエーションがより妥当な水準になり、真剣な起業家とだけ向き合えばよいからです。

 来年の中国インターネット業界は、分裂が進行する公算が大きい。阿里巴巴集団(アリババグループ)、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、百度(バイドゥ)が買収や投資を通じて、さまざまな業種や技術を持つ企業を勝ち組と負け組に選別していくことになりそうです。

 この3強は今年、互いにしのぎを削ってきた企業同士によるM&Aのいくつかで決定的な役割を果たしてきました。例としては、配車アプリケーション開発の滴滴と快的、ネット旅行予約サイト運営の携程旅行網(シートリップ)と去ナ児網(Qunar.com)、オンデマンドサービス提供の美団と大衆点評、地域情報コミュニティーサイト運営の58同城(58.com)とカン集網(Ganji.com)のケースが挙げられます。

 テンセントが戦略的投資先とする京東商城(JD.com)と並び、これらの企業は中堅勢力と考えられるようになっています。今後は3強に肩を並べて生き残り、成長していくプレッシャーを感じるようになるでしょう。

 消費者を相手にする企業より成長の足取りが鈍いものの、企業向けソフトウエアやサービスを提供する新興企業にはより多くの投資が集まっている。企業の方が支出への意欲が強く、消費者より標的にしやすい。来年もこの傾向は続くが、景気が振るわない中でこの分野が過熱することへ懸念を抱える投資家も存在します。

 いま最も注目を集める投資分野は、別のハードウエアやオンライン配信用に作り替えられる可能性を持つ娯楽コンテンツの権利を所有する企業です。中国で有料コンテンツ需要が高まる中、投資家は小説、映画、テレビ番組、オンラインゲームの権利に多額を支払っています。

 スマホメーカーはさらに厳しい1年に直面しそうです。市場が飽和し、競合もひしめき合っています。調査会社IDCによると、世界のスマホ市場の成長率が今年は初めて1桁台にとどまる見込みで、成長の鈍化は2019年まで続くと予想されています。中国の華為技術(ファーウェイ)は高価格帯のスマホの販売を前年に比べて増やし、今年の勝ち組に踊り出ました。一方で、かつてもてはやされた小米科技(シャオミ)は今年8000万台の販売目標に重きを置かず、顧客の満足度を重要視する方針に転換しました。

 ある小規模なスマホメーカーのトップは最近、市場は2、3年前まで機会にあふれた青い海のようでしたが、今年は厳しい競争でその色が一変し、苦渋に満ちていると話しました。16年は状況がさらに悪化するかもしれません。

 3強でさえ、支配的地位から転落するきっかけが訪れないか、常に憂慮せざるを得ないでしょう。6億5000万人のアクティブユーザーを擁するテンセントのチャットアプリケーション「微信(ウィーチャット)」は独自のエコシステムを形成しました。利用者はタクシーの予約、買い物、決済、音声通話、テレビ電話、テキスト送受信を微信だけで完了できるのです。しかし、テンセントの馬化騰(ポニー・マー)最高経営責任者(CEO)は先週「微信を揺るがすものは何か」という疑問が頭にあると述べました。

 彼はまだ答えを見つけていません。まだ誰にも分からないのです。これは来年われわれの頭をひねらせる多くの疑問の一つになるでしょう。(ソースWSJ)