医学が進歩した現代、そんな中でも医療事故のニュースが後を絶たないというより、今までも医療事故はあったけれど、病死として処理され、患者側に事実が知らされていなかっただけで、昔は医師に対する信頼は絶対的なものであり、医療費を払っていても手術すればお礼をするのが半ば常識でした。今は時代も変わりそうしたお礼は受け取りませんが、医療ミスが多くなったと言うのではなく、最近の市民の医療に対する目が厳しくなったからだと思います。
2010年に報告された医療事故は過去最多の2703件、ヒヤリも56万件もあったそうです。こうした医療事故の削減に繋がるとして今、注目を集めているのが本物の患者に接するように擬似体験できるもので、京都科学の片山氏が開発を手がけているのが、人体模型メーカーの経営者である片山英伸(62歳)さんです。そのきっかけとなった出来事があって、それは片山氏が京都科学に入社した1975年当時、看護学校の学生がお互いの腕に注射を打ち合い採血のトレーニングをしていたのです。そこで思いついたのが、採血の練習が出来る模型を作れば学生達が練習台になって注射を打ち合う必要もなくなると考えて立ち上がったのです。
そして試行錯誤の上、完成させて採血トレーニング用のシミュレーターを学校へ持って行ったのですが、先生からは「必要ない」とあっさりと断られているのです。医師であればこうしたものを見ればすぐすばらしいものだと感じないのでしょうか?その辺が不思議でならないのです。そんなある日、片山氏を呼び止めたのは医師ではなく学校の事務員さんだったのです。そして「買うわ、私達も注射の練習に付き合い実験台になっているの」と言ったのです。それを契機に、片山氏は様々な医療技術のトレーニングが出来る医療シミュレーターをさらに開発していくことになったのです。
医療行為に失敗すれば、命に関わる医療手技を、今までは実際の患者さんを練習台にして手探り状態で行っていたのです。と言うのは、今までこうしたものがなく、実際の患者さんに直接医療行為を施していきながら、技術を磨き上げて行くしか方法がなかったからです。しかし医療シミュレーターで事前に練習を繰り返す事で、実際の患者に向かう時には、落ち着いて習熟した技術で医療を行う事が出来るようになったと実習生は言っていました。考えて見ればこう言うことが今までなかったということ事態が驚くべきことです。
実際、自分も大学病院で「親知らず」を抜いたとき、私の周りを医師の卵と思しき人たちがぐるりと回って観察していました。しかも実際には、医師に成りたての人が抜歯の手術をしていたようで、「親知らず」を抜くのに1時間以上もかかったのです。しかも頬のところはパンパンに腫れ上がり、顎が塞がらない状態で、つばが口から流れ落ちるほどだったのです。それ以来は医者で「親知らず」を抜いたらと言われますが、その経験からとても抜く気にならず、今だ1本は残してあります。歯医者さんは簡単な手術だよと良いますが、だったらあのときの手術はいったい何だったのかと、今でも思い出すと怒れてきます。
つまり実習生の練習台にされていたのだと後になって気がついたしだいです。これが歯の抜歯くらいのことだったのでまだ良かったのかもしれませんが、とは言え、最初からベテランの先生と言うのはいないはずですから、そうして覚えて行くしかないと分かっていても、ひょっとして、もしあなたも新米の先生に手術をされると言うことになったら嫌ですよね。そう考えると、もし医療シュミレーターで練習すらしていなくて手伝いながらだんだん覚えて行くという、前近代的なやり方で技術を今でも続けているとしたら、「ゾッ」としてしまいます。しかし現在では、日本の全ての医療系の学校に医療シミュレーターが置かれ、学生が日々、医療シミュレーターでトレーニングを続けているそうです。
片山氏の思いはこの「医療シミュレーター」で日本の医療レベルを上げ、日本中どこでも同じ医療を受けられるようにする事で、さらにその技術を世界にも広める事だと言います。今年8月、片山氏は日本で開発した医療シミュレーターを持ってオーストリアのウィーンへ行き、ヨーロッパ医学教育学会医療シミュレーター展示会で好評価を得たそうですが、海外でもこうした練習用の医療シュミレーターというものがなく、これを見て自分の病院でもぜひほしいと言っていたのです。それほどありそうでないもので、海外でも珍しい存在だったのでしょうか?
しかし、何と日本の病院と違い、海外の病院関係者の対応の素早さには驚くばかりで、日本の病院の対応の保守的なことを痛感したほどです。なぜ良い物はどこの中小企業が作った物で良いと評価かができないのでしょう。日本人はブランド好きと言いますが、どうも敗戦後から西洋化が進んだ段階で、海外のものをありがたる傾向が強くなったのではないでしょうか。ブランド好きに関わらず、権威主義というものにも弱いようで、どこその有名な会社や、学校が開発したとなるとすぐ飛びつくのですが、自国の会社なのに、中小企業というだけで門前払いと言う話には「いとま」がありません。ある意味情けないですね。先進国のものはありがたるのに自国のものは軽蔑しているところがあり、自国のことについて自信がないのでしょうか?海外で評価されるとやっと国内で評価されると言う話も数限りなくあります。村社会のような妬みや嫉妬がお互いの足を引っ張り合っているようで、医療業界そのものが保守的であり、権威主義的な体質がこうしたことに繋がっているのでしょうか。
その点、片山氏はそうしたものに立ち向って開拓していったのですからすばらしいことです。
2010年に報告された医療事故は過去最多の2703件、ヒヤリも56万件もあったそうです。こうした医療事故の削減に繋がるとして今、注目を集めているのが本物の患者に接するように擬似体験できるもので、京都科学の片山氏が開発を手がけているのが、人体模型メーカーの経営者である片山英伸(62歳)さんです。そのきっかけとなった出来事があって、それは片山氏が京都科学に入社した1975年当時、看護学校の学生がお互いの腕に注射を打ち合い採血のトレーニングをしていたのです。そこで思いついたのが、採血の練習が出来る模型を作れば学生達が練習台になって注射を打ち合う必要もなくなると考えて立ち上がったのです。
そして試行錯誤の上、完成させて採血トレーニング用のシミュレーターを学校へ持って行ったのですが、先生からは「必要ない」とあっさりと断られているのです。医師であればこうしたものを見ればすぐすばらしいものだと感じないのでしょうか?その辺が不思議でならないのです。そんなある日、片山氏を呼び止めたのは医師ではなく学校の事務員さんだったのです。そして「買うわ、私達も注射の練習に付き合い実験台になっているの」と言ったのです。それを契機に、片山氏は様々な医療技術のトレーニングが出来る医療シミュレーターをさらに開発していくことになったのです。
医療行為に失敗すれば、命に関わる医療手技を、今までは実際の患者さんを練習台にして手探り状態で行っていたのです。と言うのは、今までこうしたものがなく、実際の患者さんに直接医療行為を施していきながら、技術を磨き上げて行くしか方法がなかったからです。しかし医療シミュレーターで事前に練習を繰り返す事で、実際の患者に向かう時には、落ち着いて習熟した技術で医療を行う事が出来るようになったと実習生は言っていました。考えて見ればこう言うことが今までなかったということ事態が驚くべきことです。
実際、自分も大学病院で「親知らず」を抜いたとき、私の周りを医師の卵と思しき人たちがぐるりと回って観察していました。しかも実際には、医師に成りたての人が抜歯の手術をしていたようで、「親知らず」を抜くのに1時間以上もかかったのです。しかも頬のところはパンパンに腫れ上がり、顎が塞がらない状態で、つばが口から流れ落ちるほどだったのです。それ以来は医者で「親知らず」を抜いたらと言われますが、その経験からとても抜く気にならず、今だ1本は残してあります。歯医者さんは簡単な手術だよと良いますが、だったらあのときの手術はいったい何だったのかと、今でも思い出すと怒れてきます。
つまり実習生の練習台にされていたのだと後になって気がついたしだいです。これが歯の抜歯くらいのことだったのでまだ良かったのかもしれませんが、とは言え、最初からベテランの先生と言うのはいないはずですから、そうして覚えて行くしかないと分かっていても、ひょっとして、もしあなたも新米の先生に手術をされると言うことになったら嫌ですよね。そう考えると、もし医療シュミレーターで練習すらしていなくて手伝いながらだんだん覚えて行くという、前近代的なやり方で技術を今でも続けているとしたら、「ゾッ」としてしまいます。しかし現在では、日本の全ての医療系の学校に医療シミュレーターが置かれ、学生が日々、医療シミュレーターでトレーニングを続けているそうです。
片山氏の思いはこの「医療シミュレーター」で日本の医療レベルを上げ、日本中どこでも同じ医療を受けられるようにする事で、さらにその技術を世界にも広める事だと言います。今年8月、片山氏は日本で開発した医療シミュレーターを持ってオーストリアのウィーンへ行き、ヨーロッパ医学教育学会医療シミュレーター展示会で好評価を得たそうですが、海外でもこうした練習用の医療シュミレーターというものがなく、これを見て自分の病院でもぜひほしいと言っていたのです。それほどありそうでないもので、海外でも珍しい存在だったのでしょうか?
しかし、何と日本の病院と違い、海外の病院関係者の対応の素早さには驚くばかりで、日本の病院の対応の保守的なことを痛感したほどです。なぜ良い物はどこの中小企業が作った物で良いと評価かができないのでしょう。日本人はブランド好きと言いますが、どうも敗戦後から西洋化が進んだ段階で、海外のものをありがたる傾向が強くなったのではないでしょうか。ブランド好きに関わらず、権威主義というものにも弱いようで、どこその有名な会社や、学校が開発したとなるとすぐ飛びつくのですが、自国の会社なのに、中小企業というだけで門前払いと言う話には「いとま」がありません。ある意味情けないですね。先進国のものはありがたるのに自国のものは軽蔑しているところがあり、自国のことについて自信がないのでしょうか?海外で評価されるとやっと国内で評価されると言う話も数限りなくあります。村社会のような妬みや嫉妬がお互いの足を引っ張り合っているようで、医療業界そのものが保守的であり、権威主義的な体質がこうしたことに繋がっているのでしょうか。
その点、片山氏はそうしたものに立ち向って開拓していったのですからすばらしいことです。