マックンのメモ日記

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2050年の日本:高齢化を逆手に世界リード!Ⅲ

2015-12-06 16:49:42 | 経済・金融・投資
 三菱東京UFJ銀行は受付係として19カ国語を話す小さなロボットを配置した。また、長崎県ではスタッフの大半がロボットというホテルが7月にオープン。コマツは建設現場に導入する自動運転車両を開発中で、産業用ロボットのファナックは互いに修理しあう機械を設計中だ。

 トヨタ自動車は「生活支援ロボット」の実用化を目指している。これはテレビ電話やリモートコントロール機能が搭載されたアンドロイドで、家族や友人が遠く離れた場所から、まるで家にいるかのように年老いた親の世話をすることを可能にする。あるデモンストレーションでは、息子がタブレット端末を使って寝たきりの父親の部屋を見回し、ロボットにカーテンを開けて父親に飲み物を持っていくよう指示していた。

 ソフトバンクグループは今年6月、日本国内でヒト型ロボット「ペッパー」の販売を開始し、世界から注目を浴びた。同社によると、ペッパーは感情を理解できる世界初のロボット。当初、この身長120センチの白いロボットは介護ヘルパーなどの用途に使われていた。

 神奈川県内での実演で、ペッパーは80代から90代の高齢者30人を40分間楽しませた。ペッパーはそこで軽い運動の指導を行ったほか、高齢者が色や文字を認識できるかを試した。女性たちは孫であるかのようにペッパーの頭をなでていた。

 開発者のひとりである居山俊治氏は、別の機会で認知症患者と触れ合ったときのペッパーのビデオを流しながら、このロボットが時には人間より良い仕事をするかもしれないと話した。「このおじいさんは認知症だが、ペッパーに同じことをずっと話しかける。人間だとちょっと嫌な顔をすると思うが、ロボットはずっと『そうですか』って話を聞いているのだ」

 居山氏が経営するフューブライト・コミュニケーションズは、急成長する高齢者向けIT市場に照準を定めた社員3人の新興企業だ。社名のフューブライトは「フューチャー(未来)」と「ブライト(明るい)」を組み合わせて縮めたもの。居山氏は「日本の未来は暗いとイメージされていると思うが」と前置きした上で、「考え方によっては、こういうフィールドとこの技術を試せる場所はここ(高齢者向けIT市場)しかない」と話した。

 新たな労働形態と技術が日本経済の供給サイドを変質させているが、次第に重要性を増す「シルバー市場」が成長を後押しする中で、これに並行して進む展開が需要サイドも変化させている。

 日本の高齢者が人口全体に占める割合は依然として3分の1以下にすぎないが、彼らは1700兆円に上る家計金融資産の約6割を保有している。また貯蓄の必要がなくなった人も多いため、高齢者は国内消費の約半分を占めている。

 日本全体における消費支出の増加ペースは弱いが、UBS証券のエコノミストらはシニア市場の拡大が、少なくとも一時的には、人口縮小から生じる悪影響を埋め合わせる以上の効果をもたらすだろうと信じている。

 高齢者はすでに日本の消費市場の姿を変えている。政府が今年、消費者物価指数に採用される588品目を見直した際、補聴器やサポーターが追加される半面、お子様ランチやテニスコート使用料などは廃止された。

 一方、企業は高齢者の消費を取り込む新製品や新たなマーケティング戦略に投資している。

 パナソニックは昨年秋、シニア層向けに使い勝手が良く軽量な「Jコンセプト」と呼ばれる家電ラインナップを立ち上げた。この中には取り出す負担を最小限にし、見やすいコントロールパネルが搭載された洗濯機や冷蔵庫が含まれる。同社は今年、傘下のパナソニックエイジフリーサービスの従業員数を最大で10倍となる2万人に増やす計画を明かした。

 味の素は2013年、「サクセスフル・エイジング」をスローガンにした「アクティブシニア・プロジェクト」を発足させた。ここでは病気の早期発見につながるとされる医療診断の実施だけでなく、筋肉や骨の衰えを防ぐ健康サプリメントが販売された。

同社の西井孝明社長は「国内マーケットは縮小していくと思うが、利益成長していくことはできる」と述べた。

 また、シルバー市場は高齢者が住みやすくするための増改築ブームを引き起こした。

 宅配サービスも重視されるようになった。セブンイレブンは現在73万世帯に食品を配達しているが、同社はこの事業が毎年2倍のペースで拡大するとみている。日本郵政は米アップルおよびIBMと組み、月額1000円で「みまもりサービス」を開始した。これは郵便配達員が高齢者の家を訪問する際に生活の様子を確認し、専用の「iPad(アイパッド)」を使って結果を家族に知らせるという内容だ。(ソースWSJ)