太陽に接近中だったアイソン彗星について、米航空宇宙局(NASA)は29日(日本時間)、「太陽に最接近し、消滅したとみられる」と発表していました。NASAの太陽観測衛星「SDO」で、最接近の予測日時(同29日午前4時9分)を過ぎても姿を確認できないためです。ただし、その後の観測で破片とみられる映像も確認されており、崩壊したものの一部が残っている可能性もあると、その後の画像を公開しました。
大彗星との呼び声が高かったアイソン彗星は、太陽の表面から約120万キロ(太陽の直径の約8割)まで近づくと予測されていました。NASAなどの観測では、太陽に近づく様子が捉えられ、一時光がやや弱まって一部分裂したとも言われたが、その後順調に増光していたため、期待が高まっていました。
国立天文台の渡部潤一副台長は「太陽に最接近する直前ごろから暗くなり、蒸発した可能性が高い。12月にも尾が観察できる可能性はあるが、肉眼で見るのは難しいだろう」と話しています。アイソン彗星の本体は直径2キロほどで、秒速200キロ超で太陽に近づいていました。彗星の本体は大きいもので直径40キロほど、周期的に飛来することで知られるハレー彗星は直径15キロあると言います。
彗星の中には太陽に非常に接近する軌道を描く「クロイツ群」と呼ばれる種類があり、これまでにも、三つに分裂した1965年の池谷・関彗星などがあります。また、94年にはシューメーカー・レビー第9彗星が木星に衝突しました。
河北秀世・京都産業大教授は「太陽の強い重力で彗星の核が壊れることはある。アイソン彗星も核がばらばらに分裂したのではないか」とみています。その上で「核の破片が残っていてちりの放出が続けば、観測が継続できる。来週末ごろには、性能の良い一眼レフカメラなら撮影が可能かもしれない」と期待を残しました。
アイソン彗星とは、ロシア人研究者らが2012年9月に発見、所属する天体観測の国際ネットワークの略称「ISON」にちなんで名付けられました。本体は氷やドライアイス、ちりなどでできた「汚れた雪だるま」といわれ、太陽に近づくにつれて解けて長い尾を引きます。太陽系の外縁にある小天体の集合「オールトの雲」から飛来したと考えられ、太陽に一度きり接近して飛び去る軌道を描いていました。
大彗星との呼び声が高かったアイソン彗星は、太陽の表面から約120万キロ(太陽の直径の約8割)まで近づくと予測されていました。NASAなどの観測では、太陽に近づく様子が捉えられ、一時光がやや弱まって一部分裂したとも言われたが、その後順調に増光していたため、期待が高まっていました。
国立天文台の渡部潤一副台長は「太陽に最接近する直前ごろから暗くなり、蒸発した可能性が高い。12月にも尾が観察できる可能性はあるが、肉眼で見るのは難しいだろう」と話しています。アイソン彗星の本体は直径2キロほどで、秒速200キロ超で太陽に近づいていました。彗星の本体は大きいもので直径40キロほど、周期的に飛来することで知られるハレー彗星は直径15キロあると言います。
彗星の中には太陽に非常に接近する軌道を描く「クロイツ群」と呼ばれる種類があり、これまでにも、三つに分裂した1965年の池谷・関彗星などがあります。また、94年にはシューメーカー・レビー第9彗星が木星に衝突しました。
河北秀世・京都産業大教授は「太陽の強い重力で彗星の核が壊れることはある。アイソン彗星も核がばらばらに分裂したのではないか」とみています。その上で「核の破片が残っていてちりの放出が続けば、観測が継続できる。来週末ごろには、性能の良い一眼レフカメラなら撮影が可能かもしれない」と期待を残しました。
アイソン彗星とは、ロシア人研究者らが2012年9月に発見、所属する天体観測の国際ネットワークの略称「ISON」にちなんで名付けられました。本体は氷やドライアイス、ちりなどでできた「汚れた雪だるま」といわれ、太陽に近づくにつれて解けて長い尾を引きます。太陽系の外縁にある小天体の集合「オールトの雲」から飛来したと考えられ、太陽に一度きり接近して飛び去る軌道を描いていました。