マックンのメモ日記

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ソニーがプレステVRに託す思い!

2016-10-16 12:57:20 | ネット、ビジネス、IT
1994年に据え置き型ゲーム機「プレイステーション」を発売して以降、ソニーの製品が世界の注目を集めることはほとんどなかったといえます。同社は赤字部門を最適化したことで経営黒字化には成功しているが、伝説となっている革新性を再び見せることができるのか、疑問が持たれているのも事実です。

 そのような状況の中でソニーが仮想現実(VR)ヘッドセット「プレイステーションVR(PSVR)」を13日に発売し、同社が失った輝きを取り戻すきっかけとなるのか注目が集まっています。

 PSVRは勤続30年のベテラン社員2人を中心に数千人が開発に関わり、過去4年間にわたって取り組まれてきたプロジェクトです。399ドル(米国内価格)で販売されるPSVRはゲーム機のプレイステーション4本体と合わせて利用する必要がありますが、ソニーはその用途をゲームだけに限定するつもりはありません。VR技術を利用して旅行の目的地を一足先に疑似体験したり、生徒たちは授業中に恐竜が生きていた時代にタイムトラベルしたりすることすら可能と、想像力はかきたてられるばかりです。

 PSVRの開発に携わったベテラン社員の1人であり、ソニーにおけるVRの顔となった吉田修平氏(52)は、「VRは今まで夢見たあらゆる世界に入れるもの」だと話します。

 ソニーにとってまず重要なのは、PSVRが購入するに値する商品だと消費者を納得させることでしょう。中にはヘッドセットを取り付けることが面倒だと感じる人もいるし、ライバル任天堂の幹部はVR技術がまだ一般普及するレベルに到達していないと指摘しています。ソニーを含む複数の企業が最先端技術として売り出した3Dテレビと同様に、VR製品も一般家庭に普及するのは難しいとする声もあります。

 3Dテレビの失敗は過去20年にわたってソニーの革新的なイメージが衰退する一因となりました。しかし最もダメージが大きかったのは、アップルが携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」とスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」で成功を収めた事実です。トランジスタラジオやウォークマンに代表されるように、ソニーは音楽プレーヤーや小型電子機器の開発を得意としていたが、その市場はソフトウエアとハードウエアを融合させたアップルによって乗っ取られることとなってしまいました。

 VR技術によってソニーはカムバックを果たせるのか。同社がゲームや映画や音楽などのソフトを豊富にそろえている点を考慮すると、その可能性は十分にあります。「ソニーはVR産業界で今一番有利な立場にいる」と話すのは、電子機器の調査会社フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ 代表の 柏尾南壮氏。「コンテンツもあるし技術もある強い企業体だ」と同氏は指摘しています。

 またフェイスブックのオキュラス・リフト(599ドル)や宏達国際電子(HTC)の「バイブ」(799ドル)などPSVRの競合製品はいくつか販売されていますが、どれも高性能のパソコンと使用する必要があり、現時点では本格的な開発者向けだと言えます。その点、PSVRは初の一般消費者向けのVRヘッドセットだと多くのアナリストが認識しています。

 この件についてフェイスブックの広報担当者はコメントを控えるとしました。HTCは同社の製品が座ったままでも立っても楽しめるとし、部屋全体を使ったVR世界を作り出すことによって高い没入感を得られるため、より幅広い利用者に楽しんでもらえると話しています。

 VRプロジェクトが発足して以来、ソニーはエルゴノミクス(人間工学)に細心の注意を払って開発を続けたと話しています。PSVRはプレイステーション3向けに作られたコントローラー「プレイステーション・ムーブ」の技術を土台に開発。ユーザーの動きを追うコントローラーは当時ビジネスとして成功したとは言えませんが、2010年にはその技術を応用して頭の動きを追えるシステムの開発が開始されました。当初は米カリフォルニア州の一部技術者のみが携わっていましたが、2012年にはプロジェクトが本格化し、そこに東京とロンドンのスタッフもそこに加わることになったのです。

鍵となった「50代の男性」

 プロジェクトのリーダーの1人である吉田氏は、プレイステーションが発売される1年前の1993年にソフトウエアのスペシャリストとして部門に加わっています。吉田氏は開発に関わるだけでなく、時間がある時は自らもゲームをする人物です。先日ゲームファンのために行われたイベントに出席した際は、一般来場者の1人と間違えられてテレビの取材を受けたこともあります。会場にいた「50代の男性」として番組で紹介されたことは、今も同僚たちから笑いの種にされているといいます。

 そんな吉田氏はPSVRを開発するにあたり、ヘッドセットをつけていないユーザーも同じ部屋でテレビ画面を通してゲームを楽しめるようにするべきだと主張した。そのことにハードウエア担当のチームが難癖をつけると、同氏はプレイステーション4と携帯ゲーム機「プレイステーション(PS)・ヴィータ」を使って簡易デモ機を作り、自らの狙いをデモンストレーションしたとそうです。

 最終的にその機能はPSVRに含まれることとなりましたが、「VRは被ったらアイソレーションとか、引きこもりとかいうのは違い、皆でできますよ、というのを示したかった」と、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで吉田氏は話しています。

 技術者から届く多くの要望は、ハードウエアの開発を指揮した伊藤雅康氏(54)にとっては難題でもあった。中には最先端のディスプレーをPSVRに搭載すべきだという声もありましたが、高額な技術を採用すると400ドルでは販売できなくなるため、なんとかして説得したといいます。

 車向けのオーディオ製品をデザインしていた伊藤氏は、吉田氏と同じ1986年にソニーに入社。PSVRの開発に当たってはプロトタイプをいくつも作って調整をし続け、装着したときの安定感や片手で調整できる機能、さらには重さやバランスなどを追求していったそうです。「技術ばかり優先するのではなく、必ずユーザー目線の商品に仕上げること」に注力したと伊藤氏はWSJに話しています。

 試行錯誤の末に完成した製品の装着感は、多くのレビューで高い評価を受けています。ただしPSVRが一部のゲーム好き以外にも受け入れられるのか、あるいはマニアックな製品で終わるのかは、まだ不透明です。

 ソニーは他のゲーム開発会社による作品も含めて年内に50本のPSVR対応ソフトが販売されるとしています。その中にはゲームソフト大手エレクトロニック・アーツ(EA)による「スター・ウォーズ」関連の作品も含まれます。カプコンの人気タイトル「バイオハザード」シリーズも1月には登場する予定です。

 コンテンツが拡充されなければ、PSVRが3Dテレビと同じ運命をたどる可能性は高く、「ソフト会社はVRでしかできない強力なゲームを開発する必要がある」と指摘するのは、エース総合研究所の安田秀樹氏です。「3Dテレビなどの過去の失敗は、ソフト供給において初動が非常に大切ということ」を示していると同氏は話します。(ソースWSJ)

ツイッター創業者復帰から1年、それでも不振続く理由!

2016-10-09 17:01:15 | ネット、ビジネス、IT
今年1月、米ツイッターの幹部が会議でサンフランシスコ本社に集まりました。幹部4人が突然辞任し、同社の株価が過去最安値を更新した数日後です。

 その会議について知る複数の従業員によると、参加者の1人がジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)を含む経営陣に買収のうわさについて尋ねたところ、アンソニー・ノト最高財務責任者(CFO)は他の会社に問題を解決してもらう必要はないと強い調子で答えたといいます。

 ドーシー氏のCEO復帰から1年たった今、ツイッターは身売りの可能性を探っています。事情に詳しい関係筋によると、今週にも買収案を募る見込みで、評価に向けてゴールドマン・サックス・グループと動いているといいます。買い手候補には米顧客情報管理(CRM)ソフトウエア大手セールスフォース・ドット・コムや米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー、米グーグルの親会社アルファベットなどが挙がっています。

ドーシー氏の指導力に陰り

 ツイッターの方針転換は、自らが共同で創業した会社に対するドーシー氏の指導力に陰りが見え始めていることを物語っています。時価総額約170億ドル(約1兆7600億円)のツイッターはメディアやIT(情報技術)企業にとって依然、魅力的な買収候補です。彼らの関心の的は月間ユーザー3億1300万人によって生み出される貴重なデータやマーケティングチャンスにあります。しかし、ドーシー氏のこれまでの取り組みはユーザー数や売上高の伸び悩みを覆せず、買収の格好の標的となっているのです。

 上級幹部の中にはドーシー氏への信頼を失いつつあると話す人たちもいます。彼らによると、サービスを利用しやすくしたり、攻撃的なツイートから保護する仕組みを改善したりするなどの手を打ったものの、誕生から10年たつこのサービスを新たに試そうとする人はなかなか増えず、既存ユーザーはツイッターがネット上の嫌がらせの温床になっていると不満をもらしています。4-6月期の月間ユーザー数はわずか1%の伸びにとどまり、増収率は8四半期連続で低下し20%を割りました。

 同社の広報担当者は、ドーシー氏が製品改良の迅速化やサービスの簡素化をはじめ投資家に示した目標を達成していると説明。「最近の製品改良は直接的な利益をもたらしている」と述べ、それによってユーザー数や利用状況が改善したと述べました。ドーシー氏からコメントは得られなかったそうです。

 ドーシー氏のCEO復帰以来、ツイッターの株価は上下に大きく動いています。9月下旬までは約29%下落していましたが、買収の報道を受けてほぼ同程度押し上げられました。

 来月40歳になるドーシー氏は、優先目標の達成を楽観視しています。米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)との有望な契約を含め、ライブ動画配信で新たに十数社と提携したことを大々的に宣伝しました。また同社はツイートを簡素化したり、嫌がらせを抑制したりするための改良を徐々に加えています。ツイッターは27日に7-9月期(第3四半期)決算を発表する予定です。

 ツイッターの共同創設者で現在はソーシャルアプリ「Jelly(ジェリー)」を運営するビズ・ストーン氏は、ドーシー氏について「四半期ではなく10年単位で物事を考える人だ。したがって、彼は将来結果を出すために必要な措置を取っているのだ」と説明しました。また、自身が持つツイッター株を手放すつもりはないとも述べています。

長続きしなかった高揚感

 ドーシー氏が1年前に正式にCEOに復帰した際、従業員の間には楽観的ムードが流れました。彼らはツイッターを救えるのはツイートを発明したドーシー氏だけだと考えたからです。

 ドーシー氏は復帰1カ月目に上級幹部と取締役数人を雇い入れました。その1人は、新会長に起用されたグーグル出身のオミッド・コーデスタニ氏です。同氏は緊急時に他のユーザーに警告を発信できる「ツイッター・アラート」など重要度の低いプロジェクトを打ち切りました。一方で、サービスの簡素化や140字の文字数制限の拡大、写真への「ステッカー」機能の追加を承認しました。

 他の上級幹部は、もっと大胆な措置が必要だと考えました。ゴールドマン・サックス出身でNFLのCFOも務めていたノト氏は、NFLをはじめとするスポーツリーグと特定の試合のライブ動画配信契約を結ぶ計画を急速に進めています。同氏は、ライブイベントはツイッターの強みであり、新規ユーザーや高い広告料金が見込めると踏んだのです。

 1月の幹部会議から間もなくして、ツイッターの従業員が2週間ごとに行われるミーティングのために大会議室に集まりました。白いTシャツと1000ドルもするオレンジ色のハイカットスニーカーを身につけたドーシー氏は、ツイッターがいかに劣勢であるかを説明し、全社一丸となって好業績を上げようと鼓舞しました。

 それを受け従業員たちは、ツイッター上で「#oneteam」のハッシュタグを付けて会社への愛をツイートしたのです。

 しかし、こうした高揚感は長くは続きませんでした。2月、ツイッターは2015年10-12月期のユーザー数が前期から200万人減少したと発表。ユーザー数の前期比割れは上場以来初めてのことです。関係者によると、ツイッターの月間ユーザーの約半分に相当する、毎日ツイッターを見るデーリー・アクティブ・ユーザー(DAU)の割合は下降線をたどり続けています。ツイッターはDAUを最も重要な指標と述べていますが、数字は公表していません。

 関係筋によると、その頃までにはツイッターは財務アドバイザーを雇い、さまざまなユーザー拡大策についてコスト構造を検討していました。戦略的投資家や買い手を探す可能性も協議されたといいます。

 春になるとコスト削減が始まりました。食事の提供時間が短縮されたり、一部のフィットネスクラスが打ち切られたりしました。

 ツイッターの人件費は依然として異例なほど高く、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、過去1年の売上高が10億ドル以上の米IT企業190社の中で、ツイッターは売上高に占める株式報酬コストの比率が26%と2番目に高いのです。

途方に暮れるエンジニア

 ドーシー氏が、モバイル決済会社スクエアのCEOを兼務していることに疑問を呈する上級幹部もいる。ツイッターの元従業員によると、ドーシー氏はスクエアに行くため、あいまいな指示を出したまま会議を立ち去ることが頻繁にあり、エンジニアや製品チームを途方に暮れさせていたそうです。その結果、タイムラインの時系列表示の変更など、一部プロジェクトが何カ月も延期されたといいます。

 停滞したプロジェクトもあります。フェイスブック傘下の写真共有アプリ「インスタグラム」が、写真の下に特定の言葉を含むコメントが表示されないようユーザーが設定できる機能を加えたとき、ユーザーの安全性を担当するツイッターのスタッフは腹を殴られたように感じたといいます。彼らも過去1年、同様の嫌がらせ対策機能を開発しようと取り組んでいましたが、技術面の支援やリソースが十分得られず行き詰まっていました。

 インスタグラムのコメント管理機能の開発を指揮していたのが、1月にツイッターを去った幹部の1人、ケビン・ワイル氏だったという事実も傷口に塩を塗ることになりました。

 コンサルティング会社アリックスパートナーズのマネージングディレクター、フランチェスコ・バロシ氏は「創業者は事業で2、3度壁に突き当たると、市場で金銭的に持続可能なことは何かという現実的な考え方を大抵するようになる」と話しています。(ソースWSJ)

グーグル「ピクセル」の第一印象!

2016-10-07 16:06:45 | ネット、ビジネス、IT
米グーグルは4日、新型スマートフォン「ピクセル」とその大型版「ピクセルXL」、仮想現実(VR)プラットフォーム「デイドリーム」対応ヘッドセット「デイドリーム・ビュー」などを発表し、自社が本物のハードウエアブランドであると正式に主張しました。一見して以下のように感じました。

ピクセルとピクセルXL

 ピクセルとピクセルXLは基本的には同じスマホであり、アップルのiPhone(アイフォーン)によく似ています。少なくとも、グーグルがピクセルの製造で提携している台湾の宏達国際電子(HTC)が生産したiPhoneもどきには似ています。

 5インチと5.5インチのディスプレーは見た目が素晴らしく、それはデイドリーム・ビューと合わせて使う時に顔に近づけても変わりません。ピクセルとピクセルXLは、ディスプレーを含めわずかな違いがあるだけです。解像度は、ピクセルが1920×1080、ピクセルXLが2560×1440です(デイドリーム・ビューと合わせて使うためにいずれかを買うなら、解像度は大きいほうの《XL》が高い点に注意したい。サムスン電子の「ギャラクシー7」の2モデルなど、そうではないケースもある)。

 ピクセルもピクセルXLも本体にアルミとガラスを使っており、背面カメラのすぐ下に指紋センサーを搭載しています。グーグルはバッテリーの駆動時間について約束していませんが、いずれのモデルも急速充電技術により15分の充電で約7時間駆動するとしています。グーグルは両モデルがワイヤレス充電に対応していない理由として、このスピードを挙げています。同社のスマホ「ネクサス」では、2012年からワイヤレス充電を採用しています。

 ハードウエアの要素で明らかに欠けているのは防水機能です。今ではアップルとサムスンそれぞれの旗艦スマホに防水機能が備わっているため、ピクセルにないのは意外です。マイクロSDカードスロットもなく、安上がりにメモリーを拡張するわけにもいきません。(iPhone 7と同様、ピクセルの価格は32ギガバイトだと650ドルからだが、128ギガバイトは100ドル高くなる)

 グーグルは12.3メガピクセルのカメラについて自慢しており、入手できるスマホカメラの中で最高になるとまで言っています。しかし、われわれは性能をテストしなくてはならないでしょう。4日にはそれができませんでした。

 テストの準備ができていたのは、ピクセルで初めて登場した「アンドロイド」ソフトの最新バージョンです。目玉の人工知能(AI)「グーグル・アシスタント」は、スクリーン上のホームボタンを長押しして使います。普通の質問をすると信頼できる回答が返ってきますが、それだけではありません。例えば、ラップ歌手の「カニエ・ウェストのツイッターページを見せて」と言うと、ツイッターアプリのウェストさんのプロフィルが自動で開きます。飛行機に乗る予定があれば、空港に向かう時刻をリマインドしてもらうこともできます。

 グーグル・アシスタントはアンドロイドに盛り込まれているため、ユーザーがスクリーンで見ている物のスキャンやユーザーが次にしたい行動の予測すらできます。前身の「ナウ・オン・タップ」に似ているのです。

 ピクセルではアンドロイドの見かけが変わりました。アプリケーションはいずれも丸いアイコンで表され、ホームスクリーン上部には検索バーの代わりに「G」マークのボタンがあり、ホーム画面下部にはアプリを載せたすりガラスのトレーのようなものがあります。これもiPhoneに触発されたデザインかもしれません。

 ピクセルで撮影した写真や動画は自動的に、「グーグルフォト」アプリ経由でクラウドにアップロードされます。その際、画素数は変わりません。

 ピクセルとピクセルXLは、デイドリーム・ビュー(79ドル)の頭脳とディスプレーの両方の役割を果たす初のスマホです。デイドリーム・ビューは、段ボール製の「カードボード」から大きくステップアップ。軽量プラスチックと柔らかい布でできています。

 これまでのところ、VRゲームや360度動画などはほんの少ししかありませんが、グーグルは年内に50本超が利用できるようになるとしています。

 デイドリーム・ビューをかけるとまず、オプションのメニューが見えます。筆者は水生の恐竜が博物館を泳ぐユーチューブの360度動画を見たり、デイドリームの小型リモコンを使ってレーシングゲームをしたりしました。

 だが、ヘッドセットはストラップをするだけなので、ずり落ちそうな感じがしました。頭を素早く動かした時は特にそうでした。

 グーグルによると、主要電話メーカー数社がデイドリーム対応スマホの年内発売を目指しているとしています。それらのスマホは、デイドリーム・ビューと合わせて使うこともできるといいます。

 ピクセル、ピクセルXL、デイドリーム・ビューを30分間いじってみて、1つわかったことがあります。グーグルは消費者向けハードウエアで支配を拡大していますが、より正面から取り組んでいるのはソフトとサービスです。(ソースWSJ)

ブラックベリーの栄枯盛衰物語!

2016-10-01 12:40:10 | ネット、ビジネス、IT
カナダ・オンタリオ州ウォータールーのベーグル店の上にあったオフィスから飛び出した携帯型端末「ブラックベリー」は、世界トップクラスのブランドに成長しました。誰もが持ちたがるステータスシンボルとなり、コミュニケーションのあり方も変えました。

 しかし、世界のスマートフォン市場で圧倒的な地位を誇ったのもつかの間、ブラックベリーは軽んじていたライバルによって主役の座を奪われてしまいました。ピークだった2011年には5230万台に上った販売台数も、直近の事業年度では320万台に減少。通信機器メーカーのブラックベリーは28日、自社でのスマートフォンの設計と生産を打ち切り、外部委託に切り替えると発表しました。

 ブラックベリーは短期間で信じがたいほどの成功を収めた結果、さまざまな苦悩に直面することになりました。ブラックベリーの創業者で主席エンジニアだったマイク・ラザリディス氏が携帯端末を研究している間、会社は何年もウォータールーでくすぶっていました。その後、ブラックベリーは電子メールを送受信できる世界初の携帯型端末を発表、2000年代初めに突如、トップメーカーに加わったのでした。

 当時、工場が1つしかなかったブラックベリーは世界的な需要に歩調を合わせ、新施設を開設しようと奔走しました。四半期の売上高が前期比で20%も増加したときも、既に大急ぎで行っていたスタッフの採用に拍車がかかりました。月曜日の新入社員説明会には参加者が何台ものバスでやって来たことも珍しくなかったのです。その結果、実務に追われたブラックベリーの幹部はわずかなミスも許されない技術競争に目を向けなくなりました。

 ラザリディス氏らブラックベリーのチームが成功したそもそもの要因は、不安定なデータ用ネットワーク上での周波数帯域を浪費しない新技術を編み出したことにありますが、要因はもう1つありました。それは、機能を搭載したキーボードのおかげで初心者でも簡単に電子メールがやりとりできることでした。

 しかしラザリディス氏と共同最高経営責任者(CEO)のジム・バルシリー氏は急増する需要への対応にばかり目を向け、シリコンバレーの大手ライバルから目を離していたのです。そしてあっという間に追い抜かれてしまいました。

 07年の夏、アップルが発売した初代iPhone(アイフォーン)を解体したラザリディス氏は、しゃれた本体に非常に多くのコンピューター機能が収められていることに衝撃を受けました。ばかげている。ラザリディス氏は同僚に言ったのです。当時の通信ネットワークでは、動画や写真を含め、アップルがユーザーに約束したインターネット通信を処理できるわけがなかったのです。

 ラザリディス氏らブラックベリーの幹部は、野心に満ちたアップルがゲームのルールを変えたことを理解していませんでした。アップルは通信大手のAT&Tと独占契約を結び、AT&Tにとってこれがネットワーク更新の大きなインセンティブとなったのです。

 ネットワークが更新されたおかげで、当初、通話の途中に電話が切れる現象に怒りを募らせていたiPhoneのユーザーが、人気ゲーム「アングリーバード」で遊んだりアプリをダウンロードしたりできるようになりました。ブラックベリーが長年、顧客に提供できなかったサービスです。

 07年に検索大手のグーグルが端末メーカーに対し、携帯型端末向けに開発した基本ソフト(OS)「アンドロイド」の使用を無償で認めると発表すると、利害関係にも変化が生じました。韓国のサムスングループなど世界的な端末メーカーは低価格端末を投入し、ブラックベリーの顧客を奪うことができるようになったのです。12年には、サムスンは世界をリードするスマホメーカーになっていました。

 ブラックベリーの苦悩は深まり、同社の時価総額も市場でのシェアも急落した。13年を迎える前にラザリディス氏とバルシリー氏は同社を去りました。ブラックベリーの失敗のあまりの深刻さに、数年前にはラザリディス氏でさえブラックベリーが早晩、時代遅れになることを悟ったのです。生産中止を恐れたラザリディス氏は13年にブラックベリー本社近くの家電小売店でブラックベリーの在庫を買い占めました。

 その理由について、1998年にブラックベリーを世に送り出したラザリディス氏はこう語っています。「最も恐ろしいのはブラックベリーを持てなくなることだ」。世界のスマートフォン市場でのブラックベリーのシェアは今や1%を切っています。これを支えるのはブラックベリーを象徴するキーボードを支持する義理堅いユーザーです。バルシリー氏もラザリディス氏と同じく、今でもブラックベリーを愛用しています。同氏が使っているのはブラックベリー・クラシックです。

 昨年、バルシリー氏はトロントで聴衆に向かって言った。「(ブラックベリーを)死んでも離すつもりはない」と。(ソースWSJ)

アップルのSiri:大幅進化してもなお力不足!

2016-09-24 14:52:27 | ネット、ビジネス、IT
アップルは16日に行われた発表会にてヘッドホン端子がない新型iPhone(アイフォーン)を発表し、最新モバイルOS「iOS10」も公開しました。しかしそれ以上に大きな出来事が起きていたことに気付いただろうか。同社が長年苦労してきたSiriが、ついに会話型アシスタントとして大きな変貌を遂げたのです。何年にもわたってSiriに罵声を浴びせてきた筆者も、最新版を利用してみたらその性能の向上を実感することができました。

 iOS10と利用することで、Siriは配車サービスのウーバーやメッセージアプリのワッツアップなどサードパーティーのアプリも操作できます。20日にリリースされたデスクトップ向け基本ソフト「Mac OSシエラ」を使えばSiriはデスクトップでも利用でき、メール送信などの基本的なタスクもこなせます。新たに発表された「アップルウオッチ・シリーズ2」上でも、Siriは素早く情報を処理します。そして10月に発売されるエアポッズを通せばSiriは無線で操作できます。まるで映画「her/世界でひとつの彼女」の主人公のように、利用者の耳元でSiriが甘い言葉をささやいてくれるのです。人工知能が日常生活に大きくかかわっていく未来社会がついに幕を開けたと言っていいでしょう。

 とは言え、最新のSiriの進化を実感すればするほど、その欠点も浮かび上がってきたのも事実です。「すみません、ジョアンナ、よくわかりません」と何度言われたことか。Siriは機能面でもグーグルやアマゾンの音声アシスタントの域にはまだ到達していないと感じたのです。

 筆者がこれまでSiriを活用していた唯一のタスクが、朝の目覚まし時計を設定することでした。眠気と戦う中で目覚ましを操作する手間と比べ、Siriは簡単にアラームを設定してくれる。最新版のSiriではそのような使い方がアップル以外のアプリでも可能になるのは便利です。

 スマートホンを使って配車を呼ぼうとする場合、これまでは利用するアプリを開き、メニューを操作しなければいけなかったのですが、今は「Siri、ウーバーを呼んで」と言うだけで済みます。「Siri、午後2時にあのキューバ料理屋でランチをしたいとワッツアップでジャラードに連絡して」といったような指示でも、Siriはスペルミスすらせずにちゃんとメッセージを作成し、送信をします。「お昼の割り勘代の10ドルをジャラードに送って」と指示すれば、Venmoなどのサービスで送金をすることも可能です。

 しかし一番使う類のアプリの多くがまだSiriには対応していないのも事実。音楽サービスややることリストのアプリ、そしてメールアプリも、アップルが提供している開発キットがサポートしていないのです。それと比べて米アマゾンの音声アシスタント機能「アレクサ」を搭載した機器は、サードパーティー製のアプリを操作できるだけでなく、そのアプリをデフォルトとして設定することすら可能です。

 現時点でSiriが対応しているサードパーティーのアプリはとてもよく機能しており、正確に動きます。筆者もSiriと話す機会を増やしましたが、Siriが普段の会話で使われるShoot an email (メールを送る)というような表現でもちゃんと理解していたことには感心しました。

 ただし質問をする時は分かりやすいように言葉を選ぶ必要もあります。例えば「次の電車はいつ?」と聞いた際、Siriはウィキペディアの「電車」の項目を立ち上げました。そこで質問を変えて「乗り換えの順序を教えて」と聞き直してみたところ、やっと時間も含む情報を正確に表示してくれたのです。

 一般常識に関してはSiriはグーグルやアマゾンの音声アシスタントに後れを取っていることは否めません。「2016年の米国大統領選の第1回候補者討論会はいつ?」という質問で人工知能同士にクイズ対決をさせてみたところ、グーグルは9月26日の月曜日の午後9時からだと正確な答えを教えてくれました。アレクサは日付は合っていたものの、時間は間違えていました。一方のSiriの返事は「ウェブで、2016年の米国大統領選の第一回候補者討論会はいつ?を検索しました」でした。アップルによると、Siriには2週間に一度のペースで新たなデータを追加し、改善作業を行っているといいます。

 デスクトップで利用する場合、Siriはマウスやトラックパッドの代役にはなりませんが、それら機能を大きく補助することができます。大きなスクリーンでマルチタスクをこなしたい場合、こつさえつかめばかなり便利になるはずです。

 マウスやキーボードを操作してカレンダーアプリを起動し、そこに予定やメモを書き込む作業も、Siriに代行してもらえば半分の時間で済みます。フェイスブックとツイッター以外は現時点ではMac上でSiriがサポートしているサードパーティーのソフトはありません。なので残念ながらアップル製のアプリを使わなければなりません。

 デスクトップ上でひとつの作業をこなしながらSiriに違うアプリを起動してもらう使い方も便利です。音声コントロールやファイルの検索といったシステム関連の作業も、Siriに代行してもらえると助かります。筆者のデスクトップ画面はかなり散らかっているので、この機能は本当に便利でした。

 ただしSiriの起動方法には問題があります。iPhoneの場合は呼びかければ自動的にSiriが起動しますが、デスクトップではコマンドボタンとスペースバーを同時に押すか、ドックにあるSiriのアイコンをクリックしなければなりません。それと比較してアマゾンのマイク付き音声認識スピーカー「エコー」やマイクロソフトの「コルタナ」は(プライバシーの観点から少し怖い気はするものの)利用者の声を聞き続けていて、部屋の反対側から話しかけても反応してくれます。

 エアポッズを使ってSiriと会話をすると、家にいても仕事をしていても、用事がなくても話を続けたくなってしまうはずです。無線のエアポッズで操作する場合は、エアポッズを2回軽くたたくとチャイム音が鳴りSiriが起動します。声を拾うマイクの性能は驚くほどいいです。地下鉄に乗っている時に曲を早送りし、洗い物をしながら天気予報を立ち上げることもできました。もちろん、従来通りの有線イヤホンを使っても同じことはできますが、無線イヤホンでこれができるのはクールです。人工知能がワイヤレスで人の生活に寄り添う未来の世界がついに到来した感があります。

 ただし、そのような夢の未来が完全に実現したというにはまだ早く、エアポッズは確かに近未来的さが魅力ですが、それ以上の製品にはなりきれていません。Siri以外のアシスタントにも言えることですが、音声認識をするアシスタントは人間と自然な会話を続けることがまだできないのです。例えばアップルの最高経営責任者(CEO)であるティム・クックとミーティングを入れるようにSiriに指示したあと、「彼に関する情報」を調べるように追加でお願いしても、Siriはその「彼」が誰を指しているのか理解してくれないのです。

 グーグルのアシスタントは利用者に関する情報を集め蓄積して分析しますが、アップルはそのような行為はしないとしています。ライバル会社がそのようなデータを使う中でアップルが今後も彼らと争い続けられるかは不透明です。

 SiriはSRIインターナショナルが開発し、その技術をアップルに売却しました。SRIでSiriを共同開発したノーマン・ウィナースキー氏は、音声認識アシスタント開発の難しさは「一言一言を着実に聞き取り、テキスト化すること」ではなく、「会話の内容や意図を理解することだ」と話ししています。

 しかしウィナースキー氏は今後20年で、人間の活動の90%が人工知能によって補助されるだろうとも予測さす。「今ジョアンナが行っていることの10%はジョアンナ本人が処理しなければいけませんが、他の90%はSiriのような人工知能に任せることができるだろう」と同氏は筆者に話してくれました。

 最新のSiriはそんな時代に向けての第一歩となるかもしれません。まずは「今年の米大統領選の候補は?」といった質問に答えられるようになるところから、取りかかるべきだが。(ソースWSJ)