今まで盲腸も虫垂も同じだと思っていませんか。そして盲腸炎と言うのは古い言い方で、最近は虫垂炎というのが正しいのだと思っていませんか。しかし盲腸も虫垂もおなかの中に立派にあるのです。
盲腸は小腸と大腸の境目にあります。「盲」というのは「突き抜けてない」と言う意味で、大腸も小腸も先が抜けていますが、盲腸は先がめくらになっています。だから「盲」なのです。もともとはどこかにつながっていたらしいのですが、先が細くなって退化しています。まるで芋虫がぶら下がっているようなので「虫状突起」または「虫垂」と呼ばれます。
哺乳類では消化しにくい植物を食べるため幾つかの袋を発達させて、「発酵タンク」として栄養を取りました。牛や羊は胃を幾つかに分散させて消化します。ウサギや馬は盲腸を発達させました。肉食や昆虫食の哺乳類には盲腸がないか、あっても非常に小さいものになりました。人間は雑食なので盲腸は小さい方です。
虫垂はウサギや類人猿にもあります。虫垂炎はサルやネズミにも起きます。人間もかなりの頻度で起こします。今まで「盲腸炎」と言っていたのは実は「虫垂」が炎症を起こしていたのです。場所が近いので「盲腸炎」と言っていたのでしょう。手術も抗生物質も無かった時代では、「命取り」の病気でした。そして、盲腸そのものを退化させてしまった動物さえ多くいるのに、わずか痕跡程度ですが、まかり間違えば命さえ危ない「虫垂」ですが、昔は退化したもので役に立っていないと他の手術の時に一緒に切除していたことがありました。
ところが最近の研究で、体に必要ない組織と考えられていた虫垂が腸に免疫細胞を供給し腸内細菌のバランスを保っていることを大阪大などのチームがマウスで明らかにしたのです。
チームの竹田潔大阪大教授(免疫学)は「バランスが悪くなると食中毒も起こしやすい。虫垂をむやみに取らない方がよい」と話しています。腸内細菌のバランスが崩れて発症する潰瘍性大腸炎やクローン病の新しい治療法開発も期待されているのです。
虫垂は盲腸の端から伸びる細長い組織。体内に侵入した病原体などを攻撃する免疫細胞を作る働きを持っています。ただ虫垂炎を起こすことがあり、他の病気の開腹手術の際、大きな影響が出ないとして切除されることがあります。
チームは虫垂を切除したマウスと、していないマウスを比較。切除したマウスの大腸内では、腸内細菌のバランス維持を担う抗体を作る免疫細胞が半分になっており、バランスも崩れていました。虫垂でできた免疫細胞が大腸と小腸に移動していることも確かめており、虫垂が腸内細菌のバランスを保つのに役立っていることが分かったのです。
つまり今まで「無用の長物」として見られていたものが重要な役割を果たしていることが分かったという事です。
盲腸は小腸と大腸の境目にあります。「盲」というのは「突き抜けてない」と言う意味で、大腸も小腸も先が抜けていますが、盲腸は先がめくらになっています。だから「盲」なのです。もともとはどこかにつながっていたらしいのですが、先が細くなって退化しています。まるで芋虫がぶら下がっているようなので「虫状突起」または「虫垂」と呼ばれます。
哺乳類では消化しにくい植物を食べるため幾つかの袋を発達させて、「発酵タンク」として栄養を取りました。牛や羊は胃を幾つかに分散させて消化します。ウサギや馬は盲腸を発達させました。肉食や昆虫食の哺乳類には盲腸がないか、あっても非常に小さいものになりました。人間は雑食なので盲腸は小さい方です。
虫垂はウサギや類人猿にもあります。虫垂炎はサルやネズミにも起きます。人間もかなりの頻度で起こします。今まで「盲腸炎」と言っていたのは実は「虫垂」が炎症を起こしていたのです。場所が近いので「盲腸炎」と言っていたのでしょう。手術も抗生物質も無かった時代では、「命取り」の病気でした。そして、盲腸そのものを退化させてしまった動物さえ多くいるのに、わずか痕跡程度ですが、まかり間違えば命さえ危ない「虫垂」ですが、昔は退化したもので役に立っていないと他の手術の時に一緒に切除していたことがありました。
ところが最近の研究で、体に必要ない組織と考えられていた虫垂が腸に免疫細胞を供給し腸内細菌のバランスを保っていることを大阪大などのチームがマウスで明らかにしたのです。
チームの竹田潔大阪大教授(免疫学)は「バランスが悪くなると食中毒も起こしやすい。虫垂をむやみに取らない方がよい」と話しています。腸内細菌のバランスが崩れて発症する潰瘍性大腸炎やクローン病の新しい治療法開発も期待されているのです。
虫垂は盲腸の端から伸びる細長い組織。体内に侵入した病原体などを攻撃する免疫細胞を作る働きを持っています。ただ虫垂炎を起こすことがあり、他の病気の開腹手術の際、大きな影響が出ないとして切除されることがあります。
チームは虫垂を切除したマウスと、していないマウスを比較。切除したマウスの大腸内では、腸内細菌のバランス維持を担う抗体を作る免疫細胞が半分になっており、バランスも崩れていました。虫垂でできた免疫細胞が大腸と小腸に移動していることも確かめており、虫垂が腸内細菌のバランスを保つのに役立っていることが分かったのです。
つまり今まで「無用の長物」として見られていたものが重要な役割を果たしていることが分かったという事です。