マックンのメモ日記

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クールジャパン「損して得を取れ」。無料配信、通販で収入確保へ!

2014-04-22 19:43:01 | 経済・金融・投資
日本のアニメやキャラクター関連企業がアジア戦略を見直しています。日本独特のコンテンツは「クールジャパン」として人気が広がるが違法配信や海賊版も横行し、取り締まりやコピー対策は限界に近づいています。そこで東映アニメーションは敢えて無料でソフトを配信し、サンリオは版権を割安に供与する策に出たのです。足元よりも中長期的な利益を見据えた「損をして得を取る」戦略は海賊版対策のクールな切り札になるのでしょうか?

例えば現地ではこんな様子が見られます。深夜、バンコクのスワンナプーム国際空港でタクシーの運転手さんが客待ち時間にタブレットで日本のアニメを見ていました。お気に入りは「ワンピース」や「NRUTO」です。「英語字幕だけど、どれもインターネットで無料だよ」と屈託ない笑みを浮かべています。

そしてお気に入りの無料サイトが、2013年5月に始まった「DAISUKI」です。違法サイトではありません。運営しているのは東映アニメやバンダイナムコホールディングス傘下の制作会社サンライズなどれっきとした日本のアニメ関連会社です。「機動戦士ガンダム」や「ルパン三世」など海外で人気の30作品を無料で視聴できるのです。

最新作は日本の放送と同時配信するそうで、視聴者は3月末時点で欧米アジア十数ヵ国130万人ですが、今後5年で3000万人まで増やすそうです。ダイスキは広告収入とネット通販で利益を得るそうです。その事業モデルとしたのが違法な広告、海賊版商品のネット通販で暴利をむさぼる宿敵の違法配信サイトです。「この枠組みで違法配信を骨抜きにする」と、ダイスキの柴田社長は意気込んでいます。

配信が無料でも、ファンになれば大部分の人がDVDや関連グッズを集めるので経済効果は大きいと話しています。アニメやアイドルには熱狂的なファンが多く、所得水準が低い東南アジアでも数万円の限定品が売れると言います。ダイスキの視聴者が一人当たり年間1万円を使えば現時点でも年130億円の売上高が見込めると計算しています。

バンダイナムコグループもガンダムの情報を集約したサイト「ガンダムインフォ」で無料配信を強化すると言います。11年3月から始め、現在は41カ国・地域で視聴できるそうです。字幕は中国語、韓国語、英語で3月からタイ語を加えたそうです。中国のようにテレビ放送していない国は日本と同時配信するそうです。放送しているシンガポールやマレーシアは半年ずらし、稼ぎの本丸であるテレビ局への放送権販売に支障が出ないようにしたと言います。

このようにサイト限定で5000円の高額なプラモデルを売ったりイベント告知で小売店に誘導したりします。ガンダムインフォを経由した玩具売上高は海外全体の売上高の1割を稼ぐと言います。「損をして得を取れ」で先行するのがサンリオのキャラクター「ハローキティ」です。シンガポールのパン屋、マレーシアの薬局、タイの銀行など各地に出没するキティちゃん。これは08年にグッズの自社開発戦略を見直しキャラクターのライセンス供与で稼ぐ方式にしたからです。供与先は2500社以上に増え、14年3月期の海外事業の営業利益は209億円と5年前の2,3倍になったそうです。

韓国は政府がコンテンツ企業に補助金を出すなどの積極策によってアジアに「韓流ブーム」を生み出しました。同国政府によるとコンテンツ輸出額は12年に年46億ドル(約4700億円)を超え、日本とはだいぶ差があります。日本政府も重い腰を上げ13年11月、日本文化の発信につながる産業を支援する官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)を設立しました。今後5年間で1500億円を投資します。違法配信などに負けない仕組み作りでも官民の連携が不可欠です。頑張れ日本。