マックンのメモ日記

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植物繊維の「セルロース」から夢の素材が生まれた!

2014-04-15 16:25:49 | ネット、ビジネス、IT
矢野京都大教授によると、「それは鉄よりも強くガラスのように熱膨張力が小さくなる材料」。一見すると草や葉っぱからできているとは思えないこれがどのくらいの強さを秘めているのかと言うと、鉄と同じ大きさにして食物素材と鉄を比べてみると、植物素材の重さは鉄の半分しかなく、しかもその強度は鉄の約5倍もあるのです。

また植物素材とプラスチィックでは、170度の熱した油に食物素材とプラスチックを入れてみました。するとプラスチックは熱膨張で変形してしまうのに対して植物素材は全く変わりません。これが100%植物素材だという事が信じられない最強の植物素材なのです。

矢野教授が目指しているのは植物でできた自動車を作ることです。京都産業技術研究所で進められているのは車のボディとか補強材としてその素材を活用する研究です。日本製鋼所では最強の植物素材から様々な形状に加工するための技術が研究されています。実現すればドアやガソリンタンクなどもできるようになると言います。

植物の骨格に当たるセルロースと言うものを細かくほどくとセルロースファイバーと言うのになるのですが、矢野教授はこれだけを集めて圧縮することで、とてつもなく強い素材を作ることに成功したのです。99,9%植物がやっていることに0,1%の人間の知恵を加えることで材料として形を変えていくと言います。最強の植物素材を使えばいろいろなものがつくられるような未来がやってくるかもしれません。

森が好きな矢野さんが植物にますます興味を持ったことは当然で、28歳ごろ音の良いバイオリンを作ったのです。音の反響が良くないのは繊維がバラバラだからだと植物繊維をきれいに継ぎ合わせる技術を開発し、普通の木を高音質の木に生まれ変わらせたのです。そのバイオリンは予想以上の反響を呼んだのです。「化学処理で名器に」「音色はストラディバリウス並み」というように。ところが矢野教授の気持ちは晴れなかったのです。こういう研究をやっていていいのかと言う疑問が出てきたのです。木の思いに沿った何かできないかと漠然としたものを持っていたのです。

あるとき激しい台風の時でも木は立ち続けているのを見てはっとしたのです。木は楽器になることが幸せではない。もっと木の本当の思いがあるはずだと。考えた末、自然の木の持つ力を利用して新しい素材を開発しようと考えたのです。どうやって鉄より強い木を作ろうか。これがスタートの始まりになったのです。

木の強さはセルロースのおかげです。セルロースの力を出すにはその周りについている他の物質を取り除くことがカギだと。そこでセルロースを分解してナノレベルまでほどいて行ったのです。そうして解けたナノファイバーは約10ナノメートル(10万分の1ミリ)と言う小さなものにまでになったのです。その小ささは髪の毛の太さを山手線に例えるならば、そこの走る電車の窓1つ分の大きさでしかないのです。

このナノファイバーを隙間なく並べ強力に圧縮しシートを作ったのです。それを何層にも並べ、さらに圧縮したのです。こうして鋼鉄よりも強い植物素材のシートができたのです。木のもっと強くなりたいと思いを形にして科学の新しい境地を切り開いたのです。

その後あるプロジェクトに参加した時、ある企業が透明な繊維補強材ができるのではないかと言ったのです。鉄より強い植物を工芸にできないかと言うのです。もしそれができればガラスに代わる未来型ディスプレイができるのではないかと言うのです。ところが強く固いものをどうすれば透明にできるのか、矢野教授はこの無理難題に取り組んだのです。

しかしなかなかきれいな透明度が出なかったのです。これまで一人で進めてきたのですが、実用化と言う問題に当たり、初めて仲間を作ることにしたのです。そして「あなたにしかできない仕事をしてほしい」と若い人に言ったのです。若い研究員の一人は、水の中にガラス棒を入れても見えるがサラダ油の中に入れるとガラス棒が見なくなるのはどうしてだろう。それはサラダ油がガラス棒と一体となったため光の反射がなくなったからだと考えたのです。そこでセルロースファイバーに光を反射する樹脂をしみこませたら透明にできるのではと考えたのです。こうして透明フィルムが出来上がったのです。

他の研究員も水に強く変形しづらい特性を持たせたのです。さらに他の研究員がセルロースを容易に解く技術を開発したのです。こうして実用化に向けコスト削減にみんな大きく貢献したのです。こうして念願の植物生まれのディスプレイ材料が形となったのです。

今年になって、薄さ50分の1のセルロースナノファイバーシートに進化遂げたのです。このシートは大きさも無限大に拡大できるうえに非常に薄いため折りたためるディスプレイとして使えるのです。これを壁に張って世界旅行した気分を味わえるのです。車の色もその日の気分で色を変えることもできます。そして光を集めるパネルにも応用できるため宇宙での太陽光発電にも役に立つと言います。