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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

インデックスファンドの低コスト化進む。一方で注意点も

2015-11-09 16:13:16 | 投信

少し前になりますが、2015.10月24付の日経新聞で
投信コスト二極化-「超格安」の指数連動型、20~40代つかむ 高齢層、高くても積極運用型
という記事がありました。 

記事によれば、三井住友アセットマネジメントが、これまで確定拠出年金(DC)向けだった超低コストのインデックスファンドを、ネット証券向けに一般販売を始めたこと。それに対抗して、11月半ばにニッセイアセットマネジメントが「購入・換金手数料なしシリーズ」(=低コストのインデックスファンドのシリーズ)の運用管理費用(信託報酬)を引き下げる予定であることが報じられています。

現状ではニッセイアセットマネジメントからの正式発表はありませんが、これが実現すれば、インデックスファンドの低コスト化が加速しそうですね…。三菱UFJ国際投信(eMAXISシリーズ)や三井住友トラスト・アセットマネジメント(SMTシリーズ)の今後の戦略にも注目したいところです。

低コスト化が進むインデックスファンドですが、注意点もあります。
たとえば、2013年8月26日~9月20日にかけて、みずほ証券とみずほ銀行で取り扱いを開始した(*)インターネット専用投信「i-mizuho インデックスシリーズ」(全22 ファンド)のうちのひとつ、「i-mizuho新興国債券インデックス」が、2015年9月16日に繰上償還されました。
*現在は一部ネット証券でも購入できます。

「i-mizuho新興国債券インデックス」信託終了(繰上償還)にかかる書面決議の結果について

当初はみずほ証券とみずほ銀行のみでの販売(=いわゆる専用投信)であったこと、信託期間が無期限でないこと、先行するインデックスファンドシリーズに対する優位性がそれほど感じられなかったこともあり、純資産総額が伸び悩んだこともあります。が、設定から2年あまりでの繰上償還ははやいですね…

2013年8月のリリースをみると
『幅広い運用ニーズにお応えする当シリーズは、2014 年1 月に開始される少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」にも対応した商品として取り扱いいたします。当シリーズが、若年層を含めた多くのお客さまの中長期的な資産形成の一助となることを目指しております』とあるのですが…。


投信法の改正で、投信の併合に関する手続きは簡素化されましたが、現実には併合は進んでいません。関係者の方にお話をうかがうと、「実務的な問題や併合に伴う(システム等の)コストなどもあって、現実には難しい・できない」とう声が大半を占めます。

では、どうなるのか。投信の併合が進まない中、満期償還や、資産残高の少ない投信の繰上償還は進みそうです。インデックスファンドも、手数料だけでなく、純資産残高の推移や資金の流出入、どこで販売されているのかなどをきちんと確認する必要があるでしょう。

そして、運用会社の姿勢にも注目したいもの。その投信やシリーズを、腰をすえて育てようとしているのか、それとも、販売会社から言われて作っただけなのか…。
長期で資産形成を考えるなら、「継続性」は大切です。