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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

コンファレンスで感じたこと(その2)

2009-02-13 19:52:32 | リンク
海外ETFの売買の中心は機関投資家です。そういう意味では、機関投資家が「国内の証券取引所で取引をしたいなあ」と思ってくれないと売買が活発にならないわけですが、なかなか難しいのが現状です。

その理由の1つは規制緩和が進んだこと。例えば、2008年12月に「海外ETFの届出免除(適格機関投資家への勧誘行為)、特定資産の範囲拡大」されました。これにより、機関投資家については届出のでていない海外ETFも売買できるため、海外の取引所に上場しているETFを取引できてしまいます。

いっぽうで、2009年1月に「FoFs(ファンド・オブ・ファンズ)への投資制限においてETFは適用除外」(投信協会規則・投資信託等の運用に関する規則)となったことで、ETFをパッケージ化したような商品はつくりやすくなるでしょう(せっかくコストの安いETFがパッケージ化されて高く販売されないことを願ってます)。

そして、流動性の問題です。重複上場について、会場から「複数の取引所に上場している場合はどちらを選んだらよいのか? 流動性が分散することにならないか」という質問がでました。やはりこの点が気になるのだなあと実感しましたね・・・。

それに対し、BGIの方は「複数情報はトライアルアンドエラー(試行錯誤)の段階。ただ、欧州の中で複数上場すると流動性が損なわれたことも。1つの取引所に集中させた方がBid-Askスプレッドが小さくなる(コストが低くなる)」といった発言をされていました。
また、一般にはその市場に上場させたほうが売買が活発化する。例えば、アジア市場(のETF)はアジア(の証券取引所)に上場したほうが売買が活発化する。TOKは米国と欧州の株式が90%を占めるので、米国に上場した。TOPIXなら日本で上場させたほうがいい」というお話でした(かなり要約しています)。

こうみていくと、機関投資家は海外市場で割安なETFを買えるようになり、個人については届出済の一部の海外ETFと国内ETFだけ取引するという状況が当分続きそうです。
最後は、インデックスプロバイダー、運用会社、販売会社、みんなで盛り上げていきましょうという形で締めくくられたのですが、個人にもこの輪は広がってほしいですね・・・。