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ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

手作りこんにゃくを食する

2017年11月25日 | 酒と料理と
最近、上さんが友人に誘われてこんにゃく作りに2回ほど行った。
こんにゃく芋から作る本格的こんにゃくである。
以前は、私も何度か作ったことがあって、それほど難しいことはない。
ただ手がかかるのは間違いない。

今回のこんにゃくは前回に比べて出来が悪い。
しっかり形が取れていないというか、若干型崩れの部分がある。
しかし、売り物ではないのでそれで十分なのだ。

さて、手作りこんにゃくのいいところは、まず新しいので刺身にできる。
できたてをきっちり冷やして、薄く切って、酢味噌で食べると美味い。
さっぱりしているので、淡麗な酒に合いそうである。

次に、市販品に比べて空気が入りやすく、身に隙間が多い。これは素人だから仕方ない。
隙間が多い分、調理したときに味が染みこむという利点がある。
その調理したこんにゃくの話。

まず最初の日は、こんにゃくをサイコロより少し大きめに切って、
少量のごま油で炒めて、酒・みりん・濃口醤油・砂糖を加えて煮込む。
鷹の爪を1本刻んで入れ、もう少し煮込んで、味が染みこんだところでできあがり。

と、これを食べたときに、勿論美味しかったのだが、思い付いたのが、
鶏皮を一緒に煮込んだらもっと美味いのではないか。
早速、翌日スーパーで鶏皮が安かったので手に入れて、作ったのが次の料理。

油で、ニンニクを2欠け入れ、こんにゃくを一緒に炒める。
こんにゃくを炒めるのは水分を飛ばすためで、
その後、調味料を入れたときに、ひたひたになるくらいに水を入れ、
同時に鶏皮も適当な大きさに切って入れる。
調味料は前回と同じ。味を見ながら量を調整していく。
煮立ったら弱火で20分ほど煮込み、最後に大きなスプーン1杯くらいの味噌を隠し味で投入。
その後また10分ほど弱火で煮込んで終了。

鶏皮の脂が適当にこんにゃくに絡んで、予想通りの美味さ。
これだから料理は止められない。
次は、牛すじ肉で試してみよう。

さてこれに合う酒はと、ちと難しいが、
滋賀県の北島酒造が醸す、純米吟醸玉栄55%の「Motto GO GO」という変わった名前の酒である。
酒蔵によると、以下の説明がある。
「生酛でもない、山廃でもない、速醸でもない。その名は「さんきおあまざけもと」。明治の世に編み出されたが、管理の難しさから幻となった酒母の製法。 米、水、麹を高温糖化し甘酒を造る。キモト仕込みの酒母から取り出した乳酸菌を投入し、酒母による醗酵を促す。」
難しい!さっぱり分からないが、
生酛造りでさえ手間がかかるのにそれ以上にややこしいとは。



それより味だ。
純米吟醸にしては、香りはかなり控えめだ。
最初飲み口は若干甘く感じられるが、喉を通るときは日本酒度+9.5に違わぬ辛口で切れる。
アルコール度数は18.3度で、普通より2,3度高めである。
甘辛く煮込んだこんにゃくによく合って美味い。
このコラボは止められなくなりそうな感じになってきた。ヤバいぞ。

甘酒を作ってみました

2017年01月27日 | 酒と料理と
先日、NHKで甘酒の効用を放送していましたので、自作することにしました。
ネット上に作り方は多々ありますので、これを参考にやってみます。
自分で作る気になったのは、一つはヨーグルトメーカーがあるからです。
発酵には熱管理が大変ですが、ヨーグルトメーカーがあれば実に簡単なのです。

さて、順を追って作りましょう。
まず、一合の餅米を洗って、炊飯器にセットします。
水の量は二合の目盛りまで入れます。白米を炊くときの倍の量ですね。
次に炊飯器のメニューをお粥炊きにセットして炊き始めます。

炊き上がったら、しばらく冷まします。
冷えてしまってもいいですが、ま、50度くらいになるまで冷ましてから、
米麹を200グラム加えます。それに水を300CCほど入れて全体を混ぜます。
私は初めて作るので、水の量については、今後増減して作ってみようと思っています。
レシピには、200CC説と400CC説があります。
米を炊く水分量にも関係があると思いますが、試行錯誤していけばいいでしょう。

これを、しっかり熱消毒したヨーグルトメーカーの容器に入れます。
温度を60度、タイマーを8時間にセットしてスイッチを入れます。
ヨーグルトの場合は、40度で7時間ですので、ちゃんとセットし直しておくことが大事です。

8時間後に取り出すと、いい香りがします。
スプーンですくって食べると、いい具合に甘酒です。
このままでもいいですが、米粒が少し残り過ぎるかなという感じです。
ミキサーにかけることにしました。
しっかりミキサーにかけると米粒は残りません。でもいまいち甘酒的ではないような気がします。
そこで、3秒程かけてみます。なかなかいい感じです。
ここも好みでミキサーの時間を調整すればいいでしょう。

ペットボトルの容器に移します。
500mlに丁度2本入りました。
要するに、一合の米と200グラムの麹、300CCの水で1リットルの甘酒ができるということです。

賞味期限が何日かは分かりませんが、多分5日もかからず飲んでしまうでしょう。
で一つ気づいたのは、冷蔵庫から取り出した甘酒をレンジで温めると甘さが引き立ちます。
飲む前には温めることをお勧めします。

これに酵母が加わると濁酒です。
自作のどぶろく造りまでもう一歩なのですが、この一歩が遠い。
どうやら、酵母は酒を造る許可を得ていないと手に入らないようなのです。
しかしどんな世界にも抜け道はあるようで、パンを作るときに使うドライイーストでも代用できるとか。
熊本酵母の協会9号酵母が手に入らないもんですかね。

甘酒を温め直して飲みながらこれを書いております。
阿蘇はこのところ冷えるのです。
一昨日はマイナス9.8℃ですよ。
部屋の中でさえ零下なのですから、甘酒でも飲んで暖まりましょう。

国酒の会2016

2016年07月11日 | 酒と料理と
阿蘇市の酒屋、千代の屋主催の「国酒の会」が今年も開催された。
地震による酒の被害は、約300万円ということだったが、さもありなん。
日本酒にしろ、焼酎にしろ、相当な品揃えで、単価の高いものが多かったのだから。

それでも、復興のために、こんな時だからこそということで国酒の会は開催された。
場所はやはり被害を受け、源泉の一本が出なくなったという「プラザホテル」。
阿蘇では誰もが何かをするときは、被災を乗り越えようと手を携えてやるしかない。
そうでないと阿蘇は生き返らない。

国酒の会2016には250人の客が、市内、県内外を問わず集って日本酒を楽しんでいた。
久しぶりに合わせる顔がいて、挨拶は地震の被害で始まり、
無事を喜び、1年ぶりに美味い酒を飲めることを楽しみ、
主催した千代の屋さんに誰もが感謝した一夜だった。

肝心の酒の味に関しては、今年はなぜか印象に残るものがなかった。
強いて言えば、「東洋美人」の地帆紅(ジパング)くらいか。
6月に飲んだ、「獺祭等外23」の味があまりにもインパクトが強くて、
何を飲んでも、舌があの味と比べてしまうようで、
その酒が持っている独自の美味さを嗅ぎ分けられなくなっている。

おまけに、加齢のせいか、嗅覚・味覚ともに若干の衰えがあるような気もする。
日本酒の微妙な美味さが、最近ぼやけるようになっているようだ。
そろそろ、いろんな酒に手を出すのは止める頃合いで、
これと思う酒をじっくりと突き詰めて飲めということかもしれない。
でも、季節限定とか、何本限定販売という宣伝文句に弱いからなぁ。

7月から始めた、週2日の飲酒日で、後の5日はノンアルコールと決めた飲酒習慣もあるので、
毎日飲んでいた今までのようには本数も必要ないし、
少々高くても今まで飲んだ酒で、これはと思うものに特化してみようかと思っている。

それでも、今手持ちの酒は飲んでしまわんといかん。
「村祐」の吟醸生、「黒牛」の特別純米生、これはいずれも1.8L瓶。
他に、4合瓶で「風の杜」アルファタイプ純大吟、「角右衛門」純吟の荒貴混和、
そして「獺祭」39のスパ-クリングが残っている。

週2日だけの飲酒だと、4合瓶でも最低3日はかかる。
その計算で言えば、24回分の酒が手持ちであるということだ。
週2回だから、12週分、つまり約3ヶ月は新しい酒は買えないのです。
これもまた寂しいなぁ。
しかし、早く冷蔵庫の野菜室を空けないと、上さんの「ほんに邪魔ね」の台詞が出そうです。

閑話休題

国酒の会、千代の屋さんの意気や良し。
来年もまた是非に開催を。
もう少し味覚を磨いて臨みますのでよろしく。

獺祭のこと

2016年06月16日 | 酒と料理と
未だに余震がある中で、本震から2ヶ月目の今日。
酒の話を地震後のブログ再開に持ってくるとはと何事かと、お叱りを受けるかもしれませんが、
少しは余裕が持てるようになったと、お許し下さい。

先日東京駅に行く機会があって、在来線から新幹線に乗り継ぐ場所に来た。
JRジパングクラブに入会しているので、
その特典を使って、仙台までの新幹線チケットを3割引で購入するのだ。
ジパングクラブの会費は3,000円だが、新幹線を1回使えば会費は回収できる。

それはさておいて、そこの地下にショッピング街があって、
お土産や弁当を売っている。
昨夜、タイ料理を肴に友人夫妻と飲んだので、あまり食欲がない。
ぐるっと1周して、結局柿の葉寿司の6個入りを車内の昼食弁当として購入。

会計を待っている途中外に目をやると、ガラス越しに通路向かいの酒屋の棚が見える。
柿の葉寿司を下げてその酒屋に入ってみると、「獺祭等外米23」という瓶がある。
えっ、今最も手に入りにくい酒の一つ「獺祭」が、しかも等外米というのは何だ?

瓶を手に取ってみると、くず米として処理していた山田錦を使って造った酒だ。
等外米なので、23%精米にもかかわらず、大吟醸表示はできないらしい。
また、等外米で造った酒は足が速いので、3ヶ月くらいで味が落ちるということだ。
そういった話を店員のお兄さんから聞きながら、ムクムクと飲んべえのスケベ心が頭をもたげる。
これで2,500円なら御の字だろう。仙台で仲間たちと一緒に飲むべえ、と1本手に取る。



で、飲んだ話。
仲間の一人に獺祭に詳しいのが一人いて、それでもこの瓶は初めて目にするらしい。
日本酒好きが4人いて、皆の感想はほぼ一緒。
旨い!
香りは結構華やか、すっきりと流れて、だがそれほど辛くはない。
う~む、獺祭恐るべし。
等外米で酒を造るという発想、それをこのレベルまでの酒にする技術、
昨年大きな工場を造ったからできることなのか。

東北には3泊4日して、そのうち一晩は、山形市で十四代を8種類ほど飲んで東京のその店に帰ったが、
残念ながら、獺祭は既に姿を消しておりました。
当然です、私が買ったとき既に3本しか残っていなかったのだから。
十四代のどの酒よりも印象に残った「獺祭等外23」。
今度はいつ出るのか。なにぶんにも、賞味期限3ヶ月という規格外の酒ですからね。
しかも獺祭というメジャーブランドですから、無理かな。

月の輪 木槽掛けしぼりたて

2016年02月29日 | 酒と料理と
今年の新酒の収穫は、なんといってもこれ。
岩手県の月ノ輪酒造が醸す、「月の輪 木槽掛けしぼりたて」

酒の詳細は取り寄せた販売元である「くるみや」のサイトによると以下。

原料米 ぎんおとめ他
精米度 70%
酵母 ゆうこの想い
アルコール度 18%
日本酒度 +1.5 酸度 2.0
アルコール度数はかなり高い。
精米度数は吟醸酒などに比べると低いが、全く気にならない。



昔ながらの木槽で袋搾りした日本酒だそうで、
薄にごりの澱があり、フレッシュで、香りも立つが、
口に含んで飲み込むときにこの酒の真骨頂がある。

飲み込んだ後に、爽やかでありながら豊かに米の香りを口に残して消える。
数ある新酒のフレッシュな酒の中でも、すばらしい感覚の酒である。
久々に噛むように飲める酒に出会った。
これは、ぎんおとめという米だからか、或いは「ゆうこの想い」という酵母のおかげか、
それとも、木槽掛けしぼりという、手間のかかる手法によるものなのか。

淡麗辛口とか濃醇甘口のくくりができない、というかそんなものどうでもいいという酒。
旨かったです。思わず、「うまい!」と口に出したのでかみさんがこちらに顔を向けた程です。
すっかり虜になってしまった。
ネットで探して、再び取り寄せました。

酒のつまみは何にしましょうかね。
料理でもいいのだが、今回は南関の物産館で買った、イカ天スナックでいただこう。

以前福岡に住んでいる娘が酒のつまみにと買ってくれたもので、
すっかりはまってしまったイカ天は、
瀬戸内レモン味のイカ天で、食感は100円のスナックイカ天と変わりはないが、
レモンの酸味と塩味が奇妙にマッチして、しつこくないので、なんぼでもいける。



これをチロチロ囓りながら、月の輪 木槽掛けしぼりたてをクイッと空ける。
不思議に合うのです。お試しあれ。
まだ在庫がありますかな?
以下がくるみやさんのサイトです。
http://www.sakaya1.com/