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ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

13年ぶりの開栓

2019年05月07日 | 酒と料理と
10連休も終わりましたが、ひたすら引きこもっていました。
動くのは連休終了後です。何しろ、1年中連休の身ですから。

3日には福岡から娘家族が5人でやって来たので、BBQをしました。
イカの一夜干しと野菜以外はほぼ肉なので、ビールのあとのワインは赤を用意しました。
2006年の井筒ワイン、コンコードの中口。一番安価なワインです。

なぜか開けるのを躊躇って、躊躇っているうちにより開けられなくなって、
2012年の水害による床上浸水の時に、ぷかぷかと部屋で浮かんで、ラベルは哀れな状態になっていました。
それからでも7年、あまり条件のよくない場所で保管していましたが、さてちゃんと飲めるのか。

ワインオープナーで何度か試したものの、コルクがすっかり劣化していて、全く抜けません。
仕方がないので、押し込んで、結局はコルクはワインの中に沈んでしまいました。
13年ぶりに空気に触れたワインは、味のわからない大人6人に配られ、
「へ~っ、飲めるじゃない」という素っ気ない感想をもらっただけでした。
この13年は何だったのでしょう?


アメリカ産牛肉と豚バラの塊。

孫たちに人気があったのは豚バラを焼いたもの。
それとイカの一夜干しは、焼くそばから売れました。
大人には牛の炭火焼きが好評で、小ジャガイモの焼いたのもおいしかったようです。

BBQの火起こしは私の役目で、いつも一発で起こします。
新聞紙、小枝、炭とだんだんに乗せ、新聞紙に火をつければ、
あとは団扇で炭に火が移るまで扇げば火起こしは完了です。着火剤は必要ありません。


火起こしに興味津々の孫たちは、団扇の順番待ちです

昨年の夏以来のBBQは楽しい一時でした。

久しぶりの一品(逸品)

2018年11月09日 | 酒と料理と
新政酒造は、秋田市にある酒蔵で、いま評判の高い酒造会社である。
非常に真面目な酒造りと革新的なネーミングで日本酒会にムーブメントをもたらしている。
秋田には、横手市にある「阿櫻酒造」も非常に美味い酒を醸す酒蔵があり、
さすがの酒所という気がする。

さて、今回の一品は「エクリュ(生成)2017」。
この酒は、あきた酒こまちという米を原料として、麹米50%精米の大吟醸し立てと言っていいが、
大吟醸や吟醸等の表記はない。生酛純米という表記があるのみ。
私はここに新政酒造の酒造りの自負のようなものを感じるのだが、思い過ごしか。


ラベル

生酛作りという製法は自然にいるたくさんの微生物があるが、
その微生物の中で強い乳酸菌をうまく取り込み、育てるのが「生酛」作りと言える。
ちょっと難しいが、明治半ば頃までの酒造りの主流だったらしい。

味は一般的には、濃醇と言われていて、すっきりした酒を好む人はそれだけで生酛作りを避ける人もいる。
しかしである。
その一般的な思い込みを見事に覆しているのがこの「エクリュ」である。

栓を開けると、なにかしらフルーツ香が香る。
残念ながら、私の臭覚をもっては、洋梨かマスカットか、或いはリンゴかパイナップルか、
そこまで判断するほどに匂い立っているようには思えない。

味はとても爽やか。
すっきりしていると言うより、爽やかという表現がぴったり来る。
かと言って、そのまま無くなるというのではなく、余韻はある。
その余韻も重みはなく、あくまでも爽やかな感じに終わる。

な~んて、偉そうな感想を書いたが、要するに旨い。
アルコール度数15度の原酒だそうだが、クイックイッ行ける。
ともあれ、エクリュ、生成という命名がぴったり来る酒。
久しぶりに感激の一品に出会えました。

さて、何をこの酒の供とするか。
生サンマがあったので、これを数尾買ってきて、初日は自分で捌いて、普通に刺身を供に、旨い!

2日目は、サンマの煮物。
これは、圧力鍋に梅干し数個と醤油、味醂と砂糖を適量(目分量)、
身や骨を柔らかくするために黒酢を少々入れて火を入れ、
10分程度で火を消し、そのまま圧力が抜けるまで放っておけば完成。
実はこの料理はサンマが冷えてからの方が美味い。
缶詰同様、骨まで柔らかくなって、身体にも良いし、孫もお気に入り。

初日のさっぱり肴も、2日目の濃い味の肴も、どちらも行けました。
ま、いつものことではありますが・・・。

国酒の会 2018

2018年07月17日 | 酒と料理と
阿蘇市内牧の酒屋、「千代の屋」さんが主催する「国酒の会」が、7月14日に開催されました。
参加者は250名ほど。うち、宿泊パッケージの参加者は100名に及んだそうです。
テーブルに4本置いてある4合瓶の酒を注ぎ合って、少々長い挨拶にイライラしながらやっとの事で乾杯。


生演奏、生歌もありました

最初の乾杯の酒が美味くて、ラベルを見たら佐賀の酒だった。
佐賀県三養基郡基山町にある基山商店の基峰鶴 純米吟醸麗峰。
限定販売商品らしく、特定の取引がある酒屋にしか卸していないらしい。
この酒蔵のものは他に4種類ほど、雄町や山田錦などの米から造られた吟醸酒も中央ブースにおいてあった。


我々のテーブルから見た中央ブース

テーブルにあったのは、ほかに龍力の特別純米、黒龍の吟醸酒いっちょうらいなど。
テーブルにあった中では、基峰鶴が一番評判がよかった。
中央ブースで最も早くなくなったのは、三重県の「作」の「槐山一適水」。
伊勢志摩サミットで提供された酒を造る酒蔵の一つ。
これは美味かった。

そのほかに、東洋美人や、東一、澤屋まつもとなど毎年飲める定番酒もあった。
もう一つ美味いのを飲んだが、銘柄を思い出せない。
最後にテーブルに残った酒は頂いて帰った。
それが分かっていたので、基峰鶴は最初に飲んだ後栓をして取っておいたのだ。

プラザホテルの料理も美味しくて、これだけ飲んで6千円はお得でした。
今年は奥方と大学の後輩との三人で参加しました。
来年は、多分7月の第一土曜日に開催されます。
詳細はまたこのブログで紹介しましょう。

やはり美味い

2018年06月14日 | 酒と料理と
やはり日本酒は美味い。
最近、何を飲んでもあまり美味さが分からなくなってきて、
種類を飲み過ぎて判断できなくなったのか、
年のせいで味を感じる感覚が衰えてきたのか、多分後者の方だろう。

で、久々に美味い酒を味わった。
山形県は秀鳳酒造の「珠韻」
なんと、裏のラベルには、アルコール度数と純米である原材料だけが書いてある。
精米度数や日本酒度などのスペックの表示がない。


裏のラベル

味はどうか。
立ち香含み香ともフルーティーで、コクはあるが当たりは柔らかい。
全体的に非常にバランスの取れた酒質で、いくらでも飲めそうな雰囲気。
獺祭の等外23にも勝る味わい。これより少し甘みは抑えられている感じ。


表のラベル

この「珠韻」はどうやら販売店は限定されているようなので、
どこから手に入れたかは秘密にしておこうっと。

さて、酒肴は何にするか。
第一候補は、ジャガイモの丸揚げチーズ。
奥方の実家で収穫した新じゃがのうち、直径2cm以下のものはほとんど捨てられるのだが、
これを頂いて帰り、よく洗って皮を付けたまま少し堅めに茹でた後、水を切る。
茹でるとき、若干濃いめの塩水で茹でると、味付けの必要は無い。

熱した油で皮ごとまるまる素揚げしたのち、油を切る。
暑いまま皿に載せて粉チーズをたっぷり振りかける。
新じゃがのホクホク感が堪らない。

第2候補は青椒土豆(土豆は中国語でジャガイモのこと)。
材料はジャガイモとピーマンの二つ。
どちらも細切りにして、油で炒める。
ある程度火が通ったら、おろし生姜を少し入れて、味付けは鶏ガラスープのみ。
最後に香り付けにごま油を少し垂らし、シャキッとした食感が残った状態で火を止める。
細切りにしていてもジャガイモは若干生さ加減を残しているが、大丈夫。
これは中国雲南省の大理という町で泊まった宿の、隣にある地元民食堂で食べた思い出の料理です。

いやあ~、純米大吟醸かもしれない「珠韻」の酒肴に、
新じゃが料理のみとは、申し訳ない気もするが、この格差社会。
芸能人や政治家、IT起業家などが見れば、ほとんどゴミのような貧乏人です。
貰ったジャガイモと自宅菜園のピーマンで、ただ同然の酒肴がお似合いなのです。
美味い酒さえあれば。

人間この程度で幸せを感じていれば、○○秘書官とか、○○局長とか、○○大臣とか、
その友達(と自分が思っているだけの)某国の大統領のように、必死になって嘘を突き通すこともないのです。

新じゃがの素朴で深い味わい方を知らず、飾り立てた料理だけが美味い料理と思って一生を過ごすのでしょうか。
いと不憫なり。

可也 福岡の銘酒

2018年03月20日 | 酒と料理と
先日福岡に住む娘の長男が誕生日だったので泊まりがけで祝いに行った。
夕食に出してくれたのが、八女市にある酒蔵の「繁升」が作っている、特別純米酒の「可也」。
新酒のラベルも貼ってあって、早速開けてみる。

純米酒らしく、コクがあるがそれほど重くはない。
意外と優しい口当たりで、含み香も心地よい。
非常にバランスのいい味である。



ラベルを見ると、日本酒度は+2前後、精米は60%で、使用米はかの有名な雄町。
繁升は香りの高い、非常にバランスのいい酒を造っていることは知っていたが、
この「可也」というブランドは初めてだった。

娘によると、福岡の糸島にある糸島産品を売る「JA糸島産直市場 伊都菜彩」で買ったそうだ。
何故糸島か。実はこの原料の雄町が糸島産だからということらしい。
繁升は、地域限定の商品としてこれを販売している。
繁升を売っている店は阿蘇にもあるが、「可也」を見かけなかったのはそういうことかと納得。

この酒は料理は特に選ばない。
ただ、魚なら塩焼き、肉なら塩胡椒だけの味付けくらいがいい。
刺身で食べるには少し濃い感じだが合わないわけではない。
シーザーサラダもいいかもしれない。

ということで、とても美味しいと言ったら、翌朝娘と伊都菜彩に買い物に行った上さんが、
可也の新酒ラベルの一升瓶を買ってきてくれた。
福岡往復の運転代ということらしい。