をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

講談まつりに行ってきた

2022年08月08日 | 落語・講談・演芸
講談まつり
(国立演芸場、8月8日18時開演)

本日は「講談まつり」を見に行ってきました。
寄席の中で講談を聞くことはあっても、全編講談づくしは初めて。
しかもお盆ちかいからか、すべて怪談とのこと。こわごわ行ってきました。

席はほぼ満席。コロナ禍でこれもまた怖いが、皆マナーを守っているからと思いつつ開演を待つ。
若手から中堅、そして大御所へという順番。

まず前座の一龍齋貞奈が「化け猫騒動」で明るく語るが、大事な山場でトチッてしまい残念。
次は、神田山緑が「耳なし芳一」。有名な話だし、声量もあり分かりやすかった。
そして、田辺銀冶が「牡丹灯籠」。ちょうどNHKのTVで「にっぽんの芸能」で歌舞伎や杉村春子が演じたのなどをやっていたが、幽霊は低い声の方が怖いんだな~と思ったのだが。

御休み時間も挟み、あとは大御所2名。
狭いロビーには、演芸関係の展示のほか、きちんとお祓いのお札が祀られていました。

御一人目は宝井琴星師匠の「間違えらえた魂」、怖いというよりちょっとおかしみを醸し出す話方で、やはりこれまでの若手・中堅の方の、はっきり聞きやすいが味がほしいというそれとは一線を画す語り口でした。

お二人目はトリの一龍齋貞花師匠の出番。
照明・演出ありで、語り口も期待していたものでした。三味線を教える女師匠と若い愛人との愛憎譚で、これも「にっぽんの芸能」でちょうど観たばかりだったので、予習済み。TVは歌舞伎の舞台で先代の芝翫が主人公。とても怖い話でした。
講談もとても怖く、トリにふさわしいのですが、怖いシーンで幽霊をお弟子の女性が演じてしまい、変にはっきりした高い声でそぐわないのが残念でした。むしろ大御所本人がそのまま演じてしまうほうがよかったかも。
お弟子の女性は、2回程度の出番とはいえ、歌舞伎などの他の伝統芸能ではどう演じられているか、研究した方がよかったように思います。

全体的には、上手な人の講談は頭にスッと入ってきて、迫力があるな、機会があればまた聞いてみたいと思いました。
怪談については、怖い作品をこれでもかと聞かせるのではなく、ほどほどにという感じでした。
手拭いを投げたりというのがなく、残念でした。

そういえば昔ですが、落語家の桂歌丸師匠の語り口が静かだけど怖かった思い出があります。やはりこの演芸場でしたね。
五街道さんのも聞いたことがありますが、これは凄みがありました。
歌舞伎では、当時の勘九郎(のちの勘三郎)さんがすごかったし怖かったですね。歌舞伎座の電気が途中2回消えて、客席がキャーッとなるのですが、その日は3回目があって、あとで通の人がその演出はあり得ないと…。キャーッとなりました。
講談といえば一龍齋さんが有名でしたが、生で見たことはなかったかも。

なかなか講談良かったです。
今度は勇ましいものでも講談を聞いてみたいなと思った帰り道でした。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 藤山寛美追善公演と藤山直美 | トップ | 映画「あちらにいる鬼」~東... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

落語・講談・演芸」カテゴリの最新記事