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映画「ココシリ」

2006年05月15日 | 映画
(C)Sony Pictures Entertainment (J) Inc. All Rights Reserved.

この映画は中国の秘境、ほとんどチベットのココシリという地域が舞台の映画。
乱獲により希少になったチベットカモシカの密猟者を追うマウンテンパトロール隊を描いた骨太な映画だ。

パトロールといってもボランティアだったというのがスゴイ。何が彼らを正義に駆り立てたのか。
なんと言っても5000m級の高地(ヒマラヤのお膝元。富士山より高地)で、道なき道や、砂嵐、吹雪など、自然とも闘いながら追っていくのだ。
だから、隊員たちは密猟者に無常にに撃たれるだけでなく、砂嵐の中にかき消えたり、車がガス欠で置いていかれ、吹雪の中を死に物狂いで歩いたり、救援物資を積んで出かけたのに、砂に飲み込まれてしまったり、悲壮なのだ。

ただ、かといって正義の士とは言い切れず、毛皮を少し売って活動資金にしてしまう矛盾する面も描かれている。また、密猟者側のセリフも「昔は放牧だけで生活できたのに、砂漠化が密猟者を生んだ」「人間と動物とどっちが大事なんだ」と環境問題や貧困という世界への問題提起も盛り込んでいる。

このパトロールに北京=都市からやってきたジャーナリストが同行するというストーリーなのだが、実際、記事にしたことで海外も含めて議論が沸き、現在は保護区と国家警備隊がおり、カモシカも守られるようになったそうだ。
圧倒されるストーリーと映像に是非触れてみたい人にオススメ。

「ココシリ」6月3日からシャンテシネほか全国順次公開ロードショー
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