紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

叩き塗る筆遣い

2010年10月04日 | 美術館・博物館
挫折、絶望、情熱...そんなイメージを持つ画家、ファン・ゴッホ。「没後120年 ゴッホ展」を見に国立新美術館へ行ってきました。まだ始まったばかりだというのに、午前中からほどよい混雑ぶりで、いかにゴッホの人気があるのかがわかるというものです。初期の作品『秋のポプラ並木』は、この季節にぴったりの風情が感じ取れる風景画。この展覧会ではゴッホの作品だけではなく、彼が影響を受けたであろう画家の作品も展示されています。フランス、アルルで描いた『緑の葡萄畑』は、濃い緑と深い青空が印象的な作品。アルルで芸術家たちの集う「黄色い家」を夢見ていたゴッホ。しかしフタを開けたら、集まったのはたった一人。その生活も瞬時に消え失せ...次第にゴッホに狂気が忍び寄ります。幾度の発作に襲われながらも、絵を描き続けたゴッホ。最晩年に描いた『アイリス』は、黄色の背景に映える青いアイリスの花。その鮮やかな色の対比がすばらしい作品です。そしてゴッホはその数ヶ月後、自らの命を絶ちました。
挫折、絶望、情熱、狂気、無限の孤独...重苦しい空気を感じながら会場出口へ。観賞後は地下のミュージアムショップで、息抜きしたのは言うまでもないことで...。
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