紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

塩田千春展

2019年06月21日 | 美術館・博物館
黒い鉄枠の舟と赤い糸が展示室内を覆う《不確かな旅》。まるで蜘蛛の巣のように赤い糸が張り巡らされた室内。黒い舟から天井に向かって立ちのぼる無数の糸。六本木の森美術館で「塩田千春展:魂がふるえる」が開催されています。
前回のボルタンスキー然り、ここ最近インスタレーションと呼ぶものに興味津々な自分ですが、塩田千春さんの作品を実はまだ見たことがありません。



会場入口にある《手の中に》。どれだけの糸を使っているのやら。



先ほどの赤い空間とは対照的な《静けさの中で》。黒焦げのグランドピアノと観客席の椅子が黒い糸で覆い尽くされた光景に圧倒されます。



黒い糸の中に白いドレスが吊るされた《時空の反射》。



赤い糸で吊るされたスーツケースがゆるやかな階段のように上昇していく《集積―目的地を求めて》。モーター仕掛けでスーツケースのいくつかはゆらゆら動いてます。最後は天井にまで張り付くスーツケースの群れ。



この展覧会を提案された2年前にガンの再発を告げられたそうで、大規模なインスタレーションの中にもこれからの不安感や死の影が感じられます。闘病を経て生まれてきたこの展覧会で、命とは何か、存在とは何か...ふるえる魂が問いかけているようです。

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