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紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

企画展「工事中!」

2019年05月06日 | 美術館・博物館
世間一般のGWを少しでも満喫すべく、連休最終日にお台場へ行ってきました。もうそこまで混雑していないであろう...という予測はまあまあ当たったかと思います。チケットブースも入場口も待ち行列はありません。
日本科学未来館で開催中の企画展「工事中!」では、ショベルカーやブルドーザといった重機がいろいろ展示してあるそうで。こんなのは工事現場でしかまじまじと見られませんし、それが展示物になっている展覧会ってのも非常に気になります。



会場入口では四脚クローラ方式双腕型重機がお出迎え。操縦席はコクピットのよう...ガンタンクのような足回り。




国産初の油圧ショベルカーユンボY-35。なぜ銀色なのかわからず。



キャタピラーの314F油圧ショベル。まあ普通ならここまで近寄れません。



会場内はどこを見ても現場。




「都市」再・工事中!―解体の美学
油圧ショベルの先っちょを付け替えて解体作業。鉄筋コンクリなんでもぶち壊すデストロイヤー。



深海で獲物を狙うかのようなお姿。



看板並べると絵になる光景。


ウィーン・モダン展

2019年04月27日 | 美術館・博物館
クリムトのキンキラキンな女性像は上野のクリムト展。国立新美術館で開催されているウィーン・モダン展にもクリムトの絵画が多数出品。日本とオーストリアの外交樹立150周年が関係あるか知りませんが、クリムトをはじめウィーンの芸術がいま東京に大集結しています。
クリムト、シーレ 世紀末への道と題するウィーン・モダン展。今まではクリムトとかそんなに興味なかったんですけど、シーレの自画像を何かの雑誌で見てピンと来まして。ウィーンの世紀末って言葉もゾクゾクする響きですし。
女帝マリア・テレジアのどでかい肖像画から始まる展示室。絵画だけではなく銀食器や家具、建築、デザインなど多岐にわたる展示がウィーン・モダン展の特徴となっています。ハプスブルク帝国の首都ウィーンは、啓蒙主義の思想によって大改造された都市のようです。
ビーダーマイアー時代の銀器が実用的なのにお洒落。シューベルトが掛けていたメガネもあります。椅子のデザインも素敵。このあたりがモダニズムの原形だそうで。
1900年から世紀末のウィーン展示室では、オットー・ヴァーグナーによる都市計画案を見ることができます。クリムト率いるウィーン分離派のポスターやグラフィックデザインもまたシビれるくらいのセンスです。下側からの照明が怪しい雰囲気を醸し出すクリムトの油彩画《愛》と《パラス・アテナ》。そしてエゴン・シーレの作品が飾られている場所へ...自画像や肖像画などをじっくりと鑑賞。やはりシーレの色使いは良いですね〜で素描作品も素通りしないで是非見てください。描き直しの跡がない力強い線は、シーレの卓越した技術の表れでありましょう。

ユーモアてん。

2019年04月27日 | 美術館・博物館
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「ユーモアてん。 」に行ってきました。世界中の面白いと思えるモノをいろいろ集めた展覧会のようです。まずは変なポスターからお出迎え。ちなみに一部の作品を除き写真撮影は可となっています。ふと視線を感じた先には...え!?



いろんなものが計画性もなく並べられた展示室。ブラウン管テレビから懐かしいCMが流れてます。この人がプロデュースしてたとは。




おピンクのカーテンの奥にはムフフな空間が!!



中庭が石庭になってます。いつもと違うイメージ。



足の箸。



今回ものすごい気になった作品が早川祐太「i am you」(2011年、2013年、2018年)
この造形美...水風船だか何だかわかりませんが素晴らしいですよね。やわらかく見えるのに実はものすごく硬いって、これがユーモアセンスなんでしょうか。

へそまがり日本美術展

2019年04月12日 | 美術館・博物館
3月中旬から府中市美術館で開催されている「へそまがり日本美術」展。あと2日で前期展示が終了するということで、超重い腰をあげて行ってきました。府中なぞ行き慣れていませんので、もちろん府中市美術館も初めて。東府中駅からバスも出ているようですがバス停わからず。駅から歩いて十数分、大きな公園の中にある小洒落た美術館でした。
決して綺麗なものではないものに魅力を感じたり、不恰好なもの完璧でないものにも心惹かれることも...それを「へそまがりの感性」と称して、日本美術に表れる「へそまがり」に注目したこの美術展。強烈なインパクトのある作品、奇想の画家として知られる伊藤若冲や曽我蕭白などの作品も展示されています。
特に徳川将軍の描いた絵がなかなか...家光の『兎図』『鳳凰図』、家綱の『鶏図』。仙台藩士の遠藤曰人もゆるさ全開の作品を描いています。家光の『鳳凰図』は恐れ多くも「ピヨピヨ鳳凰」などという名が付けられているとか。上さま!!!
大きな画面にお多福大集合、岩礼の『百福図』。中村芳中『十二ヶ月花卉図押絵貼屛風』のデザインセンスに心惹かれました。ちなみにピヨピヨ鳳凰は前期展示です。これ見るために駆け込み鑑賞ですよ。

特別展 東寺

2019年04月06日 | 美術館・博物館
東寺の仏像曼荼羅が東京国立博物館に出現しました。東寺講堂の21体の仏像のうち15体がお出ましということです。何年か前にも東寺講堂の「帝釈天騎象像」他何体か見てますけど、今回はその帝釈天騎象像のみ写真撮影可だそうで...気は焦りますがとりあえず第1会場から順に見ていきます。
すぐ入口には風信帖。真言七祖像や密教法具が並ぶ展示室の奥に、秘密の儀式を再現した場があります。堂内の様子は一般人にはうかがい知れぬものですから必見です。蘇悉地儀軌契印図というのは手で結ぶ印のかたちを図で示したもので、これは実に興味深い。曼荼羅図も多数展示されてます。両界曼荼羅図(甲本)は高さ5mに及ぶとか。迦楼羅など八部衆面も見所多し。獅子口取面と獅子子面も面白い。毛の逆立ちが半端ない。
さていよいよ仏像の立体曼荼羅へ。持国天と増長天の迫力に圧倒されます。降三世明王のお姿も素晴らしい...金剛夜叉明王の右足親指に注目。ん!?



春の庭園開放...博物館の北側にある庭園を散策。桜吹雪が美しい。



九条館のガラスに映る桜。

民藝 Another Kind of Art展

2018年11月12日 | 美術館・博物館
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」に行ってきました。民芸品と書くと観光地のお土産物というイメージになりますが、「民藝」とは無名の職人たちによる民衆的工芸...柳宗悦が提唱した民衆の用いる日常品に宿る美のことを言います。日本民藝館の館長を務める深澤直人氏が選んだ民藝の数々を、飾らない素直なコメントだけで紹介する展覧会。実際に展示されている物には細かな説明文などありません(別紙に詳細あり)。「民藝ヤバイ」とか深澤さんのコメント読んでいるだけで面白いです。手渡された紙に紹介文載ってましたが、いちいち読まずにナマで民藝作品を見ますと、直感でこれ欲しいなあ...と柳宗悦の気分になるかもしれません。



現代作家の作品だけ写真撮影可。これ欲しいなあ...。

カタストロフと美術のちから展

2018年10月22日 | 美術館・博物館
藤子不二雄Ⓐ展を見た後は森美術館へ。カタストロフと美術のちから展という展覧会が開催中です。カタストロフ...大惨事という意味ですが、ここ十数年世界各地で発生した大惨事、そこから立ち上がろうとする力は、芸術家にとっても作品制作の大きな力になっているようです。どのように惨事を表現するのか。どうしたら惨事を風化させないようにするのか。復興や再生に向けて美術に何ができるのか...。



ベルギーの作家、ヘルムット・スタラーツの作品。



武田慎平の痕シリーズ。目に見えない脅威。



石鹸の通路。説明書きが恐ろしい。



池田 学の予兆。繊細な描写は何度見ても飽きません。



オリバー・ラリックのミサイル。これが本当であれば惨事を引き起こしかねない。



震災からの復興を願うプロジェクト。ある場所から見ると星が現れます。



坂 茂のクライストチャーチ仮設大聖堂。その模型ですがこれが結構いい...。




クレヨンで描くオノ・ヨーコの参加型インスタレーション。自分は「無」と書きました。たとえ無でもこの言葉は作品の一部になりますので...。



六本木ヒルズの水が流れる壁。何だか癒されます...。

藤子不二雄Ⓐ展

2018年10月22日 | 美術館・博物館
「変な前売券」という名前のオリジナルグッズ付き前売券を買って見に行きました、六本木ヒルズで開催中の藤子不二雄Ⓐ展です。前売りでしか手に入らない全3種類のオリジナルデザインの変な缶バッジがもらえるなんて...早速会場へ。
エントランスには藤子不二雄Ⓐ氏の等身大フィギュアと笑ゥせぇるすまんの「BAR 魔の巣」が出現。ちなみにこの奇妙な世界はすべて撮影可ですので、遠慮なく変なフォトを撮りまくりましょう。



藤子不二雄として活動していた当時の4畳半部屋を再現。



フォトスポット多し。プロゴルファー猿にもなれます。



ブラックユーモア作品の短編ミニシアターが面白い。



笑ゥせぇるすまんは何かの番組のコーナーで放送されたものは覚えてますけど、かなり異色なアニメでした。



造形作家の竹谷隆之氏、影絵作家の河野里美氏とコラボした作品だそうで。



魔太郎がくる!! 来ないでください。



会場終わりにある小さな藤子不二雄Ⓐ氏の映像は必見。


デュシャンと日本美術

2018年10月12日 | 美術館・博物館
東京国立博物館では「マルセル・デュシャンと日本美術」という展覧会が開催されています。あの「便器」でおなじみのデュシャンですが、展覧会のフライヤーを見た時に、あれと千利休の花入れが一緒に写っていたので、こりゃ何だろうとは思っていましたが、デュシャンの作品を通して日本美術の新たな楽しみ方を見出す...みたいな展示内容だそうです。



会場内で光り輝く《泉》。まじまじと便器を撮影する自分はどうかと思いますが。



女装するデュシャンはあいにく撮影禁止!!



こちら日本美術の展示室。千利休の花入れも竹に切り込みを入れただけ。デュシャンの《泉》も単なる便器。あるモノを日常の用途から切り離し、芸術作品として意味付けることを「レディメイド」と呼ぶそうで、デュシャンの《泉》も千利休の花入れも同じ「レディメイド」となるようです。自分で作らんでそこらへんの持ってきて何じゃ!!的なものですが、これぞ究極の前衛美術でありましょう。

フェルメール展

2018年10月09日 | 美術館・博物館
上野の森美術館といえばツタンカーメン展や怖い絵展での長時間待ちのイメージ...そして今回は「フェルメール展」ということで、また大行列必至であろう展覧会が開催されていますが、日時指定入場制というシステムのおかげか列はスルスルと進み、それほど待った感もなく会場内に入ってしまいました。普通なら借りることはないオーディオガイドも入場料金に含まれています。ガイドを首に掛けられて小雑誌(作品紹介)渡されて自分は単眼鏡も用意して、いつもより忙しいスタイルですが早速展示室の中へ。
日本美術展史上、最大の「フェルメール展」と銘打っている通り、現存する35点のフェルメール作品のうち8点(いま現在)がこの展覧会場にあります。そこは「フェルメール・ルーム」と呼ばれています。アセる気持ちを抑えて順序良く見ていきましょう。
17世紀オランダ絵画の数々。肖像画や風景画、静物画に風俗画を静々と鑑賞...上野の森美術館はそれほど大きな施設とは言えないので、静々どころかもみくちゃ状態。前菜なのにこんな大混乱で大丈夫でしょうか!? そんな俗世間と対比するような白く輝く道が目の前に。この先にフェルメール・ルームが...。
今回来日した8点のフェルメール作品、そのすべてがこの部屋に飾られているという。何という贅沢な空間。これぞ奇跡という他はありません。もしパイプオルガンの調べなぞBGMで流れていたら、その場で跪いて祈りを捧げてしまうかもしれないほどの光景です。もう感動!!とかその類の安っぽい言葉では言い表せません。
11年ぶりに《牛乳を注ぐ女》を見ました。パンのうまそうなこと。



日本初公開の《ワイングラス》。毎度毎度のフェルメール展よりはじっくり見られるかも。土日は知りません。