

再び暑い夏が戻って来ました。
一気に秋・・とは、
なかなか行かないようですね。
いずれにしても、
もう少しの辛抱・・でしょうか。
気が付けば、9月もそろそろ半ば・・
この調子で行けば、いつの間にか
年末、なんて事になり兼ねません。
地に足を着けて
暮さねばなりませんね。
さて、冒頭の写真。
昨日に続き、今日もハモンドオルガン。
昨日のものよりは大分新しいですが、
それでもトーン・ホイル式です。
(鉄の歯車を回転させながら、
コイルを近付けて電流を作り、音に変換させる仕組み)

なっています。
楽器もそうですが、
音もそうですね。
デジタル音の溢れている今は、
余計にそう思います。
電源を入れた時のジ~ッと
いう独特の音、そこからして
手作りの匂いが感じられますもの。

こちらも昨日の続きです。
今、改めてレコードを眺めてみますと、ジャケットが何と楽しいのでしょう。
演奏者の顔写真がほとんどですが、中にはこんな風に絵画や版画があったりします。
(写真左はパウムガルトの版画、右はベラスケスの 「8歳のマルガリータ」)
探すのがめんどうですので、手直にあるものを写したのですが、
涼しくなりましたら、他のものも探してみるつもりです。
ところで、今読んでいる三島由紀夫作 『豊饒の海Ⅱ「奔馬」』 に、
こんな記述を見つけました。
時代は昭和の初め。
世相は、少しずつ不穏になって来つつありますが、
まだまだ時間は、ゆっくり流れているようです。

(中略)食事がすむと、 「レコード を聴きましょうか」 と言った。 部屋の一隅にマホガニー色に塗った 箱型の蓄音器がある。 電気蓄音機が流行っているのに、 この家では舶来のゼンマイ式を頑固に使っていた。 井筒が引き受けてハンドルを一杯に回した。(中略) 槇子は12インチの赤盤を選って、 ショパンのノクターン をコルトーが弾いたのを 器械にかけたが、 それは少年達の教養の外にあったのに、 しかも知ったかぶりをするではなく、 彼らは与えられた曲に素直に耳を傾けた。 すると馴染まぬ音楽の、 冷たい水に肌を沈めて泳ぐ快さに似たものが、 気持ちに沁み入った。(中略) 【三島由紀夫作 『豊饒の海Ⅱ「奔馬」より』】 |
