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【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

死のハーブ

2010-09-04 16:09:16 | A・クリスティーの館






   目にする光景は、いつの間にか秋色になって来ていますのに、
  相変わらず気温だけは、猛暑日が続いています。

   それは、これからも続き、向こう10日まで真っ赤な晴れマークがズラリ。
  しかも最高気温は36度。目が点になり言葉もありません。
  この猛暑の原因は、エルニーニョと偏西風なのだそうですね。

   さて今日は、何とも物騒なタイトルになってしまいました。
  こんなに暑いものですから、ちょっと背筋の凍るような話でも・・
  ~なんて思った訳ではありません。(いいえ、少々思ったかも)

   冒頭の写真にもありますように今、
  我が家の庭ではセージが盛りです。
  
   この暑さですのに、ものともせず、
  勢い良く咲くセージを眺めていますと、
  イギリスの諺(ことわざ)にもある、
  「セージが庭にある家に死人は出ない」
  ~の言葉を思います。

   旺盛な繁殖力もそうですし、
  セージには実に様々な効用が
  ありますものね。
  
   実際に私も毎朝お茶にしたり、
  パンの間にハムと挟んだり・・。
  
   ローズマリーと共に、
  欠かせないものの一つとなっています。

   それにしても思い出すのは、
  アガサ・クリスティーの、
  そのものズバリ、「毒草」 という作品。
  (「火曜クラブ」 の中に収められている短編です)
  
   以前にもこの短編の事は記した事がありますが、
  もう一度、本棚から引っ張り出してみました。
   
「(中略)ある日、誰かが手違いから
(でも手違いにもほどがあるって、私、つくづく思いますわ)
ジギタリス の葉を沢山 セージ に混ぜて摘んだんです。
晩餐のお料理の鴨の中にこれが詰め物になっていましたの。
お陰でみんなひどい中毒を起こして、
可哀想にお嬢さんが1人――」
ジギタリス、別名狐の手袋というのは
心臓に影響するんですよ。
ですからある種の心臓の特効薬になっていましてね。
非常に奇妙なケースですな、これは。(中略)」

「(中略)庭の一隅に、ジギタリスセージ とすっかり
ごちゃまぜになって生えている所がありましたから、
間違ったとしても、まあ、無理はなかったのです」 
                   ~アガサクリスティー 「毒草」 より         


   尤も、小説の中では故意にジギタリスの葉っぱを入れた訳ですが、
  私なんかも最近ではつい、“この葉っぱは大丈夫?” ~なんて思ってしまいます。

   我が家の場合、蔓日々草(全草毒)を植えている場所からは離れていますので、
  問題ないと思うのですが、やはり怖いですものね。

   今日のお茶は、紅茶プラス、セージ、ローズマリー、オレガノのブレンドです。
  香りに、ローズゼラニウムの葉っぱを散らして。
  
   テーブル代わりの壺は、珍しく和製ではなく、イタリア製の薔薇の絵柄の物を。
  中には文庫本がぎっしり詰まっています。