


目にする光景は、いつの間にか秋色になって来ていますのに、
相変わらず気温だけは、猛暑日が続いています。
それは、これからも続き、向こう10日まで真っ赤な晴れマークがズラリ。
しかも最高気温は36度。目が点になり言葉もありません。
この猛暑の原因は、エルニーニョと偏西風なのだそうですね。
さて今日は、何とも物騒なタイトルになってしまいました。
こんなに暑いものですから、ちょっと背筋の凍るような話でも・・
~なんて思った訳ではありません。(いいえ、少々思ったかも)

我が家の庭ではセージが盛りです。
この暑さですのに、ものともせず、
勢い良く咲くセージを眺めていますと、
イギリスの諺(ことわざ)にもある、
「セージが庭にある家に死人は出ない」
~の言葉を思います。
旺盛な繁殖力もそうですし、
セージには実に様々な効用が
ありますものね。
実際に私も毎朝お茶にしたり、
パンの間にハムと挟んだり・・。
ローズマリーと共に、
欠かせないものの一つとなっています。
それにしても思い出すのは、
アガサ・クリスティーの、
そのものズバリ、「毒草」 という作品。
(「火曜クラブ」 の中に収められている短編です)
以前にもこの短編の事は記した事がありますが、
もう一度、本棚から引っ張り出してみました。

「(中略)ある日、誰かが手違いから (でも手違いにもほどがあるって、私、つくづく思いますわ) ジギタリス の葉を沢山 セージ に混ぜて摘んだんです。 晩餐のお料理の鴨の中にこれが詰め物になっていましたの。 お陰でみんなひどい中毒を起こして、 可哀想にお嬢さんが1人――」 「ジギタリス、別名狐の手袋というのは 心臓に影響するんですよ。 ですからある種の心臓の特効薬になっていましてね。 非常に奇妙なケースですな、これは。(中略)」 「(中略)庭の一隅に、ジギタリス が セージ とすっかり ごちゃまぜになって生えている所がありましたから、 間違ったとしても、まあ、無理はなかったのです」 ~アガサクリスティー 「毒草」 より |

尤も、小説の中では故意にジギタリスの葉っぱを入れた訳ですが、
私なんかも最近ではつい、“この葉っぱは大丈夫?” ~なんて思ってしまいます。
我が家の場合、蔓日々草(全草毒)を植えている場所からは離れていますので、
問題ないと思うのですが、やはり怖いですものね。
今日のお茶は、紅茶プラス、セージ、ローズマリー、オレガノのブレンドです。
香りに、ローズゼラニウムの葉っぱを散らして。
テーブル代わりの壺は、珍しく和製ではなく、イタリア製の薔薇の絵柄の物を。
中には文庫本がぎっしり詰まっています。