「ポール、何て大きくなったんでしょう! この前来た時より、 又、頭半分、伸びていますよ」 「そうなの。 僕、夜のうちに伸びる 藜草 のように 大きくなるって、リンド のおばさんが言うよ」 とポールはしんから嬉しそうに言った。 【「アンの青春」 第27章】 |
雨で明けた休日の朝。
この “朝から雨”、
随分、久し振りのような
気もします。
今日の雨は穏やかな雨。
その雨もお昼前には上がり、
暗かった室内も
少しずつ明るくなり・・。
本当は今日こそ、外で、
あの藜(アカザ)の下でお茶を
頂こうと思っていましたのに。
今年も藜が背丈をぐんぐん伸ばし、今、格好の目隠しとなっていますから。
【写真は雨粒の宝石を纏(まと)った藜】
一年草のこの藜、それにしても良く伸びます。
リンド夫人 の言葉通りですね。
そうそう、藜の立派な枝。
藜のそれは、杖にもなる程丈夫と言いますから、
出来るだけ切らないで、伸びるだけ伸ばしてみよう・・
~なんて思っています。
前置きが長くなりました。
それにしても、ついこの間まで
「暑い暑い・・」
と言っていましたのに、
駆け足でやって来た秋。
こうなりますと・・。
夏の間は控えめだった、
「花あしらい」 なんて、
気取ってみたり。
思い浮かぶのは、
やはり和陶器。
今日は少々、趣きを変えて。
普段は、ほとんど縁のない
付き出し用の皿と、
ぐい呑みを花器に見立てて。
テーブルは勿論、大きな壺。
我家では、こんな壺が
ゴロゴロしていますので。
今、満開の野の花、露草や
海老草など庭から摘んで来ました。
折角、出会った器ですものね。
本来の使い方とは違いますが、使わないよりはいいかと。
そして雨上がりの午後は、お香でも焚きましょう。
本来は香の物でも入れる蓋付きの器には、これもお香が入っています。
立ち昇る青い煙を、ただボ~ッと見つめているだけ。
こんな、およそ生産性のない怠惰な時間も、オツなものですね。