【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

古人(いにしえびと)に思いを馳せて

2012-09-21 17:52:12 | 路傍の花~道草








「―― コスモス は、誰も親しめる、
まあ大衆的 ―― みたいな花ですわね。
(中略)
自由な気持ちで、小さい頃お庭で
おままごとなすった時のように、
コスモス の、その花と遊ぶ気分で、
その花に心を浸す気持ち、
活花する心には、それが必要ね。
北原白秋の詩にもあるでしょう ――
(花を活けつゝ)って題で、
―― 世の常の花にはあらず、この匂ひ、
びてこよなし、しかもなほ、夢にうつゝに、
未だ見ぬ花は多かる、われはむ、
壺のまろみの幽かなる ――
いよゝ眺めん、花ひとつ ――」

美しいその花の教師の講義の声は、
うわずらず、しっとりと、淡く艶な含みが
おっとりあって、いい感じだった。
生徒の少女達は、水平型の制服の胸に、
思わずコスモスの束を抱くように
うっとりとして、その声に聞き入るのだった。
                   【吉屋信子作 「花」】


   快晴の空となりました。
  動けば少々暑いけれど、もう秋晴れと言ってもいいですね。
  湿度もなく、爽やかです。

   こうして記している今も虫の声が盛んです。虫時雨(しぐれ)。
  日本の、とりわけ秋らしい風情ですね。

【万葉人(まんようびと)が髪に飾った花】





【山萩】


   さて、久し振りの道草です。
  道端には、そろそろとコスモスが咲かんとしています。

   微かな風にも左右に揺れるコスモスは、その葉姿から繊細で可憐。
  しかしながらその茎は、太くて強靭(きょうじん)。

   見かけは儚(はかな)げだけれど、本質は強靭。
  これこそ、女性の理想の姿のような気がしてなりません。

   そして 「萩(ハギ)」。
  山野に広く自生しているのは 「山萩(ヤマハギ)」 、
  観賞用は 「宮城野萩(ミヤギノハギ)」 が多いようですね。

   ところで、万葉人は男女共に髪に花を飾る風習があったとか。
  アンポアロ も真っ青ですね。

   「秋風は涼しくなりぬ馬並ねて
      いざ野に行かな芽子はぎが花見に」
~ 詠み人知らず
             【注 : 「芽子」 とは 「萩」 の事】

   こんな風に万葉人は、春の桜と同じように、
  秋には 「萩の花見」 をしていたようです。
  どこか素朴な萩の花。殊の外、万葉人の心を捉えたのでしょう。

   私の足は、いつの間にか 「アン気分に浸れる場所」 に。
  梨園では、たわわに梨が実っていました。
  ここの梨は後日、1個100円くらいで一般販売もされます。

【梨園】